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フォトグラファーとNFT #001 君は誰なの?
- 2022/7/30
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君は誰なんだい?だよね、じゃあ僕の話しからしようか。NFTのことはちょっと待ってくれ。
野町太陽、創作活動は英語表記のTaiyou Nomachiでやらせてもらっている。珍しい名前だけど本名だ。
僕は20代で二度の敗北を味わった。音楽で挫折し脚本家にもなれなかった。たったの一音も出すことができなくなり、たったの一文字も書けなくなった。絶望だ。どうやって心の整理をしたのか、もはや覚えてなどいない。音大卒の僕は就職はもちろん就職活動すらしたことないのだから漠然とアルバイトをしていたのだろう。得た教訓は、やめたら終わるってことだった。
僕はいま45歳、動画も撮るけど根はフォトグラファーだ。主には人物を撮っている。クライアントワークとして保育園や幼稚園の行事や日常生活の撮影、単発で請け負う家族写真や企業の撮影。クライアントワーク以外では著作権フリーで広告素材として利用できる、いわゆるストック写真、ストック動画の撮影。極めてローカルな世界とグローバルマーケットでの戦い、このギャップが僕は好きだ。どちらも非常に面白い。ちなみにストック作品は自分で撮影企画もするのでプロデューサーとしての役割の方が大きい。先述の音楽と脚本家の間で自主制作映画に熱狂していた期間があった。何かを生み出す喜びを知ったのはその頃だ。性に合ってる。
フォトグラファーって当然カメラが好きで写真が好きでフォトグラファーになった、って思うでしょ?僕は違うんだ。写真になんか興味ないしカメラも持ってない。それどころかパパラッチの印象が強くてなんの憧れもなかった。もちろん僕の誤解だ。たまに情熱大陸なんかで報道カメラマンやジャングルの奥深くに分け入って撮影してる人を見ると、ちょっとかっこいいな、なんて思ったりしたけど。
夢が破れても就職する気ゼロだった僕は何か武器を持たなきゃいけなかった。そこで僕は消去法で人生を決めることにした。嫌なものを外していって、最後に残ったものをやろう、気が向かないことはやらない、好きなことだけやるのだ。協調性が無さすぎる僕は雇われたらおしまいだ。だからサラリーマンの類は全て除外。月給は想像できるからつまらない、しかし起業する勇気もなかった。単発の契約なら大丈夫だ、そうだ個人事業主だ。フリーランスってやつだ。
ではどんな状況が好きなのか?一人で黙々と集中している時間は本当に幸せだと経験が教えてくれていた。最低一人でもできる仕事、当時の僕の頭では小説家とフォトグラファーが残った。書くことは脚本家になれなくて挫折している。こうして僕は人生を決めた。カメラを持って世界中をプラプラしよう。すでに30歳が過ぎていた。
おいおい決めたって、カメラ持ってないじゃん。まずは警備のバイトをしてお金を貯めた。電気屋でカメラに触ってみても液晶画面に表示される数字の意味がさっぱりわからない。だからカメラの基本的なことだけ短期間のワークショップに通って習い、あとは独学だ。念願のデジタル一眼レフとレンズを買っていろんなものを撮ってみた。すぐに人物撮影の楽しさにハマった。
華やかなファッション雑誌やタレントの撮影に憧れたけれどさすがにすぐにそんな仕事の依頼はこないので、入り込みやすい学校関連の撮影を始めてみた。修学旅行や遠足に同行するカメラマンがいるでしょ?あれだ。口コミでポートレートの撮影依頼なんかもできるようになっていった。だんだんと稼げるようになったので警備のバイトを無事やめられた。プロになれた。
フォトグラファー専業になって9年ほどだが、消去法で導き出した答えは正しかった。集合と解散を繰り返す生き方が好きだ。出会いと別れを抱きながら何かを表現しようとする刹那的な生き方が好きだ。どうしてここまで協調性に欠けるのか、思い当たる節はあるけどそれはまたいずれということにしよう。
音大3年生の時、ヒッチハイクと青春18切符と船で行き先を決めない一人旅に出たことがある。奄美大島に着いた時「大人になってもこんなことやってちゃダメなんだろうな」と心の中で呟いていた。45歳の僕はそんなことをやっている大人になった。NFTを知ったのだ。
動画コレクション→https://opensea.io/collection/kawaiismallworldseason1
写真コレクション→https://opensea.io/collection/kawaiismallworldseason1photoedition
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