2023年10月27日、仮想通貨の世界が再び大きな動きに注目しました。Coindeskの報告によると、FTX取引所の関連アドレスから、約600万ドル相当のトークンがCoinbaseに移動しました。この転送は、FTXの創設者であるSam Bankman-Fried（SBF）氏が法廷での証言を行っている最中に行われました。

​Lookonchainのデータによれば、FTX/Alamedaの関連アドレスは、253,862枚のLINK（約267万ドル相当）と159万枚のAGLD（約134万ドル相当）をCoinbaseに転送しました。さらに、Arkham Intelligenceによると、FTXのウォレットから約480万ドル相当のMATICが別のアドレスに移動され、そのうち180万ドル相当がCoinbaseに送られました。

​一方、SBF氏は証言の中で、2022年に高級副手と130億ドルの資金がどのように消失したかについて話し合ったことを覚えていないと述べました。さらに、彼はFTXの顧客資産が「総合ウォレット」に一括して保管されていたこと、これが業界の標準的な実践であることを強調しました。

​特に注目すべきは、SBF氏がAlamedaを通じてFTXの預金を受け取ることは合法だと信じていると述べた点です。彼は、FTXとAlamedaがNorth Dimensionを設立した際、FTXにはまだ銀行口座がなく、彼が両社のCEOを務めていたことを明らかにしました。この動きは、FTXの顧客預金を姉妹会社であるヘッジファンドのAlameda Researchに移動させるためのものでした。

​この一件は、仮想通貨業界における資金の流れと、大手取引所の内部管理に新たな疑問を投げかけています。SBF氏の証言は、業界全体にとって重要な示唆を含んでおり、今後の法的な展開が注目されます。FTXとSBF氏にとって、これからが正念場となるでしょう。