2024年11月24日暗号資産ニュース|ETF流入と大口取引の実像

2024年11月24日のニュースで注目されたのは、米国の暗号資産ETFへの資金流入と、大口ウォレットの取引だった。ただし、ETFの数字は米国11月22日の営業日分であり、ミームコインの過去の取引実績を直近12時間の利益と読むこともできない。集計日、送金先、利益の計算範囲を確認すると、同じ『資金が増えた』という話でも意味が違うことが分かる。

ETH現物ETFは6営業日の流出後に純流入へ

Farside Investorsの履歴表によると、米国のEthereum現物ETFは2024年11月22日に合計約9,130万ドルの純流入となった。11月14日、15日、18日、19日、20日、21日の6営業日は合計がマイナスだったため、この日の集計は流入への転換を示している。土日を含む連続6日間という意味ではない。

内訳ではBlackRockのETHAが約9,970万ドルの純流入、GrayscaleのETHEが約1,860万ドルの純流出だった。同じETHを対象とする商品でも資金の方向はそろっていない。最大の商品だけでなく、他の商品から出た資金も差し引いて市場全体を見る必要がある。

元の記事は『昨日』と記していたが、記事公開日の11月24日は日曜日である。本稿では対象を11月22日と明示し、Farsideが百万ドル単位で表示する数値に統一した。旧稿の9,120.93万ドルという別集計の細かい数字と混ぜず、どの資料を使った比較なのか分かるようにしている。

一日の純流入は、その日の資金移動を示す。これだけでEthereumの安全性が高まった、投資家全員の評価が好転した、翌週も流入が続くとまでは言えない。商品の売買が活発だったかを知る取引高とも異なるため、指標の名前まで確認して読むことが大切だ。

BTC現物ETFには約4.9億ドル、商品ごとの差も

同じFarsideのBitcoin ETF履歴表では、11月22日の純流入は約4億9,030万ドルだった。11月18日から22日までの5営業日は、それぞれ合計がプラスになっている。ETHの流出期間とBTCの流入期間を並べると、暗号資産ETFという一つの括りでも資金の動きは異なっていた。

22日のIBITは約5億1,320万ドルの純流入、GBTCは約6,710万ドルの純流出だった。IBIT単独の流入が全体の純流入を上回るのは、別の商品で資金流出があったためであり、数字の矛盾ではない。全商品の合計を知りたい場面で、最大の流入額をそのまま使うと過大な説明になる。

また、ETFの運用資産額と資金流入額は別物である。資産額には保有BTCの価格変化も反映されるため、残高の増加分をすべて新規資金とみなすことはできない。元の記事が挙げた総資産と『市場全体の5.48%』については、対象と分母を確認できる資料がそろわず、確定した比率としては採用していない。

BTCとETHの商品を比較するときも、一日分と設定以来の累計を同列に置かないようにしたい。純流入が続いた営業日数は継続性を見る手掛かりになるが、保有者数や個人投資家の購入額を直接示しているわけではない。資金の動きから参加者の属性まで推定するには、別の情報が必要になる。

13.8億USDTの送金報道は買付完了を示さない

11月23日のBitget掲載記事は、Lookonchainの監視情報として、過去15時間に13.8億USDTがTetherから取引プラットフォームへ移ったと伝えた。これは送金先と数量に関する報道である。本稿では個々の取引ハッシュを独立に再集計しておらず、監視情報を引用した記事として扱う。

取引所へUSDTが届けば、取引に利用できる資金が増える可能性はある。しかし、そのすべてがBTCやETHの購入に使われたとは限らない。送金後に何を買ったのか、あるいは送金時点で買付を予定していたのかは、この短い記事だけでは分からない。

発行元からの送金量、取引所全体への純流入、市場での実際の売買は、それぞれ集計対象が異なる。ある方向の送金を合計した数字から、反対方向の出金まで差し引かれたと考えることはできない。また、15時間という区切りを、一日分のETF集計へそのまま足し合わせるのも適切ではない。

大きな送金は市場を見るきっかけにはなるが、『この金額の新規買いが確定した』という結論には追加の証拠が要る。元の記事にあった需要増加や相場変動への対応という説明は、考えられる解釈の一つであって、送金データで確認された利用目的ではない。

ETHとWBTCの交換は相対価格と残高を確認する

PANewsは11月23日、@ai_9684xtpaの監視情報を引用し、ETHからWBTCへの交換と、その後のETHへの交換で8カ月間に1,533ETHの純利益を得たと報じた。ただし、本文で紹介されているのは一部の交換と別途保有したWBTCの情報であり、取引全体の帳簿ではない。

異なる資産を往復交換する場合、重要なのは双方のドル価格だけでなく、交換比率である。例えば説明用に、100ETHを5WBTCに換え、その5WBTCを後に120ETHへ戻せたとする。ETHの数量は20枚増えるが、ドルで見た利益は各時点の価格や費用によって変わる。この例は当該ウォレットの実取引を再現したものではない。

実際の利益を確かめるには、途中の追加購入、外部からの入金、残っている保有資産、手数料を含める必要がある。別の資金で買い足した分まで最初の取引の成果に含めると、交換だけで数量を増やしたように見えてしまう。

今回の短報だけでは1,533ETHという数字を最初から再計算できないため、本稿の検証済み収益としては掲げない。『スマートマネー』という呼び方も、将来の判断が正しいことを保証する資格ではない。成功した往復売買の紹介から、同じ順序で売買すれば利益を最大化できると一般化するのは避けたい。

PEPEの過去の成績と直近12時間の交換を分ける

ミームコイン取引について、元の記事はPEPEで4.5万ドルを4,690万ドルに増やした出来事と、直近12時間のMOODENGからWOJAKへの交換を一続きに書いていた。PANewsの11月23日の報道では、12時間という期間は後者の交換を指している。PEPEの大きな利益を12時間で達成したという根拠にはならない。

さらに、引用記事の利益には、売却によって得た金額と、保有中のWOJAKをその時の価格で評価した数字が登場する。残高の評価が上がったことと、売って手元に資金を確保したことは違う。二つの数値をそのまま足して、確定利益の合計とすることはできない。

転載本文にはETH数量とドル換算額の整合性を確認できない箇所もある。元の売買履歴や計算条件を確かめず、もっとも大きな利益額だけを見出しに残すと誤解を広げるため、本稿では個別の収益額を確定値として再掲載しない。

流動性が限られるトークンでは、画面に表示された価格で大量の保有分を一度に売れるとは限らない。少量の売買価格を残高全体へ掛けた評価額と、実際の売却代金には差が出る可能性がある。取引の後から高値を見つけることと、その時点で売却を判断して実行することにも隔たりがある。

未発行50プロジェクトは当時の調査リスト

ChainCatcherが11月22日に公開した記事は、RootData List 2024の『未発行プロジェクトTop50』を取り上げ、各プロジェクトの状況を整理したものだった。モジュラー、DeFi、インフラ、AIなど26分野にまたがるという説明も、この掲載時点の分類に基づく。

ここでいう未発行は当時のトークン発行状況であり、現在も同じ状態だという意味ではない。また、リストへの掲載は発行日や上場先の決定ではなく、利用者へのエアドロップを約束するものでもない。将来の配布を期待して行う作業と、公式に公表された参加条件は分ける必要がある。

プロジェクトを見る際は、資金調達額や支援者の知名度だけでなく、既に利用できる製品、開発の進み具合、利用者が何に対価を払うのかを確認したい。トークンがなくてもサービスは成り立ち得るし、サービスが使われても、その価値が将来のトークン保有者に移るとは限らない。

このリストは個別調査の入口として読める。一方、50件すべてに実用性が実証された、どの分野も持続的に成長しているという結論までは導けない。ETFの集計やウォレットの成功例と同様、何が観測された事実で、何が将来への期待なのかを分けることで、当時のニュースを過度な利益予測に変えずに理解できる。

よくある質問

Q. 11月24日の記事なのにETFの数字は22日分なのですか?

A. はい。確認したFarsideの対象行は米国11月22日の営業日分です。記事公開日と金融商品の集計日は区別しています。

Q. 13.8億USDTが取引所に届けば、その全額でBTCが買われますか?

A. 送金の報道だけでは購入先や使途は分かりません。取引所への移動と実際の買付は別の出来事です。

Q. PEPEの巨額利益は12時間で得たものですか?

A. 参照報道の12時間はMOODENGからWOJAKへの交換期間です。PEPEでの過去の取引実績をその期間に当てはめることはできません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。