トロン創設者ジャスティン・サンのポロニエックス、1億ドル超の大規模ハッキングに遭う

セキュリティ侵害: ポロニエックスの資金流出とその影響


背景と事件の概要:
2023年11月10日、トロンの創設者であるジャスティン・サンが設立した仮想通貨取引所ポロニエックスが、1億ドル以上の資金を盗まれる大規模なハッキングに見舞われました。この事件は、暗号通貨セキュリティ会社のPeckShieldとCyversによって発覚し、UTC時間の10:55頃にハッキングの可能性が指摘されました。

ポロニエックスの対応:
ポロニエックスのカスタマーサービスは、X(旧称Twitter)を通じて、「ウォレットがメンテナンスのために無効化された」と発表しました。取引所は、ウォレットがオンラインになり次第、コミュニティに情報を提供すると述べましたが、その後の更新はありませんでした。

ジャスティン・サンの声明:
ジャスティン・サンはXにてこの事態を共有し、ハッカーが資金を返還すれば、5%の「白帽ハッカー」報奨金を提供すると発言しました。サンは、ハッカーに資金を返還するための期限として7日間を設け、それが過ぎれば法執行機関に連絡すると述べています。

ハッキングの詳細:
報告によると、ハッカーは複数のブロックチェーンをまたいで多くのウォレットを狙いました。Arkhamによると、「ポロニエックスハッカー」と名付けられたイーサリアム(ETH)ウォレットから、357回の取引を通じて1億1400万ドル相当のトークンが送金されました。また、トロン(TRX)ブロックチェーン上の別のウォレットからは、4200万ドル相当の資産が様々なウォレットに送金されています。

オンチェーンデータによると、ハッカーはTRXを2000万ドル分購入し、その価格を25%以上押し上げました。

未解明の点:
ハッカーがどのようにして脆弱性を見つけ、利用したかはまだ不明です。今後、ハッカーがホットウォレットにアクセスした方法に関する更なる情報が提供される可能性があります。ただし、仮想通貨取引所のハッキングは珍しくなく、今年だけでもHTXが800万ドル相当のETHを、4月には韓国のGdacが1300万ドルを、昨年11月にはDeribitが2800万ドルを盗まれる事件が発生しています。

総括:
この事件は、仮想通貨取引所が直面する安全性の課題を改めて浮き彫りにしました。取引所やユーザーは、セキュリティ対策を強化し、常に最新の保護措置

に関する情報を入手し続ける必要があります。ジャスティン・サンの提案する「白帽ハッカー」報奨金のような施策も、被害の最小化と犯人の追跡に一定の効果を発揮するかもしれません。しかしながら、根本的なセキュリティの強化が最も重要です。

ハッキングは、仮想通貨の世界におけるリスクの一面を示しています。ユーザーは自己の資産を守るために、取引所のセキュリティ態勢や保険の有無、および自身のセキュリティ対策を慎重に選ぶ必要があります。特に大規模な取引所の場合、その影響は広範に及ぶため、安全性への信頼が重要です。

今回のポロニエックスの事件は、仮想通貨業界全体に警鐘を鳴らし、取引所やユーザーにより一層の警戒を促しています。今後のセキュリティ対策の進展や、ハッキングの詳細が明らかになることを期待しつつ、投資家はより注意深く市場を見守る必要があるでしょう。

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