この記事の結論
- レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、取得時点の価額(時価)を総収入金額(法人は益金の額)に算入する(国税庁FAQ 1-7)。
- 個人の所得区分は原則として雑所得(その他雑所得)。その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は帳簿書類の保存の有無で事業所得か業務に係る雑所得に分かれる(同2-2、令和7年12月更新)。
- 利用料を対価とする暗号資産の貸付けは、消費税の課税対象になる(同6-2)。
本記事は国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」令和7年12月最終改訂版(令和7年12月1日現在の法令・通達等)にもとづく2026年9月時点の整理です。
結論:受け取った時点の時価が収入になる
国税庁FAQ 1-7 は、いわゆるマイニング・ステーキング・レンディングなどにより暗号資産を取得した場合、その取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)を所得の金額の計算上の総収入金額(法人税では益金の額)に算入し、要した費用は必要経費(法人税では損金の額)に算入する、と述べています。円に換えていなくても、受け取った時点で収入が立つ点が実務上の要です。
論点ごとの取扱い
| 論点 | 取扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| 利用料を受け取った時の収入金額 | 取得時点の価額(時価)を総収入金額に算入 | FAQ 1-7 |
| 個人の所得区分(原則) | 雑所得(その他雑所得) | FAQ 2-2 |
| 収入金額300万円超・帳簿書類の保存あり | 原則として事業所得 | FAQ 2-2 |
| 収入金額300万円超・帳簿書類の保存なし | 原則として業務に係る雑所得 | FAQ 2-2 |
| 利用料を対価とする貸付けの消費税 | 課税対象(非課税取引のいずれにも該当しない) | FAQ 6-2 |
| 法人が貸し付けた暗号資産の期末評価 | 要件を満たせば期末時価評価の対象 | FAQ 3-1-7 |
消費税が課税対象になる理由
FAQ 6-2 は、利用規約で「契約期間満了後に同種かつ同等の暗号資産が返還され、その返還に際して利用料が支払われる」と規定されている取引について、事業者が対価を得て行う資産の貸付けに該当するとしています。そのうえで、支払手段およびこれに類するもの(暗号資産)の譲渡、利子を対価とする金銭の貸付け、有価証券の貸付けのほか、消費税法別表第二に掲げる非課税取引のいずれにも該当しないため、課税対象になると整理しています。電子決済手段の貸付けについても同様とされています。
法人は期末時価評価にも注意
FAQ 3-1-7 は、使用料を得るために相対で貸し付けており貸付期間中は譲渡できない暗号資産について、活発な市場が存在し、特定自己発行暗号資産にも特定譲渡制限付暗号資産にも該当しないのであれば、期末時価評価の対象となり、評価額と帳簿価額との差額を益金または損金の額に算入すると述べています。貸出中で動かせないことは、時価評価の対象外になる理由にはなりません。
記録として残すべきもの
- 利用料を受け取った日時と数量
- その時点の時価と、価格をどこから取得したか
- 貸借取引契約・利用規約の該当箇所(返還と利用料の定め)
- レンディングに要した費用(手数料等)の明細
ステーキング報酬の課税タイミングと共通する論点も多いため、複数の収益源がある場合はまとめて年間の集計方法を決めておくと計算が安定します。個別の判断は税理士や所轄税務署にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
レンディングの利用料はいつ収入になりますか?
国税庁FAQ 1-7 により、取得した暗号資産の取得時点の価額(時価)を総収入金額に算入します。円に換金していなくても収入として認識します。
利用料は何所得になりますか?
個人は原則として雑所得(その他雑所得)です。その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は、帳簿書類の保存があれば原則事業所得、なければ原則として業務に係る雑所得になります。
暗号資産の貸付けに消費税はかかりますか?
かかります。FAQ 6-2 は、利用料を対価とする暗号資産の貸付けは資産の貸付けに該当し、消費税法別表第二の非課税取引のいずれにも該当しないため課税対象になるとしています。
出典(一次情報)
- 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月)PDF
- 国税庁 暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について
- 国税庁 タックスアンサー No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係
- 金融庁 暗号資産関係
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。




