3月15日の暗号資産:Solana投票不成立と3AC請求、WLFI販売

2025年3月15日までに、Solanaの発行ルールを巡る投票結果、3ACの債権届出に関する裁判所の決定、WLFIのトークン販売完了が伝えられた。Baseへの資金移動や政権交代も関心を集めたが、どれも価格の方向を直接決める材料ではない。当日までに確認できる資料に沿って、各ニュースが何を意味するのかを整理する。

Baseへの資金移動は、ETHの売却と同じではない

BaseはCoinbaseが開発を始めたEthereumのL2で、OP Stackを利用している。公式の初期発表でも、Ethereumなどとの接続を重視するネットワークとして説明されていた。Baseの利用が増えることを、そのままEthereumとの関係がなくなる動きとして捉えるのは正確ではない。

資金の流入を読む際には、送金元のネットワークと、送られた資産の種類を分けたい。Ethereumから移った資産がすべてETHとは限らず、ステーブルコインなどもあり得る。一方、ETHを別のネットワークで利用するために移しただけなら、それだけでETHが売られたことにはならない。

また、ブリッジを通じて入った総額と、出ていった分を差し引く純流入額は異なる。期間を指定しない累積額と一週間の増加額を比較しても、直近の勢いは判断できない。資金が同じ主体によって往復している場合には、送金総額を新規投資家の投資額として数えると実態を過大に見せる。

「28億ドルの流入」「7割がETH由来」といった数値も、集計期間や対象資産が明らかでなければ、他のL2との比較には使いにくい。Baseの評価には、資金移動に加え、継続して使われるアプリや利用者の動向を別々に確認する必要がある。

Solanaの優先手数料はサンドイッチ対策を保証しない

サンドイッチ攻撃では、利用者の売買の前後に別の売買を差し込み、価格の変化を利用して利益を得る。取引が成立したとしても、利用者は本来より不利な価格で約定する場合がある。取引を早く処理してもらうことと、不利な並べ替えを防ぐことは異なる課題だ。

Heliusが2025年1月15日に公表したMEVレポートは、Solanaには全体で共有する通常のメンプールがない一方、取引情報を扱う私的な経路が存在することを説明している。Jitoが公開メンプールを停止したのは2024年3月であり、2025年3月に初めて取られた対策ではない。停止だけであらゆるサンドイッチが消えたわけでもなかった。

Solanaの優先手数料は、取引を処理する際の優先度に関係する仕組みである。支払った人の取引を秘密にする契約や、他の取引に挟まれない保証ではない。Jitoのチップとネットワークの優先手数料も、同じ名称の一つの料金として扱わない方がよい。

価格変動の許容幅を広く設定した取引や、流動性の乏しい市場では、利用者が受け入れてしまう価格差も大きくなり得る。ただし、個別の被害やバリデータの関与を断定するには取引記録などの根拠が要る。MEVには裁定取引なども含まれるため、MEVという用語だけで全処理を不正と決め付けることもできない。

SIMD-0228は新規発行の調整案で、投票は不成立

SIMD-0228が扱ったのは、SOLのステーキング参加率に応じて新規発行の仕組みを変える案だった。公式フォーラムに示された構想は、市場の参加状況を発行率へ反映させるものだ。サンドイッチ攻撃の検出や、売買順序の保護を直接実装する提案ではない。

The Blockの3月13日付報道によると、投票での賛成は61.4%で、可決に必要な約3分の2へ届かなかった。記事の公表時刻は日本時間では3月14日に当たる。3月15日時点での整理は、提案は成立せず、この投票による発行ルールの変更は行われない、というものになる。

ステーキング報酬と取引の安全性は、同じネットワーク上でも検討すべき仕組みが違う。発行を減らす案が成立しなかったからといって、攻撃防止策が否決されたとは説明できない。反対に、将来発行量が減るとしても、個々の売買が安全になることやSOLの値上がりが保証されるわけではない。

3ACの15.3億ドル請求は、支払いを命じた判決ではない

米デラウェア州の破産裁判所は3月13日、Three Arrows Capital(3AC)の共同清算人による、FTXに対する債権届出の修正を認めた。当初の約1億2,000万ドルから約15億3,000万ドルへ請求額を広げる手続きで、契約違反など追加の根拠を含む届出が対象となった。

John T. Dorsey判事の意見書は、修正を遅すぎるとするFTX側の反対を検討したうえで申立てを認めている。資料開示の遅れや、清算人側の対応も判断の背景に挙げられた。ここで許可されたのは請求内容を修正して手続きを進めることである。

したがって「裁判所が15.3億ドルの債権を最終確定した」「FTXが同額を直ちに支払う」とまではいえない。請求する側の金額、裁判所が最終的に認める金額、実際の配当額は別の段階で決まる。破産関連の見出しでは、金額だけでなく、その決定が手続き上のどこに位置するのかを読むことが重要になる。

カーニー首相の就任と暗号資産政策の決定を分ける

カナダ総督府の記録によると、3月14日にマーク・カーニー氏が第24代首相として宣誓した。式典はRideau Hallで行われ、当時の総督メアリー・サイモン氏が主宰した。これが、この時点で公式に確認できる政権交代の事実である。

中央銀行家としての経歴や過去の暗号資産への評価は、今後の政策を考える材料にはなる。しかし、首相就任という出来事だけを根拠に、ビットコインの新たな禁止やCBDC導入が決まったと解釈することはできない。具体的な政策を伝えるには、政府の発表、法律案、適用日などを確かめる必要がある。

米国側では、3月6日の大統領令がBTC向けの戦略的準備金を設け、BTC以外のデジタル資産は別の備蓄として扱っていた。BTCについては確定没収された政府保有資産を土台とし、追加取得に関しては予算中立的な方法を検討する内容だった。「戦略が何もない」という説明は、この命令の存在を落としてしまう。

同時に、追加取得の検討を、無制限の市場買い付けがすでに始まったという意味に広げることもできない。保管する資産の枠組み、取得方法の検討、実際の購入は、それぞれ確認すべき事実が異なる。政策への期待だけから、その日の相場の底値を特定することは難しい。

WLFIの5.5億ドルは公開トークン販売の累計

3月14日のThe Blockは、World Liberty Financialの公開トークン販売が累計約5億5,000万ドルに達したと報じた。内訳は、先に販売した200億WLFIを1枚0.015ドルとする3億ドルと、その後の50億WLFIを1枚0.05ドルとする2億5,000万ドルである。

今回終わった追加販売だけで5億5,000万ドルを集めたわけではない。また、この数字は売却したトークンの対価であり、プロジェクトの利益、預かり資産残高、トークンの市場時価総額を示すものでもない。政治家の関与が注目された案件だからこそ、数字の意味をそろえて読む必要がある。

当時の報道ではWLFIはガバナンスに使うトークンで、保有は事業体への金銭的な持分を意味せず、移転にも制限があったと説明されていた。購入したトークンをいつでも市場で売れると想定して、販売時の価格差をそのまま利益と計算することはできない。

なお、2025年3月のドナルド・トランプ氏は現職の米大統領である。資金調達の完了は確認すべきニュースだが、DeFiサービスの稼働状況や収益性まで一度に証明する出来事ではない。販売、開発、利用実績を分けることで、話題性に引っ張られずに進捗を把握できる。

よくある質問

Q. SIMD-0228はサンドイッチ攻撃を防ぐ提案ですか?

A. ステーキング参加率と新規発行の関係を見直す提案です。売買順序を保護する対策ではなく、投票も可決に必要な支持へ届きませんでした。

Q. 3ACへの15.3億ドルの支払いは確定しましたか?

A. 今回の命令が認めたのは債権届出の修正です。請求額全体の最終認定や即時の支払命令とは異なります。

Q. WLFIは追加販売だけで5.5億ドルを集めましたか?

A. 報道の5.5億ドルは公開販売の累計です。先行分の3億ドルと追加分の2.5億ドルを合わせた金額です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。