3月24日の暗号資産:AUCTION送金とインド市場、Celo移行予定

2025年3月24日の暗号資産ニュースには、大口送金、業界の資金調達、翌週に控えたネットワーク更新が並んだ。同じ金額でも、売買の実績なのか、将来の見通しなのかで意味は違う。日本時間の同日昼までに確認できる資料を基に、主要な出来事と数字の前提を整理する。

ビットコイン50万〜70万ドル論は、1月の条件付き発言

ブラックロックのLarry Fink氏がビットコインの50万〜70万ドルという価格に言及したのは、2025年1月のダボスでのインタビューだった。The Blockの1月22日付報道によると、政府系ファンドとの会話で、資産の2%または5%をビットコインへ配分する可能性が話題になったという。

発言は、そうした配分を検討する動きが広がった場合に価格がどうなるか、という条件を伴っている。3月24日に新しい目標価格を公表したものでも、一定の日付までの到達を約束したものでもない。過去の発言を紹介する際には、金額だけでなく時期と前提を付けて読む必要がある。

機関投資家の配分が増えれば需要に影響し得るが、個々の投資家が実際に買うかどうかは別の判断だ。運用方針、許容できる価格変動、利用可能な金融商品などによって配分は変わる。経営者の強気の見方と、既に決まった大量購入を同じ情報として扱うことはできない。

この価格帯は将来像を考えるための見解であり、現在価格からの確実な上昇幅を示す数字ではない。発言者の知名度だけで判断せず、どの程度の需要拡大を想定しているのかを確認したい。

AUCTIONの大口送金は、全量売却の証拠とは異なる

3月23日のCoinomedia記事は、Lookonchainの投稿を紹介し、大口保有者が108万AUCTIONをBinanceとOKXへ送ったと報じた。同記事は価格が約50%下落したとも伝えている。大きな資産移動と価格変動が重なり、保有者の集中が市場へ与える影響に注目が集まった。

ただし、チェーン上で取引所宛ての入金が見えることと、その全量が売却されたことは区別すべきだ。取引所内でいつ、どの価格で、どれだけ約定したかは、入金の記録だけでは分からない。入金が売却の準備である可能性を考えることはできても、売却完了として記述するには追加の根拠が必要になる。

アドレスの帰属にも注意が要る。大口保有者と運営チームは同じ主体とは限らず、分析サービスのラベルだけで実際の所有者が確定するわけでもない。原文で挙げられた複数の送金額を合計する場合には、期間の重複や同じ資産の移動を二重に数えていないかを確かめる必要がある。

価格の下落率も、どの取引所のどの時間帯を測るかで変わる。大口入金は市場を見る重要な材料だが、それだけを下落の唯一の原因とするのは早い。売り注文を受け止める買いの厚さや、先物の清算などを含めて考えるべき局面だった。

インドのWeb3統計は、創業者の背景を含めた集計

Hashed Emergentの「India Web3 Landscape Report 2024」は、インドに関わるWeb3スタートアップが1,200社を超え、累計で30億ドル超を調達したと報告している。2024年の調達額は5億6,400万ドルで、2023年に比べて109%増加したという。累計額と単年の額を混ぜないことが重要だ。

報告書の注記では、インドのスタートアップに、インドのパスポートを保有したことのある創業者が率いる企業を含めている。したがって、この数はインド国内に登記や拠点がある企業だけを数えたものとは限らない。インド出身の人材が世界で立ち上げた事業も含む広がりを示す統計として読む必要がある。

報告書は資金調達の回復と同時に、成長段階の企業が大きな資金を確保する難しさも指摘する。国内投資家の慎重さを、海外のWeb3ファンドや各エコシステムの資金が補ったという説明だ。調達総額が増えたことだけで、すべての事業者の資金環境が改善したとはいえない。

開発者の層が厚いことと、各プロジェクトの収益性も別である。基盤技術、金融、ゲームなどでは、利用者の獲得方法も資金の使い道も異なる。国全体の成長を捉える統計を、個別トークンの値上がり予測へ直接つなげることは避けたい。

米司法省の700万ドル回収は、被害者への返還手続きへ

米バージニア東部地区連邦検察は3月21日、投資詐欺の収益700万ドルについて、民事没収を通じて回収し権利関係を整理したと発表した。被害者に返還の申立てを案内する段階へ進むという内容で、全被害者への支払いが完了したという報告ではない。

公式発表によると、資金の一部が押収されたのは2023年6月で、対象は外国銀行が持つ銀行口座だった。その後の民事手続きと銀行側との和解を経て、700万ドルを米国へ没収することになった。3月に同額の暗号資産を新たに押収した、と要約すると経緯が変わってしまう。

発表が説明した詐欺では、相手が被害者との信頼関係を築いてから、正規の投資サービスに似せたサイトへ誘導していた。画面上では利益が増えたように見せ、出金を求めると税金などを理由に追加送金を要求したという。残高や利益が表示されること自体は、資産の実在や出金可能性の証明にならない。

被害回復の申立ては、この事件に関係する被害者のための手続きである。暗号資産に関する損失なら何でも一律に補填する制度ではない。該当する可能性がある人向けの連絡先と事件番号は公式発表に掲載されており、第三者の勧誘ではなく、その案内から条件を確認する必要がある。

Celoは3月26日正午のL2移行を予定

cLabsの事前告知では、CeloのEthereumレイヤー2への移行は3月26日午前3時UTC、つまり日本時間の同日正午を予定していた。対象ブロックは31,056,500で、L1クライアントからL2クライアントへ切り替える計画だった。3月24日昼の時点では、まだ実施前の予定として扱うべき情報である。

この移行は、新しいネットワークへ利用者が一から資産を移す方式ではなく、既存ネットワークのハードフォークとして設計された。告知では、チェーンの履歴とブロック高を維持し、フルノードの運営者がクライアントを更新する方針が説明されている。通常の利用者とノード運営者では、必要な対応が異なる。

技術面ではOP Stackを使い、データ可用性にEigenDAを利用する構成を採る。ブロック生成間隔は5秒から1秒へ短縮する計画だ。ただし、ブロックが速く生成されることと、あらゆる種類の取引や出金が1秒で最終確定することは同じではない。速度に関する数字は、どの処理を測っているかまで確認したい。

予定日が近づいた段階では、ネットワーク本体の切り替えに加え、利用する取引所やウォレットの対応も確認点となる。公式発表が示す移行方法と、各サービスが案内する入出金の扱いを分けて読むことで、利用者側に必要な準備を判断しやすくなる。

Walrusはトークン販売で資金調達、稼働予定は3月27日

Walrus Foundationは3月21日の発表で、非公開のトークン販売を通じて1億4,000万ドルを調達したと明らかにした。Standard Cryptoが主導し、Raptor Groupなどが参加した。これはトークン販売による調達の発表であり、サービスの売上高や株式の評価額を示すものではない。

発表では、集めた資金を分散型データ保存の仕組みやアプリ開発基盤の拡充・維持に使う方針が示された。WalrusはMysten Labsが開発を始めたプロジェクトで、Suiを利用する。AI向けのデータ、画像や動画、ウェブサイトなど、大きなデータを扱う用途が想定されている。

メインネットの開始予定日は3月27日だった。資金調達を終えたこと、稼働日を発表したこと、実際に運用が始まって利用実績が積み上がることは、それぞれ異なる節目だ。3月24日時点の説明では、将来の利用場面を既存の大規模な採用実績と混同しないことが大切になる。

今後の評価には、保存するデータ量や料金だけでなく、必要な期間にわたって読み出せるか、アプリ開発者が運用しやすいかといった実際の使用条件が関係する。強気の価格予測や調達額が並ぶ日ほど、発言、資金の移動、計画、サービスの稼働を分けて追うことが、ニュースの意味を見極める助けとなる。

よくある質問

Q. Fink氏は3月24日にビットコイン70万ドルを予測したのですか。

A. ここで取り上げたのは1月のインタビューです。資産配分の拡大を前提にした発言であり、到達時期を確約したものではありません。

Q. 取引所へ送られたAUCTIONは全量売却されたのですか。

A. 入金の記録だけでは、取引所内で売却された数量や約定価格までは分かりません。

Q. Celoの移行は日本時間の何時を予定していましたか。

A. 事前の公式告知は2025年3月26日午前3時UTCで、日本時間では同日正午です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。