TWAP注文とは|時間加重平均価格の仕組み・分割執行の使い方

最終更新日:2026年9月10日

この記事の結論

  • TWAP(Time Weighted Average Price/時間加重平均価格)注文とは、大口の注文を一定間隔の小口注文(子注文)に分割して執行し、約定単価を期間中の時間加重平均価格に近づける注文方法です。
  • 狙いは市場価格への影響(マーケットインパクト)を抑えることにあり、一度に板を消化する成行注文に比べて不利な価格での約定を減らせます。
  • Hyperliquidでは実行時間を5分〜7日、合計サイズ100ドル以上で設定でき、子注文は最短30秒間隔・1回あたり最大3%のスリッページ制限つきで送信されます。

TWAP注文とは(定義)

TWAPは Time Weighted Average Price の略で、日本語では「時間加重平均価格」と呼びます。ある期間中の価格を時間で平均した値のことで、注文タイプとしてのTWAP注文は、約定単価をその時間加重平均価格に近づけることを目的に、大口注文を一定間隔の小口注文へ分割して執行するアルゴリズム注文を指します。

大口注文を一度に成行で出すと、板にある注文を上(または下)から順に食い尽くしてしまい、自分の注文自体が価格を動かします。この現象をマーケットインパクトと呼びます。TWAP注文は執行を時間方向に薄く伸ばすことで、このインパクトを抑えます。アルゴリズム取引が取引コスト削減の手段として広がってきた経緯は、日本銀行金融研究所の研究資料でも整理されています。

仕組み:注文はどう分割されるのか

TWAP注文の入力は基本的に「合計サイズ」と「実行時間」の2つです。この2つから子注文1回あたりのサイズと送信間隔が決まります。Hyperliquidの公式ドキュメントは、次の2例を挙げています。

合計サイズ/実行時間子注文の本数1回あたりのサイズ送信間隔
10,000ドル/1時間約121本約83ドル30秒ごと
10,000ドル/4日約1,000本約10ドル約6分ごと
出典:Hyperliquid公式ドキュメント「Order types」

子注文が想定どおり約定しなかった場合、その後の子注文で執行目標に追いつこうとしますが、追いつくための子注文のサイズは通常の子注文の3倍までに制限されます。また子注文1本ごとに最大3%のスリッページ制限がかかるため、価格が急に飛んだ局面では意図的に約定しないことがあります。

成行・指値との違い

注文タイプ価格の決まり方約定の確実性マーケットインパクト向いている場面
成行板にある価格で即時高い大きい小口・即時性が最優先
指値自分で指定低い(約定しないことがある)小さい価格を譲れない場合
TWAP期間中の平均に近づける中(スリッページ制限で未約定あり)小さい大口をならして執行したい場合

なお、TWAPと並んで語られるVWAP(出来高加重平均価格)は、時間ではなく出来高で加重した平均価格を目標にします。板が薄い時間帯にも一定量を出すTWAPに対し、VWAPは出来高の多い時間帯に多く配分する点が違いです。

Hyperliquidでの仕様

  • 実行時間(Running time):5分〜7日
  • 合計サイズの下限:100ドル
  • 子注文の最短間隔:30秒
  • 子注文1本あたりの最大スリッページ:3%
  • 遅れを取り戻す子注文の上限:通常サイズの3倍

Hyperliquidのオンチェーン取引では、こうしたTWAP注文の執行状況をブロックエクスプローラーから追うこともできます。詳しくはHypurrScanとは|Hyperliquidの巨鯨の動きを追う使い方で解説しています。

注意点とリスク

TWAP注文はマーケットインパクトを抑える手段であって、価格が有利になることを保証するものではありません。実行時間中に一方向へ相場が動けば、平均化はむしろ不利に働きます。また、TWAP注文は執行の意図が時間をかけて板に現れるため、注文の存在自体が読み取られる可能性もあります。アルゴリズム取引と相場操縦の論点は、日本取引所グループの研究資料でも取り上げられています。

暗号資産の取引にあたっては、利用する事業者が日本の暗号資産交換業者として登録されているかを、金融庁の登録一覧で確認してください。海外の無登録業者を利用した場合、トラブル時の救済手段は大きく限られます。

よくある質問(FAQ)

TWAP注文とは何ですか?

Time Weighted Average Price(時間加重平均価格)注文の略で、大口注文を一定間隔の小口注文に分割して執行し、約定単価を期間中の時間加重平均価格に近づける注文方法です。市場価格への影響(マーケットインパクト)を抑えることを目的とします。

TWAP注文とVWAP注文の違いは何ですか?

TWAPは時間で加重した平均価格、VWAPは出来高で加重した平均価格を目標にします。TWAPは板が薄い時間帯にも一定量を出すのに対し、VWAPは出来高の多い時間帯に多く配分します。

HyperliquidのTWAP注文はどのような設定ができますか?

公式ドキュメントによると、実行時間は5分から7日まで、合計サイズは100ドル以上で設定できます。子注文は最短30秒間隔で送信され、1本あたり最大3%のスリッページ制限がかかります。

出典