暗号資産取引所の二段階認証と不正出金|連絡すべき順番を解説する

この記事の結論

  • 不正出金に気づいたら、まず取引所へ連絡して口座と出金を止め、その後に警察へ被害届を出す、という順番が基本です。
  • 金融庁は2024年9月26日と12月24日の二度、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)宛てに暗号資産の流出リスクへの対応等に関する自主点検を要請しています。
  • 相談先は金融サービス利用者相談室(0570-016811)、消費者ホットライン(188)、JVCEA(03-3222-1061)が公表されています。

本記事は金融庁の公表資料にもとづく2026年9月時点の整理です。連絡先や制度は変更される場合があります。

最初の数分で決まること

暗号資産の不正出金は、気づいてから連絡するまでの時間が結果を左右します。オンチェーンの送金は取り消せないため、事後にできるのは「まだ出ていない分を止めること」と「記録を残すこと」の2つです。順番を間違えないようにしてください。

連絡先と役割の一覧

連絡先担当する役割連絡方法
利用している暗号資産交換業者口座の凍結、出金の停止、履歴の保全各社のサポート窓口(最優先)
最寄りの警察本部・警察署被害届の受理、捜査金融庁が詐欺と思われるトラブルの相談先として案内
金融庁 金融サービス利用者相談室金融サービスに関する一般的な相談0570-016811(IP電話は03-5251-6811)平日10時〜17時
消費者ホットライン不審な勧誘に関する相談の振り分け188(局番なし)
日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)暗号資産に関する一般的な相談03-3222-1061

この5つはいずれも金融庁の「暗号資産の利用者のみなさまへ」に掲載されている窓口です。取引所への連絡が最優先である点は変わりません。相談窓口は取引を止める権限を持っていないためです。

記録として残しておくもの

被害届や交換業者への申告では、いつ・どこから・どのアドレスへ・いくら動いたのかが求められます。次のものを、画面が変わる前に保存しておいてください。

  • 不正な出金のトランザクションID(TxID)と送金先アドレス
  • 取引所の出金履歴・ログイン履歴のスクリーンショットとCSV
  • 異常に気づいた日時と、その直前に受け取ったメールやメッセージ
  • 二段階認証の再設定やメールアドレス変更の通知メール(差出人アドレスを含む)

特に、身に覚えのない「認証設定を変更しました」「メールアドレスを変更しました」という通知は、乗っ取りの起点を示す重要な手がかりになります。削除しないでください。

交換業者側にも点検が求められている

利用者側の対策だけが論点ではありません。金融庁は2024年9月26日、総合政策局長名でJVCEA宛てに「暗号資産の流出リスクへの対応等に関する注意喚起及び自主点検要請」を発出しました。

さらに同年12月24日には、警察庁・内閣サイバーセキュリティセンター・金融庁が「北朝鮮を背景とするサイバー攻撃グループTraderTraitorによるサイバー攻撃について(注意喚起)」を公表したことに伴い、再度の自主点検要請が出されています。短期間に二度の要請が出ていること自体が、流出リスクが継続的な監督テーマになっていることを示します。

その前に確認しておくこと

被害に遭う前にできる確認がひとつあります。使っている業者が登録を受けているかどうかです。金融庁は「暗号資産交換業者登録一覧」をPDFとExcelで公開しており、あわせて警告書を発出した無登録の国内業者・海外所在業者(所在不明を含む)の一覧も公表しています。SNSやマッチングアプリ経由で紹介された取引所を使う前に、この2つの一覧を照合してください。

よくある質問(FAQ)

不正出金に気づいたら最初にどこへ連絡しますか?

まず利用している暗号資産交換業者です。口座の凍結や出金の停止といった措置は取引所側でしか行えません。そのうえで最寄りの警察本部・警察署に相談します。金融庁は詐欺と思われるトラブルの相談先として最寄りの警察を案内しています。

金融庁は流出リスクについて何をしていますか?

金融庁総合政策局長からJVCEAに対し、2024年9月26日に「暗号資産の流出リスクへの対応等に関する注意喚起及び自主点検要請」を、同年12月24日に「再度の自主点検要請」を発出しています。後者は警察庁・内閣サイバーセキュリティセンター・金融庁による北朝鮮を背景とするサイバー攻撃グループTraderTraitorに関する注意喚起の公表に伴うものです。

使っている取引所が登録業者か確認できますか?

できます。金融庁は「暗号資産交換業者登録一覧」をPDFとExcelで公開しているほか、警告書を発出した無登録の国内業者・海外所在業者の一覧も公表しています。

出典(一次情報)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。