NFTを無料で手に入れる方法|エアドロップ・POAP・無料ミントと注意点

NFTはお金を払って買うものという印象がありますが、実際には無料で配られる場面も少なくありません。プロジェクトが保有者に配るエアドロップ、イベントの参加証として配られるNFT、発行時の代金がかからない「無料ミント」などです。

旧版の記事は「NFTを無料で取得する方法」として11の方法を挙げていましたが、マイニングやブログ投稿の報酬など、NFTではなく暗号資産を得る方法が混ざっていたほか、特定の大会への応募を促す宣伝的な記述も含まれていました。この記事では内容を整理し直し、実際にNFTを無料で受け取れる方法と、その際にかかる費用、詐欺の手口、日本での税金の扱いを解説します。

NFTを無料で受け取れる主な方法

現在、NFTを無料で手に入れる方法は大きく次の5つに分けられます。

方法 内容 必要なもの
エアドロップ プロジェクトが保有者や条件を満たした人のウォレットに配る ウォレット、条件を満たす保有・活動
イベント参加証(POAPなど) イベントやオンライン配信の参加者に記念のNFTを配る ウォレット、配布用のQRコードやリンク
無料ミント NFT自体の価格は0円で、発行(ミント)時の手数料だけを払う ウォレット、手数料分の暗号資産
ゲームやアプリの報酬 ブロックチェーンゲームのクエスト達成などでNFTを受け取る 対応ゲームのアカウント
企業のキャンペーン 商品購入や来店、SNSのフォローなどの特典として配布する キャンペーンの参加条件を満たすこと

どの方法でも、NFTを受け取るためのウォレットが必要になるのが基本です。企業のキャンペーンでは、メールアドレスだけで受け取れる簡易ウォレットを用意している場合もあります。

エアドロップとPOAPの仕組み

エアドロップは、プロジェクトが特定の条件を満たすウォレットにNFTやトークンを送る配布方法です。たとえば、あるNFTコレクションの保有者に続編のNFTを配る、初期から活動していたコミュニティ参加者に記念品を配る、といった使われ方をします。旧版の記事は「メーリングリストに登録するだけ」と書いていましたが、実際には保有や活動の実績を条件にするものが多く、登録だけで受け取れるものは例外的です。

POAP(Proof of Attendance Protocol)は、イベントに参加したことを証明するNFTのバッジです。2019年のETHDenverで初めて使われ、会場のQRコードや配布リンクから受け取ります。発行はガス代の安いGnosis Chain上で行われるため、受け取る側の費用はかかりません。価値は売買価格ではなく「その場にいた記録」にあり、後日、参加者限定の特典に使われることもあります。

「無料」でもかかる費用:ガス代

無料ミントは、NFTの代金が0円というだけで、ブロックチェーンに記録するための手数料(ガス代)は利用者が払うのが一般的です。イーサリアムのメインネットでは、混雑時にガス代が数千円以上になることもあり、「無料なのに高くついた」という事態が起こり得ます。PolygonやBaseなど手数料の安いチェーンでは、数円から数十円程度で済むことが多くなっています。

ミントの前には、ウォレットの確認画面に表示される手数料の見積もりを必ず確かめ、納得できる額でなければ取引を中止してください。ガス代の決まり方はガス代とは|基本料金と優先手数料の仕組みで詳しく解説しています。

また、受け取ったNFTを売る場合にも、売却時の手数料やマーケットプレイスの手数料がかかります。無料で得たNFTでも、手数料を差し引くと手元に残る金額はほとんどない、ということは珍しくありません。

無料NFTを装った詐欺に注意

「無料でもらえる」という言葉は、詐欺の入り口としてよく使われます。代表的な手口は次のとおりです。

  • 偽のエアドロップサイト:SNSのDMや広告で「受け取りはこちら」と誘導し、ウォレットを接続させて署名を求める。署名すると、手持ちのNFTや暗号資産を引き出す権限を与えてしまう。
  • 勝手に送られてくるNFT:身に覚えのないNFTがウォレットに届き、説明文のリンクから偽サイトへ誘導する。
  • 公式を装ったアカウント:有名プロジェクトのロゴや名前をまねたSNSアカウントが、限定配布をうたう。

身を守る基本は、公式サイトや公式SNSで告知された配布だけに参加すること、見知らぬNFTのリンクを開かないこと、署名の内容が理解できないときは署名しないことです。誤って許可を与えてしまった場合の取り消し方法はトークン承認とRevoke完全ガイド、よくある手口はNFT詐欺の典型的な手口と見分け方にまとめています。

受け取る前の準備:配布用のウォレットを分ける

無料配布に参加する機会が多い人は、資産を保管するウォレットとは別に、配布の受け取りやミント専用のウォレットを用意しておくと被害を小さくできます。専用ウォレットには、手数料分のわずかな暗号資産だけを入れておきます。

こうしておけば、万一怪しいサイトに接続して署名してしまっても、失うのは専用ウォレットの中身だけで済みます。受け取ったNFTのうち残しておきたいものは、あとで保管用のウォレットに移せば安全です。

あわせて、ウォレットの復元用フレーズ(シードフレーズ)は誰にも教えず、オンライン上に保存しないことを徹底してください。「エアドロップを受け取るためにフレーズを入力して」と求めるサイトや人は、例外なく疑うべき相手です。ウォレットの基本的な守り方は仮想通貨ウォレットの安全対策で解説しています。

無料で受け取ったNFTに税金はかかるのか

日本の居住者の場合、国税庁は「NFTに関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(2023年1月公表)で考え方を示しています。

  • 法人が発行するトークンを無償で受け取った場合、その経済的利益は法人からの贈与にあたり、一時所得に区分される。収入金額は受け取ったときの時価で、暗号資産と交換できないなどの理由で時価の算定が難しい場合は0円としてよい(問7)。
  • ブロックチェーンゲームの報酬として得たトークンは、原則として雑所得。ゲーム内でしか使えないものは課税対象外(問8)。
  • 個人から経済的価値のあるNFTを贈与された場合は、贈与税の対象になり得る(問9)。

一時所得には年間50万円の特別控除があるため、少額の配布ですぐに税金が発生するとは限りません。一方、受け取ったNFTを後で売却した場合は、その売却益にも所得税がかかります。エアドロップの課税の詳細はエアドロップの税金|国税庁FAQで確認できることを参照し、判断に迷う場合は税理士や税務署に確認してください。

旧版の「11の方法」を見直す

旧版で挙げられていた方法のうち、いくつかはNFTの入手方法としては正確ではありませんでした。

  • マイニング:CPUやGPUの計算で得られるのは暗号資産で、NFTではありません。電気代や機材の費用もかかるため「無料」とは言えません。
  • ブログや動画の投稿報酬、取引所の配布:多くは暗号資産(トークン)の配布で、NFTとは別物です。
  • 自分でdAppを作る・画像をNFTにする:自作のNFTを発行することはできますが、発行時にはガス代がかかり、他人が作ったNFTを無料で得る方法ではありません。
  • 特定の大会や懸賞への応募:主催者や賞品の実在を確かめられないものは、個人情報やウォレット情報を渡すリスクがあります。

一方、コミュニティへの参加やイベントへの出席、ゲームの報酬といった方法は現在も有効です。いずれも「参加した実績」への見返りとしてNFTを受け取る形で、手軽に得をする方法ではない点を理解しておきましょう。

よくある質問

Q. NFTを完全に無料で手に入れることはできますか?

A. POAPのように受け取る側の費用がかからない配布や、企業が手数料を負担するキャンペーンもあります。ただし無料ミントでは、多くの場合ガス代を自分で払う必要があります。

Q. 身に覚えのないNFTがウォレットに届きました。どうすればいいですか?

A. リンクを開いたり、売却や移動のための署名をしたりせず、そのままにしておくのが安全です。偽サイトへ誘導する詐欺の手口であることが多いためです。

Q. 無料でもらったNFTにも税金はかかりますか?

A. 国税庁のFAQでは、法人から無償で受け取ったトークンは時価で一時所得になるとされています。時価の算定が難しい場合は0円としてよく、一時所得には年50万円の特別控除があります。

Q. POAPとは何ですか?

A. イベントに参加したことを証明するNFTのバッジです。会場のQRコードや配布リンクから受け取り、通常は受け取る側の費用はかかりません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。