この記事の結論
- 国税庁の「暗号資産の計算書」は総平均法用と移動平均法用の2種類がExcelで公開されている。
- 暗号資産交換業者から送付される年間取引報告書を使って計算する場合は「総平均法用」を使う。
- 年間取引報告書の太枠(赤字)部分と太字点線枠(青字)部分を入力すれば、所得金額まで簡便に計算できる。
※本記事は国税庁「暗号資産及び電子決済手段に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」と国税庁ホームページの様式にもとづく一般的な整理です。個別の判断は税務署または税理士にご確認ください。
「暗号資産の計算書」とは何か
「暗号資産の計算書」は、国税庁が確定申告用に公開しているExcel様式です。国税庁ホームページの「暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について」のページに、次の2種類が置かれています。
| 様式 | 形式 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 暗号資産の計算書(移動平均法用) | EXCEL / 246KB | 評価方法として移動平均法を届け出ている場合 |
| 暗号資産の計算書(総平均法用) | EXCEL / 233KB | 総平均法の場合。年間取引報告書を使って計算する場合はこちら |
同ページには「暗号資産交換業者から送付される年間取引報告書を利用して計算する場合には、『総平均法用』を使用してください」と明記されています。評価方法の届出書を出していない場合、評価方法は総平均法になります。
計算書に入力する5つの区分
総平均法用の様式は、上から次の5区分で構成されています。年間取引報告書を手元に置いて、上から順に埋めていく作りです。
| 区分 | 入力する内容 |
|---|---|
| 1 暗号資産の名称 | ビットコインなど、暗号資産の種類ごとに1枚を作る |
| 2 年間取引報告書に関する事項 | 取引所の名称、購入・売却の数量と金額 |
| 3 上記2以外の取引に関する事項 | 年間取引報告書に載らない取引を月日・取引先・摘要つきで入力 |
| 4 暗号資産の売却原価の計算 | 年始残高、購入等、総平均単価、売却原価、年末残高 |
| 5 暗号資産の所得金額の計算 | 収入金額(売却価額など)と必要経費(売却原価・手数料等)から所得金額 |
国税庁FAQは、年間取引報告書の太枠(赤字)部分および太字点線枠(青字)部分を計算書に入力すれば、簡便に所得金額を計算できるとしています。
国税庁の入力例で数字がどう並ぶか
FAQに掲載されている総平均法用の入力例では、ビットコインについて次の数字が並びます。
| 欄 | 内容 | 金額・数量 |
|---|---|---|
| 購入等 | 数量 / 金額 | 6.50BTC / 4,037,800円 |
| 総平均単価 | 1単位当たりの取得価額 | 621,200円 |
| 売却原価 | 売却した暗号資産の譲渡原価 | 3,106,000円 |
| 年末残高・翌年繰越年始残高 | 数量 / 金額 | 1.50BTC / 931,800円 |
| 収入金額 | 売却価額 | 5,295,000円 |
| 所得金額 | 収入金額 − 必要経費 | 2,189,000円 |
売却原価3,106,000円は「(年始残高+その年の購入等)− 年末残高」で求めた金額で、年末残高931,800円は総平均単価621,200円に年末保有数量1.50BTCを掛けた値です。所得金額2,189,000円は、この売却原価を必要経費として差し引いた結果になります。
前年分の数字が分からない場合
前年以前から暗号資産取引を行っていた場合、前年末の数量と金額を「年始残高」の欄に入力します。国税庁FAQは、前年末の数量・金額が分からない場合について「ご自身で前年分の暗号資産の計算書を作成し、前年末の暗号資産の数量・金額を計算してください」としています。つまり前年分をさかのぼって作るしかありません。
支払手数料などの必要経費がある場合は、「手数料等」の欄に金額を入力して計算します。
作成前に確認しておくこと
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 評価方法 | 届出書を出したか。出していなければ総平均法 |
| 様式の種類 | 年間取引報告書を使うなら総平均法用 |
| 暗号資産の種類 | 評価方法は種類(名称)ごとに選定する。計算書も種類ごとに作る |
| 年始残高 | 前年末の数量・金額。不明なら前年分の計算書から作る |
| 報告書外の取引 | 年間取引報告書に載らない取引は区分3へ入力する |
作成した計算書の金額をもとに、確定申告書を作成します。
よくある質問(FAQ)
総平均法用と移動平均法用のどちらを使えばよいですか。
国税庁は、暗号資産交換業者から送付される年間取引報告書を利用して計算する場合には「総平均法用」を使用するよう案内しています。評価方法の届出書の提出がない場合、評価方法は総平均法になります。
年間取引報告書のどこを計算書へ入力しますか。
国税庁FAQは、年間取引報告書の太枠(赤字)部分および太字点線枠(青字)部分を「暗号資産の計算書(総平均法用)」へ入力すれば、簡便に所得金額を計算できるとしています。
前年末の数量と金額が分かりません。
国税庁FAQは、前年末の数量・金額が分からない場合はご自身で前年分の暗号資産の計算書を作成し、前年末の数量・金額を計算するよう示しています。年始残高の欄はその数字を入力します。
出典(一次情報)
- 国税庁 暗号資産に関する税務上の取扱い及び計算書について(暗号資産の計算書 総平均法用・移動平均法用)
- 国税庁 暗号資産及び電子決済手段に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(PDF)
- 国税庁 タックスアンサー No.1524 暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。




