資金調達率とは|Hyperliquidの1時間ごと支払いの仕組み

この記事の結論

  • 資金調達率(Funding Rate)は、無期限先物(パーペチュアル)の価格を原資産の現物価格に近づけるための仕組みで、ロングとショートのどちらか一方がもう一方へ定期的に支払う手数料です。
  • Hyperliquidでは支払いは取引所が徴収するものではなく完全にピア・ツー・ピアで、手数料は徴収されません。支払い間隔は1時間ごとです。
  • 金利部分(interest rate component)は8時間あたり0.01%で固定され、1時間あたりでは0.00125%、年率換算ではショート側が受け取る11.6%に相当します。

本記事は2026年9月10日時点のHyperliquid公式ドキュメントの記載にもとづきます。仕様は変更されることがあります。

資金調達率(Funding Rate)とは

暗号資産の無期限先物(パーペチュアル契約)には満期がありません。そのため放置すると契約価格が原資産の現物価格から離れてしまいます。これを防ぐために使われるのが資金調達率です。契約価格が現物価格より高ければ資金調達率はプラスになり、ロング側がショート側へ支払います。逆に契約価格が現物価格より低ければマイナスになり、ショート側がロング側へ支払います。

資金調達率が高い水準にあるとき、トレーダーには反対のポジションを取るインセンティブが生まれます。これによって契約価格が現物価格に近づく、というのが設計上のねらいです。

Hyperliquidの資金調達率の基本仕様

項目Hyperliquidの仕様
支払い間隔1時間ごと
金利部分(interest rate)8時間あたり0.01%で固定(1時間あたり0.00125%、年率11.6%相当をショートが受け取る)
プレミアム部分5秒ごとにサンプリングし1時間で平均
資金調達率の上限1時間あたり4%
手数料完全にピア・ツー・ピア。支払いから手数料は徴収されない
支払額の計算ポジションサイズ × オラクル価格 × 資金調達率(マーク価格ではない)

Hyperliquidの公式ドキュメントによれば、資金調達率の式は8時間ベースの数式で計算したうえで、その8分の1を毎時支払う形になっています。数式は Funding Rate (F) = Average Premium Index (P) + clamp(interest rate − Premium Index (P), −0.0005, 0.0005) です。

プレミアムとオラクル価格の決まり方

プレミアムは premium = impact_price_difference / oracle_price で求められます。impact_price_difference は、あらかじめ定められた想定元本(impact notional)を板の買い側・売り側で約定させたときの平均価格と、オラクル価格の差から算出されます。

オラクル価格は各バリデータが計算します。具体的には、複数の中央集権取引所(CEX)の現物価格を、その取引所の流動性に応じた重みを付けた加重中央値として求めます。単一取引所の異常値に引きずられにくい設計です。

数値例(公式ドキュメントの例)

  • 金利は0.01%で固定
  • 無期限先物がプレミアムで取引されており、impact bid price が10,100ドル、現物価格が10,000ドル
  • プレミアム=(10,100 − 10,000)÷ 10,000 = 0.01(=1%)
  • 資金調達間隔は1時間

この状態では契約価格が現物より高いため資金調達率はプラスとなり、ロング側がショート側へ支払うことになります。

中央集権取引所(CEX)との違い

Hyperliquidの資金調達は、中央集権取引所の方式に近づける形で設計されています。ただし上限の扱いは異なります。公式ドキュメントは、1時間あたり4%という上限はCEXの同等機能と比べて「かなり緩い(much less aggressive)」キャップだと明記しています。また、資金調達の上限と間隔は銘柄によって変わりません。

利用前に確認しておきたいこと

日本国内で暗号資産の売買・交換サービスを業として提供するには、資金決済法にもとづく金融庁(財務局)への登録が必要です。海外のデリバティブ取引所を利用する場合、その事業者が日本の登録を受けているかどうかは、金融庁が公開している暗号資産交換業者の登録一覧で確認できます。無期限先物は損失が元本を超える可能性がある取引です。仕組みと手数料を理解したうえで、余裕資金の範囲で判断してください。

よくある質問(FAQ)

資金調達率(Funding Rate)とは何ですか?

無期限先物(パーペチュアル契約)の価格を原資産の現物価格に近づけるための仕組みで、ロングとショートのどちらか一方がもう一方へ定期的に支払う手数料です。契約価格が現物より高ければロングがショートへ、低ければショートがロングへ支払います。

Hyperliquidの資金調達はどのくらいの頻度で支払われますか?

1時間ごとです。資金調達率の数式は8時間ベースで計算されますが、支払いは毎時、その8分の1の率で行われます。支払いは完全にピア・ツー・ピアで、取引所が手数料を徴収することはありません。

資金調達率に上限はありますか?

あります。Hyperliquidの公式ドキュメントによれば、資金調達は1時間あたり4%で上限が設定されています。この上限と資金調達の間隔は銘柄によって変わりません。公式ドキュメントは、この上限が中央集権取引所の同等機能に比べて緩いものであると説明しています。

出典(一次情報)

※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。