この記事の結論
- Hyperliquidの資金調達率は当事者間の受け払いで、取引所は手数料を徴収しないと公式ドキュメントに記載されている。
- 国税庁FAQは、暗号資産の証拠金取引による所得に申告分離課税の適用はなく、総合課税になるとしている。
- FXは金融商品先物取引等として申告分離課税だが、暗号資産の証拠金取引は租税特別措置法で対象から除かれている。
※国税庁FAQに「資金調達率(ファンディングレート)」という語の個別の記載はありません。本記事は公表資料の範囲での整理であり、個別の課税関係を断定するものではありません。判断は税務署または税理士にご確認ください。
資金調達率とは何を受け払いする仕組みか
Hyperliquidの公式ドキュメントは、資金調達率(funding rate)を「無期限先物の価格を原資産の価格に近づけるための仕組み」と説明し、契約の一方(ロングまたはショート)がもう一方へ定期的に支払う手数料だとしています。あわせて「資金調達は純粋にピア・ツー・ピアであり、支払いに対して手数料は徴収されない」と明記されています。
| 項目 | 公式ドキュメントの記載 |
|---|---|
| 支払いの相手 | 取引所ではなく反対側のポジション保有者(ピア・ツー・ピア) |
| 支払いの頻度 | 1時間ごと(8時間分として計算した率の8分の1を毎時支払う) |
| 金利成分 | 8時間あたり0.01%(1時間あたり0.00125%、年率換算11.6%)でショート側が受け取る |
| プレミアム成分 | 契約価格とオラクル価格の差で変動。契約価格が高ければ正となりロングが支払う |
| 反映のされ方 | 資金調達の間隔ごとに保有者の残高へ加算または減算される |
計算式は「Funding Rate = 平均プレミアム指数 + clamp(金利 − プレミアム指数, −0.0005, 0.0005)」で、プレミアムは5秒ごとにサンプリングして1時間平均されます。
国税庁FAQは証拠金取引をどう扱っているか
国税庁FAQの「2-12 暗号資産の証拠金取引」は、暗号資産の証拠金取引がFXと同様に申告分離課税の対象になるかという問いに対し、次のように答えています。
暗号資産の証拠金取引による所得については、租税特別措置法に規定する申告分離課税(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)の適用はありませんので、総合課税により申告していただくことになります。
理由として、暗号資産の証拠金取引はFXと同様に金融商品先物取引等に該当するものの、租税特別措置法の規定により申告分離課税の対象から除かれている、と説明されています。
FXとの違いを整理する
| 区分 | 課税方式 | 根拠 |
|---|---|---|
| 外国為替証拠金取引(FX) | 申告分離課税。所得税15%・地方税5% | タックスアンサー No.1521 / No.1522 |
| 暗号資産の証拠金取引 | 総合課税 | 国税庁FAQ 2-12(所法35、措法41の14) |
| 暗号資産の売却・使用 | 原則として雑所得(その他雑所得) | 国税庁FAQ 2-2 |
タックスアンサーNo.1522は、一定の先物取引の差金等決済について所得税15パーセント(他に地方税5パーセント)の申告分離課税になると説明しています。暗号資産の証拠金取引はこの特例から外れているため、同じ「証拠金取引」でも税率の考え方が変わります。
資金調達率そのものへの言及はFAQにない
国税庁FAQ(68頁)を通読しても、「資金調達率」「ファンディングレート」という語は登場しません。したがって、受け取った資金調達率をどの時点で収入に計上するかといった細目は、公表資料からは一意に読み取れません。
確認できるのは、暗号資産の証拠金取引による所得が総合課税として申告する扱いになるという点までです。資金調達率の受け払いを含む個別の計上時期や区分については、取引記録を用意したうえで税務署または税理士に確認するのが確実です。
記録として残しておきたい項目
| 項目 | 理由 |
|---|---|
| 資金調達の受払い履歴(時刻・金額・通貨) | 1時間ごとに残高が増減するため、年間の集計に必要 |
| 建玉の開始・決済の日時 | 差金等決済の損益と分けて把握するため |
| USDC建ての金額と円換算のレート | 申告は円建てで行うため |
| 手数料の内訳 | 資金調達には手数料が徴収されないため、取引手数料と区別するため |
よくある質問(FAQ)
Hyperliquidの資金調達率は取引所に払う手数料ですか。
いいえ。Hyperliquidの公式ドキュメントは、資金調達は純粋にピア・ツー・ピアで、支払いに対して手数料は徴収されないと記載しています。受け払いはロングとショートの当事者間で行われます。
暗号資産の証拠金取引はFXと同じ申告分離課税ですか。
国税庁FAQ「2-12 暗号資産の証拠金取引」は、暗号資産の証拠金取引による所得には申告分離課税(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)の適用がなく、総合課税により申告することになるとしています。FXは申告分離課税で扱いが異なります。
受け取った資金調達率はいつの収入になりますか。
国税庁FAQに「資金調達率」に関する個別の記載はないため、本記事では断定していません。確認できるのは暗号資産の証拠金取引による所得が総合課税になるという点までです。受払い履歴を用意したうえで税務署または税理士にご確認ください。
出典(一次情報)
- Hyperliquid Docs — Funding(資金調達率の仕組みと計算式)
- 国税庁 暗号資産及び電子決済手段に関する税務上の取扱いについて(FAQ)(PDF・68頁)
- 国税庁 タックスアンサー No.1522 先物取引に係る雑所得等の課税の特例
- 国税庁 タックスアンサー No.1521 外国為替証拠金取引(FX)の課税関係
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。




