Lokaのメタバース店舗とは:2023年の開設とメタストアのその後

イーストは2023年3月23日、高知のグローサリーショップ「the groceries shop Loka」を再現したバーチャルショップについて発表しました。発表の副題では3月1日の展開開始を示しており、告知日と開設日は異なります。ハコスコの「メタストア」を用い、高知に足を運べない人にも商品や生産者の話を届ける取り組みでした。

その後、メタストアは提供形態を変更しています。2023年の紹介を現在の利用案内として読むと、店舗へのアクセスや接客、出店プランを誤解するおそれがあります。当初の事業内容と、2026年9月27日に確認できたサービス・店舗情報を分けて見ていきます。

高知大丸のLokaをオンラインの空間に再現

Lokaはイーストが運営し、高知の自然や生産者の仕事に関わる食品などを扱うショップです。2023年発表では、高知大丸内の実店舗をメタバース空間に再現することで、商品の背景や作り手の思いを伝える場をインターネット上にも設けると説明されました。イーストはこれを、メタバースによる地域創生事業の第一弾と位置付けています。

ここで紹介されたのは、実在する店の商品や接客を遠隔地へ届けるための売り場です。仮想の土地を購入して値上がりを期待する事業や、NFTを販売する企画として発表されたものではありません。メタバースという言葉だけから、暗号資産での支払いやNFTの保有が参加条件だったと読み足すことはできません。

店舗責任者の説明も、生産者と消費者が出会う場所をオンラインに広げたいという考えが中心です。地域創生という目的は示されていますが、公開された発表には、来店者数、売上増加率、生産者の所得増加などの成果指標はありません。取り組みの開始と、地域経済への効果が実証されたことは区別する必要があります。

「会えるEC」は、商品を見ながら質問できる提案

イーストは、バーチャル店舗の訪問者と会話し、質問にその場で答えられることを特徴に挙げました。商品の写真や説明文を読むだけでなく、接客を通じて価値を伝えようとした点に、Lokaの企画の狙いがあります。生産者の思いや商品にまつわる話を、来店者の関心に合わせて説明できる場を目指していました。

ただし、原文の「通常のECサイトではできなかった」という表現は、あらゆるECに対話機能がないという技術上の事実を示すものではありません。ここでは、Lokaの店舗空間と会話を組み合わせる提案として理解できます。ネット通販との違いは、電子決済の有無よりも、売り場を訪ねて説明を受ける体験の設計にあります。

また、発表にある24時間アクセス可能という説明は、空間へ入れる時間に関するものです。スタッフが終日待機し、いつでも即座に相談に応じるという勤務体制は示されていません。有人接客を利用したい人にとっては、空間の公開時間とは別に、担当者の対応日時や予約の要否を確認する必要があります。

空間の制作と通販の運営を支える計画

イーストは他の地域や事業者への展開も想定し、商品選定、写真撮影、コピーライティング、商品登録、3D空間の構築などを支援・代行する方針を紹介しました。見た目の店舗を制作するだけでなく、そこに載せる商品情報を整え、ECの運営につなげる作業まで扱う構想です。

当時挙げられたのは三つのプランです。ライトはワークショップへの参加を通じてECとメタストアのブースを開設する案、スタンダードはオリジナルのECサイトとメタストアの構築を支援する案、オーダーメイドは希望に合わせて両方を制作する案でした。発表はこれらを「検討中」としており、価格や受付期間、納期を確定した料金表ではありません。

このため、過去の記事から現在も同名のプランを契約できる、安価に全作業を任せられる、と結論付けることはできません。イーストの支援構想とハコスコの基盤利用契約も別のものです。商品の文章や写真を誰が更新するか、在庫や配送をどこで管理するかという運営業務まで、空間制作だけで自動的に引き受けられるわけではありません。

2024年にメタストアのセルフメイド型は提供終了へ

ハコスコは2022年11月1日にメタストアを正式公開しました。当時は利用者がPCで空間を作る形態で、展示や対話接客などへの活用を想定し、テンプレートや動画再生といった機能を紹介していました。Lokaの2023年の発表も、PC操作でショップを作れる仕組みを背景にしています。

その後ハコスコは、2024年8月30日18時をもって、セルフメイド型のSaaS版を無料・有料プランとも終了すると告知しました。終了に伴う機能停止とデータ削除、必要なデータのバックアップも案内しています。一方で、WebGLを用いるオーダーメイド型への移行は有料で受け付けると説明しました。サービス全体が一律に消滅したという告知ではありません。

この変更を踏まえると、2023年の操作方法や利用条件を現在にも当てはめることはできません。また、Lokaがオーダーメイド型へ移行したか、当初の空間をどう扱ったかは、今回確認した一次資料では分かりません。基盤の終了告知だけでLokaの事業全体が終わったとするのも、移行済みで現在も同じ体験ができるとするのも、どちらも確認の範囲を超えます。

現在の実店舗とBASEの案内は確認できる

2026年9月27日時点で、高知大丸の公式フロアガイドにはLokaが掲載されています。案内されている営業時間は11時から19時で、14時から15時は休止、火・水・木曜が定休日とされています。状況による変更の注記もあるため、訪問時には最新案内を確認する必要があります。この時間は実店舗の案内であり、仮想店舗の接客時間ではありません。

発表で紹介されていたBASEの通販サイトも公開されており、食品や雑貨のカテゴリ、ピクルスなどの商品、価格の掲載を確認できます。店舗紹介では、生産者から直接仕入れ、製造現場を訪れ、作り手の背景を伝える姿勢を説明しています。これは2023年の企画が重視した商品説明ともつながる、現在のショップ自身の案内です。

ただし、今回行ったのは公開ページの確認までで、商品の注文や配送、旧バーチャル空間での接客は試していません。商品情報が通販サイトにあることは、メタバース側の運用が続いている証拠にはなりません。実店舗、通販、仮想店舗は同じブランドに関わる窓口でも、公開情報と稼働状況をそれぞれ分けて把握する必要があります。

Lokaの事例から分かる、販売と接客の役割分担

旧記事に掲載されたメタストアのトップURLは、確認時点ではAIによる問い合わせ対応などを案内する「メタデスク」のページになっています。そこで紹介されるAI社員や予約受付などの機能を、2023年のLokaが利用していた機能として遡って書くことはできません。同じURLでも、年月を経て紹介するサービスや提供条件は変わります。

Lokaの企画を理解するうえでは、商品を知る場、担当者と話す場、購入手続きをする場を分けて見ると役割が明確になります。イーストの発表はECとメタストアを組み合わせた構築支援を示しており、3D空間だけで在庫管理や配送まで完結するという説明ではありません。現在の商品を探すなら、公開されている通販の掲載内容と販売条件が直接の確認先になります。

一方、この企画が接客の改善や地方の販路拡大にどれほど寄与したかを判断するには、相談件数、購入につながった割合、運営に要した人員などの実績が必要です。確認した資料にはLokaについての数値はなく、販売成果の断定はできません。2023年の事例には、地域商品の背景を対話で伝えようとした試みとしての意味があり、その後の基盤変更まで含めて読むことで、現在の利用案内との混同を避けられます。

よくある質問

Q. Lokaのバーチャルショップはいつ開設されましたか。

A. イーストの2023年3月23日付発表は、副題で同年3月1日のメタストア展開開始を示しています。開設日とプレスリリースの日付は異なります。

Q. 24時間いつでもスタッフに接客してもらえますか。

A. 当時の24時間という説明は空間へのアクセスについてです。終日有人対応する体制は示されておらず、現在の仮想店舗の接客日時も確認できていません。

Q. メタストアは現在も当時のプランで使えますか。

A. ハコスコはセルフメイド型のSaaS版を2024年8月30日に終了すると告知し、有料のオーダーメイド型への移行を案内しました。Lokaの移行状況やイーストの旧プランの現在の提供条件は未確認です。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。