「動きながら稼ぐ」ウェブ3.0のゲームとして注目を集める「STEPN」が、日本のカルト的人気を誇るアニメ『攻殻機動隊SAC_2045』とユニークなコラボレーションを発表しました。日本から世界へ、そして未来へと目を向けるこの新たなプロジェクトの内容を紐解きます。

STEPと攻殻機動隊、異例のコラボレーション

STEPNというウェブ3ゲームは、Find Satoshi Labによって開発され、ピーク時にはデイリーアクティブユーザー数が100万人に達したという実績を誇っています。その独特なゲームモデル「Move to Earn（M2E）」により、プレイヤーはNFTの「デジタルスニーカー」を履いて歩くことで、その歩数に応じてユーティリティトークン「GST：グリーンサトシトークン」を獲得することができます。

そして、5月18日、東京虎ノ門ヒルズで開催されたウェブ3カンファレンス「TEAMZ」において、Find Satoshi Labの共同創業者ヤン・ロン氏が『攻殻機動隊SAC_2045』とのコラボレーションを発表しました。それはなんと、デジタルスニーカーの新たなコレクション発売でした。

アニメのキャラクターを取り入れたデジタルスニーカー

この新たなコレクションは『攻殻機動隊SAC_2045』に登場するキャラクターをモチーフにしたもので、16種類のデザインが展開されます。それぞれのデザインは、「OG」スニーカーとして1900足、「Genesis」スニーカーとして100足が販売される予定です。

特に注目すべきは、「OG」スニーカーでは草薙素子、バトー、荒巻大輔など劇中のキャラクターがデザインに用いられ、一方「Genesis」スニーカーでは草薙素子、バトー、トグサ、タチコマが特別に採用されていることです。これらのスニーカーはFind Satoshi Labが運営するNFTマーケットプレイス「MOOAR」にて、5月18日から29日までの期間限定で販売されます。

12日間の販売期間中、毎日1種類ずつ「OG」スニーカーが発売される一方、4種類の「Genesis」スニーカーは3日に1回のペースで販売されます。ミント価格は「OG」が300GMT、「Genesis」は3,500GMTとなる予定です。

STEPNの独自トークンとブロックチェーンの多元性

プレイヤーが歩数に応じて稼げるユーティリティトークン「GST」は、スニーカーのステータスレベルアップなどに使用することができます。また、ガバナンストークン「GMT」も必要に応じて使用されます。

「STEPN」はソラナ、BNBチェーン、イーサリアムの3つのブロックチェーン上で動作し、「GST」及び「GMT」はそれぞれのブロックチェーン上で発行されています。これにより、多様なブロックチェーン環境を活用することで、さまざまな利用者のニーズに対応し、ウェブ3.0環境への参加を促進しています。

STEPNの拡大とその影響

昨年、STEPNはアシックスやアトレティコ・マドリードといった大手企業とのコラボレーションを成功させ、大きな反響を呼びました。また、LINE Xenesisとの提携を通じて、日本のローカライズ化に向けた取り組みも始まっています。

ヤン・ロン氏は、「日本はSTEPNにとって重要な市場であり、日本の有名企業と協力し、その成果を我々のコミュニティと共有できたことは、特筆すべき成果であると思います」とコメントしました。そして、STEPNは「ウェブ3環境に多くの人を呼び込む」という目標を掲げ、日本のコミュニティが世界とともに拡大することを期待しています。

こうした未来志向の取り組みは、ブロックチェーン、NFT、そしてウェブ3.0といった新しいテクノロジーを活用したゲームと、アニメーションという従来のエンターテイメントの融合を示すものであり、エンターテイメントの新たな可能性を提示しています。これらは、従来の業界の枠組みを超えたイノベーションが進行中であることを示しています。

デジタルスニーカー、これからの可能性

このコラボレーションは、NFTとしてのデジタルスニーカーがもたらす新しい可能性を明示しています。リアルのスニーカー同様、デジタルスニーカーも個々の価値や魅力を持つアイテムとなり得ることが示されました。そのデザインや、それが代表するキャラクターやストーリーは、プレイヤーに独自のアイデンティティを提供します。

さらに、運動量に応じてトークンを獲得するというステップンのM2Eモデルは、健康維持を促進しつつ、ゲーム内でのエンゲージメントを深める効果を持ちます。これは、ウェブ3.0のゲームが、現実世界とデジタル世界の境界を曖昧にし、私たちの生活スタイルにより深く関与する可能性を示しています。

まとめ

今回のSTEPNと『攻殻機動隊SAC_2045』とのコラボレーションは、ウェブ3.0の世界がどのようにリアルとデジタルの間の境界を曖昧にし、新たな価値を創出するかを示す一例です。また、ブロックチェーン技術やNFTがエンターテイメント業界に与える影響についても深い洞察を提供しています。

日本のアニメーション業界とグローバルなウェブ3.0のゲーム業界が接点を持つことで、新たなクリエイティビティの源泉が生まれるでしょう。そして、STEPNはその一翼を担う存在となりつつあります。この進化するエンターテイメントの世界に、今後も注目が集まることでしょう。