この記事の結論
- HLPはHyperliquidに流動性を供給するプロトコルVaultで、公式Docsでは預入後のロックアップ期間が4日とされています。
- レガシーのユーザーVaultではオーナーが利益の10%を受け取り、プロトコルVaultには手数料も利益分配もないと記載されています。
- 公式Docsは「取引は本質的にリスクを伴い、Vaultの過去の実績は将来のリターンを保証しない」と明記しています。
本記事は2026年9月11日時点のHyperliquid公式Docs(HyperCore>Vaults 配下)の記述に基づきます。将来の利回りや価格について断定するものではありません。
VaultとHLPは同じものではない
Hyperliquidの公式DocsではVaultが複数の階層に分かれています。混同したまま「Vaultに預ける」と考えると、条件が違うものを同じ前提で見てしまいます。
| 種類 | 公式Docsの位置づけ | ロックアップ | 利益分配 |
|---|---|---|---|
| HLP(プロトコルVault) | 複数のマーケットメイク戦略で流動性を供給し、清算を執行し、EarnにUSDCを供給し、取引手数料の一部を得る | 直近の入金から4日 | プロトコルVaultには手数料も利益分配もない |
| ユーザーVault(レガシー) | 個人トレーダーが運用するか、マーケットメイカーが自動化する | 1日 | オーナーが利益全体の10%を受け取る |
| HyperEVM上のVault | CoreWriterとprecompileを使ってビルダーが作成・トークン化する。EIP-4626などの規格に沿える | 設計による | 設計による |
公式Docsは、HyperEVM上のVaultをレガシーのHyperCore Vaultに対する「strict improvement」と表現し、レガシー側はHIP-3やスポット取引に対応していないと説明しています。
公式Docsが書いているリスクの記述
1. 元本が減る可能性を明示している
預入者向けのページには「By depositing, you earn a share of the profits, or losses, of the vault」とあります。利益だけでなく損失も按分されるという書き方です。HLPも例外ではありません。
2. 出金時のスリッページ
同ページの計算例では、1,000 USDCのVaultに100 USDCを預けて10%の持分となり、Vaultが2,000 USDCへ増えた場合、200 USDCから利益分配10 USDCを引いた190 USDCを引き出す形が示されています。そのうえで「There may be some slippage as you withdraw and open positions are closed」と補足されています。出金時に建玉が閉じられるため、表示上の持分がそのまま受け取れるとは限りません。
3. ロックアップ期間
HLPのロックアップは4日です。公式Docsは「9月14日8時に入金した場合、出金できるのは9月18日8時」という具体例を挙げています。ユーザーVaultのロックアップは1日です。相場が動いた局面ですぐ抜けられない期間がある、という設計上の制約になります。
4. 戦略のリスクは個別に評価するしかない
レガシーVaultのページには「All strategies come with their own risk, and users should carefully assess the risks and performance history of a vault before depositing」と書かれています。運用者が誰か、どの戦略かによってリスクは変わるため、Vault単位で見るしかありません。
預ける前に公式画面で確認できる項目
公式Docsは、app.hyperliquid.xyz/vaults でVaultごとの統計を確認できると案内しています。挙げられている項目は次のとおりです。
- APYと総預入額(TVL)
- 個別Vaultのpnl、最大ドローダウン、出来高
- 建玉と取引履歴
- 預入者の人数と、どれくらいの期間そのVaultを支えているか
最大ドローダウンと取引履歴が公開されている点は、APYだけを見て判断しないための材料になります。ただし、これらは過去の記録であり、公式Docsが述べるとおり将来のリターンを保証するものではありません。本記事はHLPやいずれかのVaultへの預入を推奨するものではありません。
よくある質問(FAQ)
HLPとユーザーVaultは何が違いますか。
公式Docsでは、HLPはプロトコルVaultで、マーケットメイク・清算・EarnへのUSDC供給を行い取引手数料の一部を得るとされています。ロックアップは4日で、プロトコルVaultには手数料も利益分配もありません。ユーザーVaultはロックアップ1日で、オーナーが利益の10%を受け取ります。
預けた分はいつでも引き出せますか。
引き出せません。HLPは直近の入金から4日、ユーザーVaultは1日のロックアップがあります。また出金時には建玉が閉じられるため、公式Docsはスリッページが生じる可能性があると記載しています。
損失が出ることはありますか。
あります。公式Docsは、預入によってVaultの利益だけでなく損失の分配も受けると明記しています。あわせて、取引は本質的にリスクを伴い、Vaultの過去の実績は将来のリターンを保証しないと述べています。
出典(一次情報)
- Hyperliquid Docs「Vaults」
- Hyperliquid Docs「Protocol vaults」(HLP)
- Hyperliquid Docs「HyperCore vaults (legacy)」
- Hyperliquid Docs「For vault depositors (legacy)」
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、投資助言・税務助言ではありません。個別の判断は専門家や公的機関の一次情報をご確認ください。




