CNBC出演者のJim Cramer氏は、2023年1月に暗号資産やNFTの保有へ強い否定的な見解を示しました。ただし、これは当時の意見であり、その後も同じ立場を取り続けたと決めつけることはできません。旧記事にあった売却資産の誤りを正し、2021年のビットコイン売却についての発言と、2025年の報道も含めて時系列を確認します。
2023年1月10日に伝えられた批判
2023年1月10日付のThe Crypto Basicは、CNBCの番組Squawk BoxでのCramer氏の発言を伝えています。記事には番組公式アカウントが同日に投稿した映像へのリンクもあり、暗号資産とNFTを不安定な仕組みにたとえ、保有に否定的な意見を述べたことが分かります。
その際の「house of cards」は、文字どおりカードを積み上げた家を指す言葉から、崩れやすい構造を表す比喩です。個々のNFTの設計や契約を調べたうえで分類した専門用語ではありません。批判の強さを伝える表現と、技術的な欠陥が実証されたという報告は区別して読む必要があります。
旧記事ではMad Moneyの司会者という肩書と発言の紹介が続くため、どの番組での発言かが曖昧でした。当該報道が挙げる場はSquawk Boxです。発言者の代表的な番組と、実際にその言葉を述べた場を分けることで、元の記録へたどり着きやすくなります。
2021年に売ったと説明したのはビットコイン
旧記事の「2021年半ばにNFTを売却」という記述は、今回確認した一次資料と一致しません。CNBC Televisionが2021年6月21日に公開した公式動画の説明は、中国の暗号資産マイニングへの取り締まりを受け、Cramer氏が保有ビットコインのほぼすべてを売却したと語ったことを示しています。
ビットコインの売却とNFTの売却は、対象となる資産が異なります。前者についての発言から、NFTのコレクションも処分したと読み替えることはできません。本記事では、公式動画で確認できるビットコインについての説明に訂正しています。
また、本人が売却したと述べたという記録は、取引明細を第三者が監査した結果とは違います。正確な数量、約定価格、その後に買い戻したかどうかまで、この動画の説明だけで確定することはできません。「すべて」と「ほぼすべて」の違いも残し、発言の範囲を超えて保有履歴を補いません。
2021年の行動に関する話と2023年の市場観を一文につなぐと、同じ出来事のように見えがちです。二つの時点を分けることで、資産名の取り違えと、過去の保有状態を現在の状態として読む誤りを避けられます。
市場への意見と公的な判断は同じではない
番組で「売るべきだ」と述べたことは、発言者の相場観を伝えるニュースです。それだけで、すべての暗号資産の法的な扱いや価値が確定するわけではありません。本記事も、その発言を読者への一律の売買指示として繰り返すものではありません。
旧記事には、米国の証券規制当局が業界を大きく整理するという見通しも盛り込まれていました。ただし、出演者が当局の今後の行動を予測することと、当局が実際に命令や規則を公表することは別です。発言を根拠に、個別プロジェクトへ処分が確定したように説明することはできません。
公的な対応についての記事を読むなら、誰がどの文書をいつ出し、何を対象としたのかが必要になります。テレビでの予測には、そのような個別案件の判断を代替する働きはありません。市場全体を扱う短いコメントから、特定の保有者の契約上の権利まで推測しないことが大切です。
同じ理由で、否定的な見解を掲載したことだけで、CNBCがすべての番組や記事を通じて同じ立場を採用したとも言えません。発言者、放送日、対象を明記した意見として読む方が、報道の意味を正確に捉えられます。
「逆の売買なら利益が出る」とは検証されていない
旧記事は暗号資産コミュニティの反応として、Cramer氏の予測が外れるとする見方を紹介していました。しかし、目立った発言を数件集めただけでは、反対の売買を続けた場合の成果は分かりません。本記事では、根拠のない人物評価や、反対に動けば利益になるという含みを削りました。
そのような主張を検証するには、少なくとも対象となる発言をどのルールで集めるか、いつの価格で売買したとみなすか、どの時点で終了するかを先に決める必要があります。結果を知った後に都合のよい発言や期間だけ選べば、成績の印象は変わってしまいます。
短期の価格変動についての予想と、長期の保有についての意見を一緒に数えることにも問題があります。「上がる」という言葉だけを抜き出しても、想定していた期間や前提が分からなければ、公平な比較にはなりません。取引に伴う費用を含めるかどうかも結果に関わります。
本記事ではそうした全発言の検証を実施していません。したがって、本人の意見に従う方法も、常に反対に動く方法も、成績が裏付けられた手法として案内しません。強い賛否の反応があることと、再現可能な成果があることは異なります。
その後にはビットコインに肯定的な発言も報じられた
2023年の否定的な発言を、その後も変わらない立場として紹介するのも適切ではありません。2025年1月28日付のCoinDesk配信記事は、前日のMad MoneyでMicroStrategy株について尋ねられたCramer氏が、ビットコイン自体の保有を支持する趣旨の回答をしたと伝えています。
ここでの比較は、ビットコインを保有することと、それを保有する企業の株式を持つことについてです。NFT全般への評価を変更したという発言として読むことはできません。ある資産に対する肯定的な言葉が、関連するすべての商品への推奨になるわけではないためです。
この後年の報道を加えるのは、本人を一貫して賛成か反対かのどちらかに分類するためではありません。発言がなされた時点と質問の対象によって、伝えられる見解が違うことを示すためです。2023年の動画を日付なしで再共有すると、この経過が抜け落ちます。
2026年9月の確認では、これらの過去資料を参照しましたが、本人の現在の全保有資産や、すべてのNFTについての最新見解を調べたわけではありません。古い発言の見直しと、現在の投資方針の全面的な確認は分けています。
発言記事を読むときに残しておきたい情報
このニュースでは、まず2023年1月の発言だったことを押さえ、その次に対象が暗号資産全般なのか、ビットコインなのか、特定のNFTなのかを見ます。それぞれ対象が違うため、別の時期の見出しを並べるだけでは意見の変化を正確に説明できません。
次に、直接の映像、番組の投稿、第三者による要約を分けます。今回の2023年発言は当時の記事に埋め込まれた番組公式投稿と報道本文を参照していますが、投稿ページから完全な番組記録を取得できたわけではありません。短い映像や引用が番組全体の議論を尽くすとは限りません。
最後に、発言の強さとは別に、述べられた事実を確かめます。本件で訂正した資産名や年号は、賛否に関係なく照合できる事項です。誰の意見かだけで受け入れたり退けたりするよりも、確認できる事実と将来についての予測を分ける方が、時間がたったニュースからも学びを得られます。
よくある質問
Q. Cramer氏は2021年にNFTを売ったのですか?
A. 今回確認したCNBC公式動画は、ビットコインのほぼすべてを売却したという本人の説明です。NFT売却という旧記事の記述を訂正しました。
Q. 2023年の発言は現在も同じ立場だと示していますか?
A. 示していません。2025年にはビットコイン保有に肯定的な発言も報じられています。時点と対象を分ける必要があります。
Q. 発言と逆の売買をすれば利益が出ますか?
A. 本記事では、そのような手法の成績を検証していません。限られた発言や結果だけから再現性があると判断することはできません。
この記事の出典
- The Crypto Basic:2023年1月10日の発言報道と番組公式投稿
- CNBC Television公式動画:2021年6月21日のビットコイン売却発言
- CoinDesk配信:2025年1月のビットコインとMicroStrategyへの発言
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




