▽ 要約
ETF資金流入:BTC 7.99億ドル・ETH 7.27億ドルが1日で流入、歴代最高を更新
企業トレジャリー:Strategy 1,285億ドルの時価総額へ、BSTRは3万BTC保有でSPAC上場を発表
ステーブル供給:USDT流通量1,602億ドル突破、新興市場で“デジタルドル”需要拡大
24/7取引構想:CMEが週末稼働を検討、伝統金融と暗号資産の境界が消失へ
実需×期待:Base App公開で“アプリ型L2”が台頭、決済とソーシャルを一体化
「ETF資金流入」「企業型トレジャリー」「24/7取引」
暗号資産市場は“投機の場”から“資本市場”へと脱皮しつつある。
投資家が今最も知りたいのは「資金はどこから入り、どのテーマに集まるか」。
結論から言えば、ETFという王道マネーと、企業財務に組み込まれるビットコインが流動性の核心だ。本稿ではその根拠と、市場変革を支える実需(USDT決済・Base App決済)を詳述する。
現物ETFが示す“供給ショック”
- 7月第3週、BTC・ETH現物ETFは合計15億ドル超を吸収し、日量ベースで過去最大。
- 米SECデータによれば、IBITへ7.64億ドル、ETHAへ4.99億ドルが流入。発行済みETHの4.02%をETFがロックした計算だ。
需給インパクト
- BTCハーフサイクル後のマイナー売り圧を相殺
- ETHはPoS報酬4〜6%とETF買いで二重の減少圧力
企業トレジャリーが牽引する“第四の需要曲線”
- 米国で“戦略的BTC準備(SBR)”の概念が浸透し、企業はBTCを保有することでP/NAVを押し上げる。
- Strategyは5年間で時価総額20億→1,285億ドル。BSTRは3万BTC保有でNASDAQ上場を申請。Windtree、Matadorも追随。
ビジネスモデル別分類
区分 | 代表銘柄 | 保有戦略 | リスク |
---|---|---|---|
ソフト開発型 | Strategy | 債券→BTC転換 | 金利上昇,規制 |
SPAC型 | BSTR | BTC担保+PIPE融資 | ディスカウント |
ファンド型 | Sharplink | ETH集中 | 流動性 |
Tether流通量1600億ドルが示す“デジタルドル需要”
- 新興国でUSDTが事実上のドル代替。
- Tron・Ethereum・Solana合計で1,602億ドル発行、半数以上が新興国OTCに滞留。Tetherは7月にイーサリアムで20億USDTを追加鋳造。
マクロ視点
- インフレ国:法定通貨が年率50%の購買力低下→USDTシフト
- 企業決済:原材料輸入やフリーランス支払いをUSDTに一本化
CMEが切り開く“24/7取引インフラ”
- 24時間365日稼働するデリバティブ市場がメインストリームへ。
- CMEは既にSOL・XRP先物で数十億ドルの出来高を記録し、週末取引PoCを公表。モノライン取引所優位が揺らぐ。
マーケットへの影響
- ボラティリティ平準化
- 金融機関のヘッジコスト低下
- OTC流動性をオンチェーンに吸収
Base Appローンチが示す“アプリ型L2”
- L2は単なるスケーリング手段から、スーパーアプリ戦略へ進化。
- Base AppはFarcasterソーシャル、Zora NFT、USDC即時決済を統合し、Flashblocksで200ms決済を実現。
主要ポイント
- Sign‑in with Base:メールやXアカでシームレス登録
- Base Pay:NFCでUSDC支払い、Shopify加盟店対応
- AI代理人:チャットUIでDeFi操作、Treasury管理
今週の注目トークン
ティッカー | テーマ | コメント |
---|---|---|
BSTR | 企業トレジャリー | 上場SPAC、BTC保有量3万枚。リスクはPIPEロックアップ。 |
ETHA | ETH現物ETF | 単日流入首位。ETF供給枯渇懸念で価格牽引。 |
USDT | ステーブル | 流通1602億ドル、Tether Treasury鋳造20億枚。 |
BASE | L2/スーパーアプリ | 新ロゴ&10x性能でdApp流入期待。 |
CME_T | TradFi | 週末取引PoC、デリバティブ流動性受益。 |
▽ FAQ
Q. BTCとETHどちらが今後パフォーマンス優位?
A. ETF残高拡大ペースはETHがBTCの約1.4倍。供給削減(バーン+ロック)の同時作用で、短中期ではETHが相対的に優位。
Q. 企業型トレジャリー銘柄の注意点は?
A. PIPE投資家のロックアップ、償還請求リスク、SEC情報開示義務に伴う価格変動を要チェック。
Q. USDT供給増はインフレ懸念?
A. 今回の20億USDTは主に流動性補充。実需が伴う限り、過剰懸念は限定的。
■ ニュース解説
現物ETFの“連続資金流入”は、マクロ要因(米インフレ鈍化・利下げ観測)とミクロ要因(企業決算での暗号資産計上増)双方が背景。
一方、CMEの24/7取引構想は“ビットコインは休まないが、ウォール街は休む”という矛盾を解消する動きであり、伝統金融と暗号資産の垣根を消し去る可能性を持つ。
Base Appの登場は、“チェーンがアプリを待つ”時代から“アプリがチェーンを牽引”する時代へのパラダイムシフトといえる。
(出典:SoSoValue)