「SEC、ビットコインETFに再び決断を先送り」–その影響と市場へのシグナル

課題は多いが、遅延は予想通り:ビットコインETFとSECの探り合い

2023年8月31日、米国証券取引委員会(SEC)は、BlackRock、Fidelity、Bitwise、VanEck、WisdomTree、Invesco、そしてValkyrieといった企業によるビットコインのスポットETF(上場投資信託)についての決定を少なくとも10月中旬まで延期すると発表しました。

延期の具体的な状況

BlackRockのiShares Bitcoin Trust、FidelityのWise Origin Bitcoin Trust、VanEck Bitcoin Trust、WisdomTree Bitcoin Trust、そしてInvesco Galaxy Bitcoin ETFについては、それぞれ10月17日までの延期が決まっています。Valkyrie Bitcoin Fundに関しては、10月19日まで決定が持ち越される予定です。また、Bitwise Bitcoin ETP Trustも10月16日までの延期が決まっています。

SECの態度と市場への影響

SECは、「提案されたルール変更とそれに関連する問題について十分な時間をかけて考慮することが適切だ」と述べました。なお、この発表後にビットコインの価格は5.1%下落しました。

これまでのところ、SECはスポットビットコインETFの承認を出していませんが、2021年には初めてビットコイン先物ETFの取引を許可しました。SECが新たなファンドについての申請を受けたのは今年7月で、この延期は業界アナリストからも広く予想されていました。

Grayscaleとの関係

この延期が発表される直前には、Grayscale InvestmentsがSECによるスポットビットコインファンドに関する訴訟で勝利しています。この資産運用会社は、主力のGBTCファンドをETFに変換するための申請を最初に拒否されていました。専門家は、この判決が今後、スポットビットコインETFがSECの不承認を避けやすくなる可能性が高いと指摘しています。

ビットコインETFの未来とは?

この決断の延期は多くの側面で意味があります。一つには、SECがまだビットコインや仮想通貨市場に対して慎重な姿勢を崩していないという点があります。また、これは業界における新たな動きや変化に対するSECの反応としても注目されます。ビットコインETFが承認されれば、その影響は非常に大きなものとなるでしょう。しかし、この延期は、SECがまだそのような大きなステップを踏み出す準備ができていないことを示しています。

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