FTX社破綻でジャスティン・ビーバー「Bored Ape」NFT投資額の95%を失う

今年1月にポップスターのジャスティン・ビーバーは「Bored Ape」のNFTを500 ETH(イーサリアム)(当時約130万ドル)で落札しましたが、直近の暗号暴落を受け、NFTは58 ETHつまり約7万ドルの評価額になり、結果、投資額の95%下落になりました(出典 Insider)。

ジャスティン・ビーバーの所有するデジタル収集品は、この種のものとしては最も希少なもので、黒いTシャツを着た、悲しい目をして髭が剃られていないサルが描かれています。

もちろん、NFTの投資価値が急落しているのは、ジャスティン・ビーバーだけではありません。Bored Ape Yacht Clubコレクションには1万枚以上のNFTには多くのセレブや投資家が投資しており、それぞれが所有している猿のデジタルアートNFTの大暴落を経験しました。この人気のコレクションは総評価約10億ドルと査定されており、様々なファッションやスタイルを身にまとったコミック調の猿が描かれています。

FTX社破綻の概要

ジャスティン・ビーバーの所有するBored Ape Yacht Club コレクションの値下がりは、暗号通貨取引所が顧客資産の取り扱いを誤ったことが明らかになり、証券取引委員会と司法省の調査を受けて破産を宣言したFTXのスキャンダルが一因となっています。

企業評価額が一時320億ドル(現在の為替レートで約4兆4500億円)に達したはFTX社はその後数週間のうちに経営破綻し、暗号資産価格の急降下と主要グローバル交換業者からの多額の資金流出を招きました。

きっかけは暗号資産関連のニュースサイトが11月初めにFTXの財務の健全性を疑問視する報道をしたことでした。その後、別の交換業大手「バイナンス」のCEOが6日、保有していたFTX発行の資産を清算するとツイッターに投稿して経営への懸念が拡大し、8日にその「バイナンス」がFTXの買収を検討しましたが、翌日に撤回され、投資家らがFTXから資金を引き出す動きが加速しました。

そして、11日に連邦破産法第11条の適用をアメリカの裁判所に申請し経営破綻しました。法律の適用は日本法人を含む約130のグループ会社に及びます。

このニュースは、ビットコイン、イーサリアム、多数のアルトコインなどの暗号通貨の価値を急落させました。このスキャンダルは、創業者のサム・バンクマン=フリードの刑事告発につながるだけでなく、暗号投資家からすでに訴訟が起こされています。

破綻後のFTXジャパン

FTXが裁判所に提出した資料によりますと、20日時点の現預金は約12億4000万ドル(約1720億円)で、最大500億ドルとも言われる負債総額の見込みに比べると極端に少ない印象を受けます。

22日に開かれた裁判所の審理でFTX側は、破綻後のサイバー攻撃でかなりの規模の資金が「盗まれたか紛失した」と説明した、とアメリカのメディアは伝えています。

また、NHKのインタビューによると、FTXジャパンは11月10日時点、日本法人の分が約196億円の現金や預金を保有しています。日本法人のFTXジャパンは、顧客の資産の海外への流出などは確認されていないとしています。現在は出金を停止しているものの、できるだけ早く出金できるよう準備を進めているということです。

ただ、FTXは債権者である顧客に資産を返却するため、一部の事業の売却手続きを開始していて、日本法人も売却が検討されています。このため、日本の顧客にとっては、売却の手続きの行方も今後の焦点になります。

FTXジャパンは年内に顧客の出金を再開する準備を進めていると21日、NHKが伝えました。

同社幹部は、親会社と同じ決済システムを使用しているため、出金をすぐに再開することはできないと述べながら、FTXジャパンは独自システムを開発しており、年内の出金再開を目指していると付け加えました。

著名人によるFTX社の集団訴訟

FTXを支持し、Bankman-Friedに対して起こされた集団訴訟の被告として名前が挙がっている著名人の中に、ジャスティン・ビーバーのよく知るであろうセレブたちはたくさんいます。
トム・ブレイディジゼル・ブンチェンスティーブン・カリーラリー・デビッドシャキール・オニールなどの名前が挙げられています。

FTX社のCEOであるサム・バンクマン=フリード氏は、11月24日のツイートで、11月30日に開催されるニューヨーク・タイムズ(NYT)紙の年次ディールブック・サミットに予定通り参加するという憶測を呼ぶ発言をしました。

サム・バンクマン=フリード氏がニューヨーク・タイムズのサミットに30日に実際に参加すれば、FTXの連邦破産法11条適用申請後で初めて公の場に姿を現すことになります。

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