早分かり🏢「不動産×ブロックチェーン」🏙どうなる? 効果とメリット6つ

不動産業界は歴史的に新しい技術を導入する動きが鈍い業界です。コロナの影響で対面での商談が難しくなっても、一部の不動産会社しかアプリの開発や、IT重説に力を注ぎませんでした。なおも多くの不動産会社は、対面での判子の必要な契約業務を行っています。 しかし、世界がWeb 2.0からより速度の速いWeb 3.0へとアップグレードする中、業界全体が従来のようにカタツムリのペースで適応する余裕はあるのでしょうか?

そこで気になるのが、不動産におけるブロックチェーンとはどのような役割を果たすものなのか、ということです。また、投資家、住宅所有者、その他の不動産関係者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか?

それでは、不動産におけるブロックチェーンの6つの利点を確認してみましょう。

不動産×ブロックチェーンのメリット6つまとめ

メリット1 仲介業者の省略

これは不動産仲介会社にとっては厳しい内容となりますが、ブロックチェーン技術を不動産業界に導入すれば、DeFi(分散型金融機関)のように仲介者は排除されることは容易に想像できます。
今まで行われている不動産取引における手数料は間に関わる人が多く、弁護士、ブローカー、その他取引に関わる十数人の個人をすべて含めると、高額になります。

しかし、ブロックチェーンとスマートコントラクトのようなテクノロジーは、人間がプロセスに関与する必要性をなくします。
書類の確認や住宅ローンの承認などをコードの断片に自動化することで、ひいては不動産購入の俗人的な業務が一瞬で終わります。例えば、住宅ローンの承認に数カ月を要し、常に行き来するのではなく、スマートモーゲージコントラクトを作成することで即時可能になります。また、住宅ローンの仲介業者は、すべての書類と要件が提供され、満たされた瞬間に住宅ローンの要求を許可するテクノロジーの住宅ローン承認契約を作成することができます。このようなプロセスにおいて、ブローカー、銀行、弁護士への依存度を下げることで、関連するコストと長い処理時間を大幅に削減することができます。
この機能は、不動産にブロックチェーンを導入する際に大きな影響を与えるでしょう。

メリット2 不動産投資 の 顧客層拡大

また、不動産投資は、不動産を購入する余裕のある人にとってのみ現実的なものであり、その対象は多くはありません。そもそも自分が不動産を購入できる属性なのかもわからないまま、不動産投資に取り組む複雑なプロセスを前にして、人々は検討する前から躊躇してしまいます。

しかし、ブロックチェーン技術は、人々に代替手段を提供します。Parclのようなプロジェクトのおかげで、好きな場所に投資して、カスタマイズされた不動産への投資機会を得ることができるようになりました。

Parclを使えば、自分の好きな地域の価格リターンを合成的に表現したものを取引できるようになります。つまり、物理的な不動産を所有することなく、好きな地域に投資することができ、初期投資額も完全に自分次第で決めることができます。これは、従来のJ-REITのような小口化された特定の不動産への投資もしくは、特定の不動産所有会社への投資と違い、「地域への投資」という新たな視点を与えています。
新商品の展開により、ブロックチェーンを通して、不動産投資に取り組むことができる人の層が大幅に増える可能性があります。

メリット3 取引の効率化 と 不動産の価格低下

不動産業界におけるテクノロジーは、リスティングや買い手と売り手をつなぐための手段に限定される傾向があります。実際の商談内容や、お客さんからしたら審査を通したり、検討をしたりする時間はほとんど担当との1対1のやり取りといった形が現状一般的でしょう。しかし、ブロックチェーン技術を活用することで、全てのプロセスを信頼でき、かつ迅速に行うことができるようになります。
審査や重説の確認、すべてがブロックチェーンの元で行われるので、待ち時間がとにかく無くなります。

また、世界中の政府が住宅建設目標を達成できない状況が続く中、住宅所有者の需要を供給することはかつてないほど重要となっています。建設会社、不動産デベロッパー、政府が直面している問題は、価格の上昇、材料の不足、需要予測の困難さです。

これらの問題はすべて、ブロックチェーン技術を使用して材料を管理・追跡し、透明で検証可能なデータを提供して予測活動を支援し、材料がいつどこで使用されたかを効果的に追跡することによって、ある程度抑えることができ、最終的に住宅建設をより安く、早く、簡単にすることができます。ひいては、最終的な購入者の価格を下げることができます。

メリット4 取引のセキュリティ強化 と 合法化

その好例がPropyでしょう。このブロックチェーンベースの不動産プラットフォームは、住宅購入のプロセスを簡素化し、米国では2020年に2億ドル以上のコストがかかっている「不正取引のリスク」を排除しました。ブロックチェーン技術を通じて、このリスク要因への解決策を見出したことは、不動産セクターにとって抜群の勝因となるでしょう。

住宅ローンの申請も同様で、2021年後半には、120件に1件の割合で不正があったと推定されています。デジタル台帳にデータが蓄積されれば、申請書に不備があってもすぐに発見されます。

また、土地や不動産の権利書は主に紙ベースであり、「火事があったら権利書を持って逃げろ」と言われているほど、再発行もできないため、破損・紛失・詐欺行為に脆弱です。また、売買取引時の所有権移転の法的手続きも、時間もお金もかかる複雑なプロセスがあります。しかし、ブロックチェーン技術は、すべての記録が不変の台帳上で追跡され、取引の両当事者にとって信頼できる情報源として機能するため、まず破損の可能性がなくなっただけでなく、信用性においても取引の速度を速める結果となります。
既に、スウェーデンの土地公社は、信頼できる情報の中央ソースを提供するために、土地登記プラットフォーム用のブロックチェーン技術を試験的に導入しています。

メリット5 市場の流動性向上

不動産業界は買い手と売り手が常に存在するわけではないため、株や他の投資商品、消耗品に比べて流動性の低い市場と言われています。そして、ブロックチェーンはこの問題の解決に役立ちます。
例えば、銀行に不動産を売却する代わりに、自宅の不動産を小口化したカスタムパーセンテージをトークンの形で放出し、これを市場に出して投資家のプール間で取引することができます。
トークンが常にプールされていることで、Web 3.0 技術が導入されるまでは考えられなかった即時の流動性が可能になります。

このように、不動産所有権をトークン化することで、投資家はトークンを簡単に売買できるようになります。また、従来の分数所有権商品にはない、「完全なトークン」ではなく、トークン化した所有権のパーセンテージ分を取引することができるようになるのです。
これは、投資家が初期投資からしっかりとコントロールできるようになるため、従来の所有権とトークン化された所有権の問題点は、投資家が提供される投資機会の選択肢が少ないという問題を取り除くことができます。

メリット6 投資のカスタマイズ

現在の不動産投資は、取り組み始める前に物件を探し、資産を整理し、取引を成立させ、必要な修繕を行い、毎月家賃を徴収するなど、かなり多くの人が関わる大掛かりな投資となっています。もちろん、J-REITのような、あまり管理を必要としない伝統的な選択肢もありますが、現状のルールでは投資家は資金の行方をあまりコントロールすることができません。

さて、ブロックチェーンは、不動産投資に全く新しい視点を開拓することができます。
まず、投資期間の自由な選択です。
例えば、政府が大都市内の地方都市や地域の都市開発に多額の投資を行っていることをある人が知ったとします。このため、今後数年間は不動産価格が上昇する可能性があると考えると、ブロックチェーン技術を使った不動産プロトコルを通じて、長期投資のポジションを選択することができます。そして、最終的には不動産価値の上昇から利益を得ることができるでしょう。

まとめ

以上のように、不動産×ブロックチェーンは多くのメリットを業界に関わる人々、そして実際に物件に取り組む側に提供します。流動性の向上やより管理しやすく、追跡しやすいサプライチェーンの構築、不動産トークン化により、投資に対する管理が簡単になり、不動産資産への露出が増え、全体的にアクセスしやすくなります。また、不動産業界の運用面における効率性もあがり、データの共有により、不透明な業界と言われる不動産業界も透明性が高まることでしょう。全体的に、手作業や人の関与がなくなるため、コスト削減ひいては物件価格の低下(世界的に見れば物件高騰の抑制)が可能となります。

今後数年間は、誰もが「住」として関わる不動産の業界にとって、興味深い時代となるでしょう!

参照

https://www.parcl.co/blog/6-ways-blockchain-can-support-real-estate
https://medium.datadriveninvestor.com/bringing-blockchain-to-real-estate-all-the-possibilities-75901c21a4c5

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