2025年2月20日は、Pi NetworkのOpen Network開始と取引所での売買開始が予定された日だった。LIBRAの混乱が続く一方、FTXは分配日程を示し、BTC市場では値動きの小ささが注目されていた。当時の発表を中心に、何が実施され、何がまだ予定や審査の段階だったのかを整理する。
Piの外部接続と取引所での売買が同日に予定された
Pi Networkは2月11日の告知で、Open Networkへの移行を20日午前8時UTC、日本時間では午後5時に予定していた。本記事の初回公開時刻は同日の午後2時16分であり、その時点では開始を待つ段階だった。OKXもPI/USDTの現物取引を同時刻に始める予定を公表していた。
ここでいう移行は、Piのメインネットが初めて生まれるという意味ではない。2021年12月からのEnclosed Networkを経て、外部との接続を開く節目である。ネットワークの接続条件が変わることと、ある取引所が売買を受け付けることは、別々の運営主体による出来事だ。
利用者数を読む際にも、アプリへの登録、本人確認、メインネットへの移行を区別したい。登録した人の全員が、直ちに売却できる残高を持っているわけではない。最大発行量を、当日市場に出る枚数と同じように扱うと、売り圧力の見積もりを誤る。
取引開始前の参考価格と、実際に注文が成立する価格にも違いがある。上場という見出しだけで判断せず、入金の対応状況、注文板の厚さ、本人の残高にかかる制約をそれぞれ確認する必要がある。
LIBRAは責任の所在を調べる段階に入った
LIBRAでは、アルゼンチンのJavier Milei大統領による2月14日の投稿と削除、トークン価格の急変が問題になった。Reutersは17日、関連する案件が連邦判事Maria Servini氏の担当になったと報道。EFEは18日、Milei氏がテレビで自らの発信について説明したことを伝えている。
当時の状況を記録するうえで、調査が始まった事実と、誰にどの責任があるかという判断は分けなければならない。Kelsier Venturesなど関係者をめぐる主張が広がっても、それだけで別のトークン事業まで不正だったと確定するわけではない。本記事では、原典を確認できない贈賄の話を事実として扱わない。
チェーンに記録された資金移動は、時刻や金額を調べる資料になる。しかし、アドレスの持ち主、取引を指示した人物、送金の目的は記録だけでは埋まらない。著名人の発信と大口送金が近い時刻に起きたとしても、両者の共謀まで自動的に立証されるものではない。
K33が示した低調な指標は上昇の予告ではない
K33 Researchの2月18日付レポートは、BTCの値動き、出来高、先物のプレミアムが低い状態を取り上げた。CME先物のプレミアムは直近24時間平均で4.2%と記載されている。これは先物と現物の価格差を年率で表す指標で、BTC自体が一日で4.2%動いたという意味ではない。
注目すべきなのは、同レポートが過去データの読み方にも留保を置いた点だ。2023年以降の集計では、低いプレミアムの後に相対的に良い30日リターンが見られた一方、2021年からの集計では2022年の弱気相場が結果に影響していた。観測期間を広げると解釈が変わるのである。
したがって、静かな相場だから次は上がる、という結論は導けない。小さな値幅が続いた後に変動が拡大する可能性と、その方向を当てられるかどうかは別問題だ。記事の「変動の前夜」という表現も、特定の日時に急騰や急落が起きる予報として読むべきではない。
また、先物の参加者の姿勢を表す指標と、現物に新たな買いが入った証拠は同じではない。複数の指標を並べる場合でも、それぞれが測っている対象をそろえずに、すべて強気または弱気と一括りにすると市場の状況を見失う。
FTXは初回分配の開始と次回の日程を公表
FTXは2月18日の声明で、Convenience Classesに属する適格な債権への初回分配を開始したと発表した。対象者への着金は通常1〜3営業日を見込むとしており、発表した瞬間に全員の受け取りが完了したという内容ではない。
次回については、基準日を4月11日、分配開始を5月30日とする見込みを示した。Class 5の顧客債権、Class 6の一般無担保債権に加え、初回の基準日後に認められ、まだ分配を受けていないConvenience Classesの債権も対象に含まれる。いずれも、認められた債権と必要な手続きが前提になる。
日付だけを見て、自分も自動的に振り込まれると考えるのは早い。本人確認、税務書類、分配サービスの登録など、自分の案件がどの段階にあるかを確認する必要がある。声明にある予定日と、各債権者の受領資格は別の確認事項だ。
本記事では同声明で裏付けられない円換算の分配総額を掲載しない。また、債権者へ資金が渡ることから、その全額が暗号資産の買いに回るとも推測できない。生活費、他の資産への配分、現金の保有など、受領後の選択はそれぞれ異なる。
XRP ETFの通知とStrategyの調達計画を読む
米SECの2月18日付通知は、Cboe BZXが6日に提出したBitwise XRP ETFに関する上場・取引の規則変更案を扱っている。書類番号は34-102438、案件番号はSR-CboeBZX-2025-020だ。これは提案について意見を募る手続きであり、商品を承認した通知ではない。
公報の日付とコメントの受付期間は混同しやすい。後日の公報記録では掲載日は2月24日であり、元記事にあった「21日公報掲載」という説明は採用しない。この24日という日付は記録を照合した補足で、20日時点ですでに掲載が済んでいたという意味でもない。
Strategyは18日、2030年を満期とする額面20億ドルの無利息転換社債について、私募を行う意向を発表した。使途にはBTCの取得や運転資金などを挙げている。ただし、この発表は市場環境などを条件とした提案で、調達の完了やBTCの購入実績を知らせるものではなかった。
ETFの手続きと企業の社債発行には、いずれも発表後に確認すべき段階がある。提出、条件決定、完了、実際の運用を区別すれば、将来の資金流入をすでに起きた需要として二重に数えることを避けられる。
Bullishの香港認可とBinance Alphaの位置づけ
Bullishは2月18日、香港のBullish HK Markets Limitedが、証券取引のType 1、自動取引サービスのType 7、仮想資産取引プラットフォームの認可を取得したと発表した。サービスは当初、プロ投資家と機関投資家を対象にするとしていた。
認可の取得を香港の一般利用者すべてへの提供開始と言い換えることはできない。対象顧客と運営する法人を確認して初めて、誰がどのサービスを使えるのかが分かる。規制上の資格は、取り扱う資産の値上がりや顧客の利益を保証するものでもない。
一方、Binance Alphaは当時、Binance Wallet内で初期段階のプロジェクトを紹介する仕組みだった。Binance Researchのような調査部門を指す名称ではない。公式の導入説明も、掲載がBinance取引所への上場を保証するわけではないと明記している。
BROCCOLIなどの名前が話題になっても、同じ名称のトークンを一つの資産とみなすことはできない。チェーンとコントラクトアドレスが異なれば別の資産である。ウォレット内で見つかること、交換できること、中央集権型取引所の現物市場に上場することを分けて読むと、掲載ニュースへの過剰な期待を抑えられる。
よくある質問
Q. Piは2月20日に初めてメインネットを開始したのですか?
A. 以前からEnclosed Networkがあり、20日に予定されたのは外部接続を開くOpen Networkへの移行です。
Q. K33の低プレミアムという分析は買いの合図ですか?
A. そのようには断定できません。同資料でも集計期間によって過去のリターンの傾向が異なり、値動きの拡大と方向の予測は区別されています。
Q. FTXの5月30日分配は全利用者が対象ですか?
A. 2月18日の声明は対象となる債権区分と条件を示した予定です。自分の債権が認められたか、必要な登録を終えたかを個別に確認する必要があります。
この記事の出典
- Pi Network:Open Networkの開始予定
- OKX:PI現物取引の告知
- Reuters:LIBRAをめぐる司法調査
- EFE:Milei氏の説明
- K33:2025年2月18日レポート
- FTX:初回分配開始と次回の予定
- SEC:Bitwise XRP ETFに関する通知
- Federal Register:2月24日の掲載記録
- Strategy:2月18日の社債発行提案
- Bullish:香港での認可取得
- Binance:Alphaの公式説明
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




