【要約】
本記事では、2025年2月2日時点で報じられた複数の仮想通貨ニュースを総合的にまとめます。主なトピックは、米国15州におよるビットコイン戦略準備計画の推進状況、サルバドル国会によるビットコイン法定通貨地位の撤回、トランプ関連プロジェクト「WorldLibertyFinance(WLFI)」の大規模トークン購入動向、DEXの月間現物取引量が過去最高を更新した事実、そして人工知能モデル「DeepSeek」による暗号資産市場への影響などです。これらの最新動向を一つの記事に集約し、それぞれのポイントや背景を整理します。
米国15州がビットコイン戦略準備を推進
ビットコイン(BTC)の法定通貨化や公的な積立に関する議論は世界的に注目を集めています。特にアメリカでは、アラバマ州、アリゾナ州、フロリダ州を含む15の州が「ビットコイン戦略準備(ビットコインを州の資産や準備金として活用する計画)」を推進中です。
報道によると、アリゾナ州およびユタ州においては、すでに両院(上院と下院)で関連法案の承認段階に入り、正式な法律化まで“あと一歩”という状況にあります。今後、他州でも同様の動きが加速すれば、米国内におけるビットコインの公的活用が大きく前進する可能性があります。
サルバドル国会がビットコインの法定通貨地位を撤回
2021年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨として導入したサルバドルですが、国会は最近になりビットコイン法を改正し、ビットコインの法定通貨としての地位を正式に撤回しました。これは国際通貨基金(IMF)からの圧力が大きく影響しており、IMFはサルバドルが14億ドルの融資を受け取る条件として「ビットコインのリスクを低減すること」を求めていたとされています。
この改正により、ビットコインは「通貨」としては扱われず、以前は強制だった決済手段の受け入れは**“任意”**に変更され、納税にも用いられなくなります。同国政府はこれまでに2億ドル以上を投じ、運用体制の構築やデジタルウォレット「Chivo」の導入、ATMの全国設置などを進めてきました。しかし、調査では国民の71%が導入時に反対しており、利用率も低迷。今回の法改正は政府にとっても苦渋の決断となったようです。
トランプ関連プロジェクトWLFI、大規模トークン購入が続く
トランプ前大統領に関連するとされる暗号資産プロジェクト「WorldLibertyFinance(WLFI)」では、新設されたマルチシグウォレットがCoinbaseから1,000万枚のUSDCを引き出し、追加で2億枚のWLFIトークンを購入しました。直前には2,000万ドル分のトークン購入も報じられており、同プロジェクトが相当額の資金を投入していることがうかがえます。
WLFIに関する具体的な運用内容や今後の計画は公表されていませんが、トランプ関連として注目を集めているため、市場の反応や価格動向など今後の情報開示が待たれるところです。
TRUMPトークンで大型鯨が利益確定
同じくトランプ関連銘柄として話題となった「TRUMP」トークンにおいて、早期購入者の鯨アドレスが約63.7万枚(評価額1,259万ドル相当)をすべて売却し、1,187万ドルの利益を得たことが確認されました。
この鯨はTRUMPがローンチしてから約30分後に3,000枚のSOL(72万ドル相当)で63.7万枚のTRUMPを購入しており、平均取得価格は1.14ドルほどでした。その後売却時には平均約19.76ドルで処分し、約16倍という大幅なリターンを得た形です。こうした大口による売買が相場変動に影響を与える可能性もあり、引き続き投資家からは注視されています。
1月DEX現物取引量が過去最高の4,541億ドルを記録
分散型取引所(DEX)の取引動向も見逃せません。2025年1月のDEX現物取引額は4,541億ドルと、これまでの最高記録を更新しました。これは2024年12月の3,238.9億ドルから**約40%**の増加にあたります。
特にソラナ系DEXのRaydium(レイディウム)が1,241.3億ドルを計上してトップに立ち、Uniswapは1,004.7億ドル(シェア22%)で続いています。こうした現物取引量の増加は、依然として分散型金融(DeFi)分野が成長を続けていることを示す一つの指標といえるでしょう。
DeepSeekの衝撃と暗号資産市場への影響
人工知能モデル「DeepSeek」は、低コストながらアメリカのOpenAI製品と肩を並べる性能を示し、世界のテック企業に大きな衝撃を与えました。これに伴い一部の米国テック株が急落し、ビットコインやイーサリアムといった主流仮想通貨も一時的に6%〜7%程度の下落を経験しました。ただし、相場は短期間で回復し、ビットコインは再び10万ドル台を回復する動きが報じられています。
市場分析としては、AI技術への急激な期待と警戒心が同居する中、リスク資産と認識されがちな仮想通貨は値動きのブレが大きくなる可能性があります。しかし長期的には、DeepSeekのような低コストなAIモデルの普及自体がインフレを抑制するという見方もあり、結果として暗号資産市場に好影響を与えるシナリオも指摘されています。
一方で、米国やヨーロッパ圏の中央銀行によるビットコインの導入計画(例えばチェコ央行やスイス連邦政府の動きなど)が今後進められれば、ビットコインの需要がさらに押し上げられるとの見方もあります。実際に米国内では、すでにビットコインを戦略的に備蓄する動きが見え始めており、今後の国際的な競争や規制方針が注目されます。