音楽活動とファンの参加を結び付ける「MUSIC3」は、XinUが2023年3月14日にFiNANCiEで始めたプロジェクトです。コミュニティトークンXMCTを発行して支援を募り、音楽やアートの制作過程を共有することを掲げました。支援特典、NFT、将来の買い戻し構想はそれぞれ別の話であり、参加すれば利益が出る仕組みとして理解するのは適切ではありません。
MUSIC3が目指した音楽とファンの共創
フィナンシェの開始発表によると、MUSIC3は音楽制作、コミュニティ、トークンの三つを組み合わせる構想でした。XinUの活動に共感するアーティストやファンを集め、音楽だけでなくアートやファッションなどへ協働の対象を広げることを掲げています。作品を完成させて届けるだけでなく、途中の考え方や試行を共有する点が特徴です。
当初示された資金募集期間は、2023年3月14日15時から5月15日22時まででした。発表段階の予定として記載された日程であり、現在の新規募集期間ではありません。コミュニティのトークンはXinU Music Collective Tokenを略したXMCTと呼ばれ、FiNANCiE内の支援と参加に使うアイテムとして発行されました。
開始資料は、XinUが以前からクラウドファンディングやアート販売を音楽制作につなげてきたと説明しています。今回も、音楽活動を支える人との関係づくりを新しい方法で試す取り組みと位置付けられます。ただし、従来の支援活動とXMCTでの募集は契約や特典が同じではないため、過去の支援者に自動で権利が付くと推測することはできません。
XMCT、Music Collective NFT、FNCTは別物
XMCTはFiNANCiE上のコミュニティトークンです。同サービスの公式ガイドは、トークンをプロジェクトへの応援を表すデジタルアイテムと説明し、保有や数量などに応じて特典や参加の機会が設けられるとしています。価格が変動する仕組みはありますが、株式を持つことと同じ意味ではありません。
一方、Music Collective NFTはアート作品として別に企画されました。2023年の発表では、グラフィックデザインクルーGUTSONの監修でジェネレーティブアートを制作する予定とされ、掲載画像もサンプルでした。XMCTを何枚保有しているかという数量の記録と、特定のNFT作品を受け取ることは、対象も条件も異なります。
さらに、フィナンシェトークンFNCTは暗号資産として扱われる別のトークンです。FiNANCiEの利用規約もコミュニティトークンとFNCTを区別しています。XMCTを買うことがFNCTの購入になるわけではなく、NFTの保有とも同一ではありません。名称に共通して「トークン」が含まれるため、何を受け取る企画なのかを分けて読む必要があります。
保有特典と購入コースの特典を混同しない
開始時には、保有者向けのコミュニティ、投票やイベントへの参加、アート・ファッション関連の抽選企画などが挙げられました。これらはすべての参加者が同じ商品を必ず受け取るという意味ではありません。投票への参加権と、抽選による当選、商品の送付は、満たす条件や得られる内容が異なります。
購入コースごとの特典としては、1万ポイント以上のコースにMusic Collective NFT、ほかにTシャツ、パーカー、アートボードなどが示されていました。これは当時の募集コースについての説明です。後日マーケットでXMCTを買い足しただけで、募集時の購入者向けの物品やNFTが同じように付くとは判断できません。
アートワークについて意見を出したり投票したりできることも、楽曲や画像の著作権を取得することとは別です。参加者の案を作品に取り入れる構想があっても、採用の保証や制作方針への拒否権までを意味しません。どの企画で何を決められるか、結果をどのように制作へ反映するかは、その都度の案内で確認する必要があります。
買い戻しは将来の検討事項として発表された
旧記事には、活動収益の一部を使ってXMCTを買い戻し、価値の向上を狙う構想が紹介されていました。元の発表も「将来的に検討」という位置付けです。実施日、予算、購入量、頻度を確約したものではなく、収益が発生すれば一定割合を自動的に保有者へ分配する契約でもありません。
買い戻しと配当は異なります。仮に市場でトークンを購入する施策が実行されても、すべての保有者へ現金が渡るとは限らず、その後の価格も需給の影響を受けます。今回確認した公開資料では、XMCTの買い戻しが実行された日時や金額を裏付ける記録は確認できませんでした。構想の存在を実績として記載しない理由です。
また、初期から保有するほど値上がりする可能性が高いという旧記事の説明は、その確率を裏付ける資料がありません。サービスの規約は価格が下がる可能性や損失のリスクを示しています。早く支援する意味と、金銭的な利益を得る見込みは分けて考えます。制作への共感を、価格保証のような表現で置き換えるべきではありません。
公開活動報告で確認できた投票や特典の告知
プロジェクトの活動報告には、開始後の具体的な参加企画が残っています。2024年4月にはキャップの色や応援グッズに関する投票、5月には好きな歌詞を選ぶ投票が案内されていました。同年8月にはグッズ用アート、2025年2月にはLIQUIDROOMでの公演映像の扱いについて、トークン投票の開催記録が確認できます。
これらは、発足時に挙げた共創の方針が、実際に意見を募る場として使われた例です。ただし、投票が開催された事実と、最多票の案が最終的に商品化された事実は別です。公開された投票の告知だけを使って、すべての提案が実現した、参加者が全制作を決定したとは説明できません。
2024年4月には、1周年を記念してFNCTを抽選で配る企画も告知されています。ここで登場するFNCTはXMCTの別名ではなく、別途受取条件が設けられた賞品です。抽選の告知は恒常的な配当の約束ではなく、すべての保有者が報酬を受け取る制度とも区別されます。過去の特典を現在も応募できる案内として再掲しないことも必要です。
2026年に読める情報と支援を考える際の確認点
2026年9月27日の調査では、XinU Music CollectiveのFiNANCiEページとマーケット、公開活動報告を閲覧できました。旧募集ページのURLは現在のマーケットへ転送されています。そのページが存在することと、2023年の支援コースが再び販売されていることは同じではありません。
公開部分だけでは、すべての特典の配布完了や個別の受取状況、2026年の運営計画までは把握できません。NFTの全配布実績についても、今回参照した範囲では確定していません。確認できる投稿があることから、掲載されていない活動の有無や現在の更新頻度まで推測することは避けます。
MUSIC3の経緯を見る際には、資金を支える募集、コミュニティでの参加、限定品の受取、トークンの売買という四つを分けると分かりやすくなります。重視する体験に条件が合っているかを確かめるには、対象者、保有数、購入した時期、応募期限などの具体的な案内が必要です。共創の面白さと価格の変動は、それぞれ独立して考えるべき要素です。
よくある質問
Q. XMCTは暗号資産FNCTと同じですか。
A. 異なります。XMCTはXinUのコミュニティトークン、FNCTはフィナンシェが発行する暗号資産です。アートNFTも別の対象です。
Q. XMCTの買い戻しは必ず行われますか。
A. 2023年の発表は将来の検討事項としていました。今回、実施日時や金額を裏付ける公開記録は確認できていません。
Q. 今XMCTを買えば当初のNFTや衣類を受け取れますか。
A. 当初のコース特典と現在のマーケット購入は別です。対象コースや購入時期などの条件なしに、同じ特典が付くとは判断できません。
この記事の出典
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




