VenlyのShopify向けNFTアプリとは?販売の仕組みと現在の提供状況

VenlyのShopify向けNFTアプリは、既存のネットショップからNFTを発行し、購入者へ届けるための連携サービスとして紹介されました。2023年1月にはAvalanche上のNFT販売が話題になりましたが、当時の発表から現在の導入可否までは判断できません。2026年9月27日時点のShopify App Storeでは、VenlyのAvalanche版とPolygon版はいずれも現在利用できないと表示されています。過去の機能、現在の掲載状況、Shopify側の販売条件を分けて説明します。

2023年に紹介されたのは既存店舗からのNFT販売

Avalancheの公式ブログは、Venlyのアプリを通してShopifyの店舗がNFTを設計・発行・販売できる仕組みを紹介しています。専門のNFT市場へ顧客を移動させることなく、店舗の商品としてNFTを掲載し、購入に応じて発行するという流れでした。

Venlyはそれ以前のプレスリリースで、PolygonとAvalancheに対応したShopify Plus利用者向けのアプリを発表していました。その後のAvalanche側の案内は、より広いShopifyの販売者層を対象に説明しています。したがって、2023年1月に初めてShopifyでNFTという商品区分が生まれた、という出来事ではありません。

この連携の特徴は、店舗の商品登録や注文処理とブロックチェーン上の発行をつなぐ点にありました。一般のネットショップに似た購入体験を目指したものですが、売買の裏側ではNFTの作成、ウォレットへの送付、取引状態の確認という別々の処理が行われます。

購入後に発行し、メールから受取先へアクセス

当時の公式紹介では、販売者がNFTを商品として設定し、購入が成立した後に自動でミントする流れが示されていました。ミントとは、NFTをブロックチェーン上に発行する処理です。商品名や価格、在庫の登録と、チェーン上にトークンが生まれるタイミングは分かれています。

購入者は、購入前から自分でウォレットを用意する必要がない設計でした。メールで新しいウォレットへアクセスする案内を受け、その中に購入したNFTが入る仕組みです。「ウォレット不要」という説明は事前準備を省けるという意味で、NFTがウォレットと無関係に保存されるわけではありません。

Venlyの紹介ページにはクレジットカードによる法定通貨決済も示されています。ただし、カードが使えることと、NFTの転送や他サービスでの利用に制約がないことは別です。対応するネットワーク、ウォレットの復旧方法、受取メールを失った場合の問い合わせ先は、販売時の説明に含めるべき事項です。

店舗側も、決済済みの注文と発行済みのNFTを区別して管理する必要があります。商品代金を受領しただけで配送が終わったと扱わず、ミントと送付が完了したかを確認する運用が重要になります。

現在は両アプリのストア掲載が利用不可になっている

2026年9月27日の確認では、Venlyの公式サイトにShopify連携の紹介が残っていました。一方、そのページから移動するShopify App StoreのAvalanche版・Polygon版は、いずれも現在ストアで利用できない旨を表示し、サポートについてはVenlyへ直接問い合わせるよう案内しています。

確認できたのは公開ストアの掲載状態です。この表示だけで、既に導入したすべての店舗の機能が停止した、保有NFTが消えた、Venly全社の事業が終了した、とまでは判断できません。既存契約への対応や個別提供の有無は、今回確認した公開ページからは確定できませんでした。

導入を検討する店舗は、過去記事のインストール手順をそのまま実行する前に、提供元へ現在の契約とサポートの範囲を確かめる必要があります。本記事では、一般公開されているアプリを今すぐ追加できるサービスとしては案内しません。紹介ページが存在することと、新規導入が可能なことは分けて捉えます。

日本は対応地域に含まれるが、販売には承認が必要

Shopifyの現行ヘルプでは、Shopify Paymentsを使ったNFT販売の対応地域に日本が含まれています。ただし、対象地域に店舗があるだけで、自動的にすべてのNFTを販売できるわけではありません。販売者としての事前承認が必要で、対象は自ら提供するNFTの一次販売です。

公式FAQは、二次販売や転売が許可されないことも説明しています。また、保有者が二次流通からロイヤリティを得るものや、ステーキングで受動的にトークンを受け取るものなど、対応しない種類が挙げられています。販売するNFTがどの権利や機能を含むかによって確認すべき条件が変わります。

販売承認と、NFT保有者だけに商品や割引を見せるトークンゲート機能も別の扱いです。後者は保有確認を入口にした店舗機能であり、その店舗自身がNFTを有料販売することを必ずしも意味しません。元記事の「すべてのマーチャント」という説明を、決済審査や商品条件まで不要という意味に広げることはできません。

デジタル特典と現物商品の権利を明確にする

Shopifyは、NFTを顧客向けの特典や商品の証明、限定アクセスに利用する例を紹介しています。例えば、会員向け商品の購入権と、アートとして保有するNFTでは、購入後にできることが異なります。トークンを発行できるという技術上の機能だけでは、何を顧客に約束したかは決まりません。

現物商品と結び付ける場合も、NFTを受け取っただけで商品が配送されるのか、別途引換が必要なのかを明示する必要があります。引換期限、配送対象地域、送料、NFTを第三者へ譲った場合の扱いが曖昧だと、購入者は実際の価値を判断できません。

また、NFTが示す記録と現物の真贋は同一ではありません。発行者がどの商品と対応させたのか、その後の現物とトークンの関係をどう管理するのかが必要です。記録を確認できるという利点を、あらゆる模倣品を自動的に見抜く機能と説明しないことが重要です。

コストと返金対応は通常の商品以上に切り分ける

費用を見るときは、Shopifyの利用料、カード決済処理、連携アプリの料金、NFT発行や送付に関する費用を区別します。Avalancheが低コストのチェーンとして紹介されていても、店舗運営にかかるすべての料金が無料になるわけではありません。固定的なガス代や他チェーンとの優劣を、古い発表のまま断定するのも適切ではありません。

Shopifyは、NFTを顧客のウォレットへ送付した後にカードのチャージバックが発生すると、NFTの回収が難しい点を説明しています。決済の取消処理とブロックチェーン上の転送は別の仕組みだからです。店舗には顧客確認、注文記録、配送を示す情報の保管が求められます。

再販売時のロイヤリティについても、Venlyの紹介は対応するマーケットプレイスでの扱いを前提にしています。どこへ転売されても必ず同じ収入が発生する、という保証ではありません。販売を始める際は、購入者の権利と店舗の費用負担、障害時の連絡先を具体化したうえで、現在提供されるアプリと決済条件に合わせて設計する必要があります。

よくある質問

Q. 現在、VenlyのAvalanche版をShopifyに追加できますか?

A. 2026年9月27日の公開ストアでは利用不可と表示されています。既存契約や個別提供については公開情報だけで確定できず、Venlyへの確認が必要です。

Q. 日本の店舗はShopify PaymentsでNFTを販売できますか?

A. 日本は公式ヘルプの対応地域に含まれます。ただし販売者の承認、対応する配布アプリ、NFTの種類などの条件があり、すべてのNFTが対象になるわけではありません。

Q. NFTを買う人はウォレットを用意しなくてよいのですか?

A. 当時のVenlyの仕組みは事前準備を不要にし、購入後にメールからウォレットへアクセスする設計でした。ウォレット自体を使わないという意味ではありません。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。