10月3日 暗号資産:BTC12万ドルとETF資金流入

▽ 要約

マーケット:BTCは12万ドル台回復、ETHは4,500ドル乗せ
ETF:IBITのAUM907億ドル、10/1流入計6.76億ドル
DEX:Perp DEX月間出来高が初の1兆ドル超に
事業・規制:OKX1億ドル基金/SynFutures新L1/香港SFC見解

投資家の最大関心は「上昇が持続するのか」だが、10月3日 暗号資産 市況は資金流入と基盤整備が同時進行しており、BTCは12万ドル台を維持したため、需給とインフラの両面で上昇を支える条件が整いつつある。

市場・フロー(BTC12万ドル/ETF資金流入)

BTCは10月3日に12万〜12.1万ドルを往来し、10月1日の米現物ETFには計6.76億ドルが流入したため、価格とフローの相互強化が続いた。
OKXの板情報では、10月2〜3日にかけてBTCが11.9万→12.1万ドルと上抜け、ETHも4,500ドルを回復した。さらに、ブラックロックIBITの運用資産(AUM)は907億ドルに到達し、単日ではIBITへ4.055億ドルが流入、現物ETF全体で資金が回帰した兆候が明確になった。

IBITのAUMとフロー

IBITのAUMが世界ETF上位20に入ったため、ビットコインの伝統金融での位置付けは一段と高まった。
10月1日の米現物BTC ETFは合計+6.76億ドル、うちIBITが+4.055億ドルで牽引し、価格は同日に一時11.9万ドル台を示現した。大型ETFの需給が価格のモメンタム形成に寄与している。

価格のテクニカル概況

12万ドル台の定着が進む一方、変動レンジは依然広く、上ヒゲでは12.1万ドルが意識された。
10月3日時点の出来高増を伴う上昇は続くが、短期的には12.1万ドル、次いで12.3万ドル付近の売り板が厚く、押し目の深さはETFフローに連動しやすい。

デリバティブ・DEX動向(出来高と基盤刷新)

9月のPerp DEXは初の月間1.05兆ドルに達し、Asterが4,200億ドルで首位となったため、分散型デリバティブ市場の存在感が急拡大した。
Hyperliquidは2,825億ドルで2位に後退、ベータ運用のLighterが1,644億ドルで3位に浮上した。出来高配分の変化は、手数料・約定速度・流動性設計の最適化競争が激化していることを示す。

SynFuturesの“新L1”構想

SynFuturesはブロックタイム最短5msの基盤を掲げ10月にクローズドβを開始するため、オンチェーン透明性と実需級レイテンシの両立を狙う。
単一桁ミリ秒の約定、機関投資家水準の板厚、フルオンチェーン清算を柱に、モジュラーエンジンで派生市場の次世代体験を目指す。累計取引高は3,000億ドル超とされ、既存ユーザー基盤を背景に検証を進める。

事業・エコシステム(OKX/Nubank/Bullish/EAG)

OKXはX Layerで1億ドルの「Vision Fund」を設けDeFi基盤を三段階で拡張し、他方NubankやBullishは米市場での布石を強め、EAGはアプリ主導への転換を促した。
OKXはステーブルコイン利回り導入(年率4〜5%想定)→主要プロトコル連携→成果連動の報奨という段階計画を発表。ブラジル発のNubankはOCCに米銀免許を申請し、預金・与信・デジタル資産カストディを視野に入れる。BullishはNYDFSの承認後、DCやCAを含む20州で提供を開始し、累計出来高は1.5兆ドル超。Ethereum Applications Group(EAG)は、ビタリック・ブテリン氏と肖風氏が主導し、インフラ先行からアプリ先導への転換を掲げる。

OKX X Layerの青写真

安定通貨の利便性向上と主要プロトコルの取り込みを起点に、派生・決済領域まで広げるため、1億ドル枠で成果連動の支援を明確化した。
Aave、Uniswap、Balancer、Chainlink等との協業で基盤機能を揃え、数カ月内の成果発表を見込む。

金融事業の米展開

Nubankは米OCCへ申請し、Bullishは20州へ展開したため、米国での暗号資産ネイティブ金融の選択肢が広がった。
Nubankは昨年からBTC・ETH・SOLの送受信を実装済みで、サービス統合の前提が整う。BullishはBitLicense取得後に提供エリアを拡大し、累計出来高は1.5兆ドル超に到達した。

EAGの狙い

EAGは「山海塢」での協働実験を土台に、エコシステムをアプリ主導に転換するため、グローバル連携の場づくりを急ぐ。
財団型ではなく“取り組み”として、レイヤー2や研究機関を巻き込み、公共財と実装のギャップ解消を目指す。

規制・ステーブルコイン・その他

香港証監会はRWA株式のトークン化は現状株式取引に不適とし、Tetherは米国開拓でUSAT構想が報じられ、トランプJr.は安易な政治関与観測を否定した。
RWA株のトークン化は取引所決済・高頻度取引との整合に課題が残るとの見解。一方、TetherはRumble上での新ステーブル「USAT」計画が報じられ米市場攻略を狙うとの観測が浮上。Token2049の場ではトランプJr.が「父は台帳を見ない、安定通貨事業に関与せず」と述べ、利益誘導懸念を退けた。

マイニング・NFT

BTCの採掘難易度は150.84Tで過去最高を更新し7連続上昇となったため、ハッシュレート増を背景にマイナー収益性は圧迫された。
ハッシュレートは1.05ZH/s超、Hashpriceは1秒当たり50ドルを割り込んだ。ビットコインNFTの月間出来高は9月に4,382万ドルと2023年5月以降で最低、ETHチェーンも1.76億ドルと低調で、投機熱の選別が進む。

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▽ FAQ

Q. 2025年10月3日時点のBTC価格は?
A. OKXの板情報で12万〜12.1万ドルを往来、日中で+0.1〜0.9%のレンジに収まりました(2025-10-03)。

Q. IBITのAUMと直近フローは?
A. AUMは907億ドル、10月1日は現物BTC ETF合計+6.76億ドルで、IBIT単独+4.055億ドルでした。

Q. Perp DEXの首位と金額は?
A. 9月はAsterが4,200億ドルで首位、月間1.05兆ドルの初突破で市場シェアが変動しました。

Q. 香港のRWA株トークン化の扱いは?
A. 香港証監会は現状の株式取引に不適と表明、伝統市場に比べ優位性がない点を指摘しています(2025-10-02)。

■ ニュース解説

価格はETFマネーの回帰で12万ドル台へ戻り基盤は整う一方で、規制の現実解はなお模索段階のため、相場と制度のギャップ管理が重要となる。
事実:10月1日の米現物BTC ETFは+6.76億ドル流入、IBITのAUMは907億ドル、BTCは10月3日に12.1万ドルを示現。背景:Perp DEX出来高は1.05兆ドルに拡大し、OKXやSynFuturesなど基盤強化が進行。影響:流動性の地合いは改善だが、RWA株トークン化の制約やステーブルの新構想など制度・実装の擦り合わせは続く。
投資家の視点:①短期は12.1万ドル上の売り板とETFフローの強弱を併読、②中期は機関向け板厚(DEX/先物含む)とボラ低下の進捗、③政策はRWA・ステーブルの整合性と米国での事業認可動向をモニター。

※本稿は投資助言ではありません。

(参考:PR Newswire,Business Wire,明報財經