仮想通貨(暗号資産)の取引で利益が出た場合、原則として税金の申告が必要になります。株式投資とは課税の仕組みが異なるため、基礎知識を理解しておくことが重要です。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談には対応しません。
仮想通貨の利益は「雑所得」が原則
国税庁の見解では、仮想通貨取引による利益は原則として「雑所得」に区分され、給与所得など他の所得と合算して課税される総合課税の対象となります。株式投資の分離課税(税率一律約20%)とは異なり、所得金額に応じて税率が上がる累進課税が適用される点が特徴です。詳細は国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱い」のページ(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/kakuteishinkokukankei/kasoutuka/index.htm)で確認できます。株式・投資信託を対象とする非課税制度との位置づけの違いは、新NISAと仮想通貨投資の違いと使い分けの考え方で整理しています。
課税対象となる主なタイミング
- 仮想通貨を売却して日本円に換金したとき
- 保有する仮想通貨で別の仮想通貨を購入(交換)したとき
- 仮想通貨で商品やサービスの決済をしたとき
- マイニングやステーキング等で仮想通貨を取得したとき
相続で取得した暗号資産を後日売却した場合も、上記と同様に課税対象になり得ます。相続時の手続きや評価の考え方は暗号資産の相続手続きの流れと相続税の基礎|家族が知るべき備えで解説しています。また、NFTの売却益も同様に課税対象となり得る点はNFTとは何か|初心者向けに仕組み・買い方・注意点を解説で紹介しています。なお、家族から生前に暗号資産を譲り受けた場合は、上記の所得税とは別に贈与税が問題となります。生前贈与の基礎控除や評価タイミングの考え方は暗号資産の贈与を受けた場合の税金と注意点|基礎控除と評価のタイミングで解説しています。
確定申告が必要になる一般的なケース
| 立場 | 申告が必要となる目安 |
|---|---|
| 給与所得者(年末調整対象) | 給与・退職所得以外の所得(雑所得等)の合計が年間20万円を超える場合 |
| 個人事業主・給与所得のない方 | 所得控除を差し引いた課税所得が生じる場合 |
上記はあくまで一般的な目安であり、他の所得状況によって判定基準は変わります。正確な要否は税務署または税理士にご確認ください。
損益計算の基本的な考え方
1. 取得価額の把握
複数回に分けて仮想通貨を購入している場合、移動平均法または総平均法により取得価額を計算する必要があります。取引所の年間取引報告書や損益計算ツールを活用すると計算の手間を減らせます。
2. 必要経費の扱い
取引手数料や、取引のために利用したパソコン・情報収集費用の一部などが必要経費として認められる場合があります。経費計上の可否は個別判断が必要です。
3. 複数取引所利用時はツール活用で手間を削減
損益計算ツールを使えば、複数取引所の履歴を手作業で集計する手間を大きく減らせます。各取引所の年間取引報告書のダウンロード機能に加え、複数取引所の履歴を統合して自動計算するツールの活用が有効です。ただし最終的な申告内容は自身で確認し、不明点があれば税理士に相談することが望ましいとされています。
申告を怠った場合のリスク
確定申告が必要であるにもかかわらず申告をしなかった場合、後日の税務調査により無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。仮想通貨取引所の取引履歴は税務当局が把握できる仕組みが整備されつつあるとされており、正確な申告が重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 仮想通貨を保有しているだけ(売却していない)でも課税されますか。
A. 一般的には、売却や交換など利益が確定するタイミングまでは課税対象になりません。含み益の状態では申告不要とされています。
Q2. 損失が出た場合、他の所得と相殺できますか。
A. 雑所得の損失は、原則として給与所得など他の所得区分と損益通算できないとされています。詳細は税理士にご確認ください。
Q3. 少額の利益でも申告は必要ですか。
A. 給与所得者の場合、年間20万円以下の雑所得等であれば申告不要とされるケースがありますが、個別の所得状況によります。正確な判断は税務署・税理士にご相談ください。
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の税務判断や申告の要否を保証するものではありません。正確な取り扱いについては、国税庁(https://www.nta.go.jp/)または税理士等の専門家にご相談ください。




