▽ 要約
スケジュール|10-21申込開始、11-04締切、11-05受渡し、11-11上場
条件|価格1円・販売10億FPL・手数料8%・上限800口
需給|初期流通10%設計で短期は引き締まりやすい
コインチェック第4弾の Fanpla IEO は価格1円・販売10億FPLで抽選方式、初期流通10%と強固な音楽ファン基盤を背景に11-11上場を予定。
音楽特化Web3「Fanpla」は、ファンの熱量を可視化して価値循環させることを掲げ、コインチェックの第4弾 Fanpla IEO に臨む。価格1円・販売10億FPL(総発行100億の10%)、抽選方式で、申込は2025-10-21~11-04、上場は11-11予定だ。Fanplus(公式ファンクラブ700超・有料会員400万人超)の既存基盤と、Fireblocks組込ウォレットによるUXで初期利用を狙う。本稿はスケジュール、抽選ルール、トークノミクス、需給の要点を解説する。
Fanpla(FPL)概要
申込が10-21に始まり、販売10億FPLを価格1円で募集したため、応募が販売口数10万口を超える場合は1人1口上限の抽選配分に移行する設計だ。
Fanpla(FPL)はコインチェックIEOの第4弾。発行上限は100億FPL、申込単位は1口=10,000 FPL(=1万円)で、販売手数料は8%(税込)。申込は11-04正午まで、抽選結果通知と受渡しは11-05、取引所上場は11-11 12:00予定(販売所は流動性確認後)。申込上限は800口(最大800万円相当)。
申込・抽選ルール
販売口数10万口の範囲で配分されるため、応募が口数を下回れば「1人1口」は確定、超過時は1人1口上限の抽選になる。
過去案件では応募が数万人規模となる傾向があり、直近のBRIL(2024年)は申込総額333億円・申込人数7.94万人・倍率22.04倍だった。今回も高倍率化が想定され、2口目以降は当選が難しい。
背景(制度・産業・技術)
音楽産業の収益は従来「ファン数×単価」に依存してきたため、SNS拡散や応援活動などの貢献価値を可視化・循環させる仕組みが求められてきた。
Fanplaはこの課題に対し、FPLを共創の通貨として用い、プレミアムチケットや限定グッズ、メタバース「FANPLANET」のデジタルアイテム等に価値を結び付ける。運営はFanpla社、協業にFanplus(ファンクラブ700超・有料会員400万人超)。技術面ではPolygon(ERC‑20)を採用し、2025-02にFireblocksの組込型ウォレットを国内初導入して非クリプト層の摩擦を下げる。
ユースケースと運営体制
4つの柱(マーケット/アーティスト・トレジャリー/ステーキング/音楽アワード)で、ファンの参加が直接企画や制作支援に還元される。
売上の一部は各アーティストのトレジャリーに蓄積され、ファン投票で使途を決定。ステーキングはアーティスト別の体験特典と、全体プールの報酬獲得を併用する二層設計だ。初期段階から10社超の音楽事務所が賛同し、GLAY・UVERworld・THE YELLOW MONKEY・すとぷり等のエコシステム参加が告知されている。
市場への影響(価格・流動性・フロー)
初期流通はIEOの10%に限定されるため短期需給は締まりやすい一方、長期は実需とコンテンツ拡充の進捗が価格評価を左右する。
トークン配分はIEO10.0%、エコシステム64.9%、チーム7.1%、パートナー18.0%。チーム・パートナーは24ヶ月ロック後、36ヶ月の線形解除で供給管理に配慮。販売枠がコンパクト(10億円)な点も短期の需給を引き締める狙いと整合する。なお販売手数料8%は実際の払込額に影響するため留意したい。
論点とリスク(賛否の整理)
過去の国内IEOには初値高騰後に公募割れへ至った例もあり、規制面でも投資家保護の観点強化が議論される一方で、既存ファン基盤を活かす実需創出への期待も根強い。
抽選制で1人あたり配分が小さくなりやすい点は短期妙味を抑制しうる。価格持続には①マーケット開始と同時のコンテンツ供給、②トレジャリー運用の透明性、③ロック解除計画の遵守と追加発行の規律が鍵となる。
今後の注目点(時系列)
11-11の上場とマーケットローンチ、以降のステーキングやアワード等の段階実装、参加アーティスト拡大と海外展開の具体化が成否を分ける。
上場当面はコインチェック内の流動性が中心。ミドルタームでは他所上場の可否、海外パートナー獲得、コンテンツの継続供給と二次流通活性が評価軸となる。Emooteなど外部パートナーの関与も国際展開の足場になり得る。
▽ FAQ
Q. FPLの申込期間と上場予定は?
A. 2025-10-21 12:00〜11-04 12:00。抽選結果と受渡しは11-05、取引所上場は11-11 12:00予定。
Q. 販売条件(価格・単位・手数料・上限)は?
A. 価格1.0円/FPL、1口=10,000 FPL。販売手数料は8%(税込)。申込上限は800口。
Q. 抽選方式と「1口確定当選」の適用は?
A. 応募が販売口数10万口を下回る場合は1人1口が確定。当該口数を超える場合は1人1口上限の抽選配分。
Q. トークン配分とロックアップは?
A. IEO10%、エコシステム64.9%、チーム7.1%、パートナー18.0%。チーム等は24ヶ月ロック後36ヶ月で線形解除。
Q. チェーンとUXの特徴は?
A. Polygon(ERC-20)で発行。2025-02にFireblocks組込ウォレットを国内初導入し、非クリプト層にも配慮。
■ ニュース解説
初期流通10%と販売口数10万口、抽選制の設計のため短期の配分は限定されやすく、Fanplusの既存ネットワークと同時ローンチの実需が成否を左右する。
投資家の視点:①初値ボラと手数料を織り込む、②ロック解除・追加発行のポリシー遵守を継続点検、③マーケットの在庫・販売速度やトレジャリー活用実績を四半期ごとにレビュー。
※本稿は一般的な情報提供であり、投資助言ではありません。