11月9日 暗号資産市況:BTC10.2万ドル回復

▽ 要約

ビットコインは$102,000回復、ETHは$3,400前後に反発
恐怖と強欲は20で「極端な恐怖」継続、清算は短時間に$3,211万
DeFiはStream連鎖で約$10億流出、xUSDは$0.11まで乖離
Coinbaseが11-10にLaunchpad示唆、Binance Alphaは11-09上場

BTCは$102,000回復、ETHも$3,400近辺に持ち直した一方で、極端な恐怖と清算増が続くため、短期リスクは高止まりする。

市況総括

BTCは$102,000を回復しETHも$3,400近辺へ反発したが、恐怖と強欲指数は20まで低下し過去7カ月で最低となったため、センチメントは弱い。
短時間のネット清算は$32.11M(1時間)に達し、ロング偏重の巻き戻しが確認された。7年以上保有のOGクジラの売り越しも継続し、需給はなお重い。
一方で、大口の先物ポジションは方向感を頻繁に反転しており、$91,612の清算価格を伴う40倍ロングから$103,262清算の40倍ショートへ切替える動きも観測された。
DeFiでは10月末からの調整を受け、アルゴ安定通貨連鎖で資金が約$10億流出し、金利・流動性ともに変動が拡大している。

レンジ・需給の見方

先物清算と長期保有層の売り出しが続くため、現物ETFフローの弱含みと相まって$91,000〜$105,000のレンジ回帰が主戦場となる。
短期は$100,000の心理節目と$105,000の売り板が抵抗帯、下方は$95,000割れで清算連鎖のリスクが再点灯しやすい。ETHは$3,300〜$3,500の均衡帯を意識。

規制・政策アップデート

FRB理事が「ステーブルコイン拡大は中立金利を将来的に押し下げ得る」と言及したため、政策金利の想定経路に下方バイアスがかかる可能性がある。
来週は米政府機能停止の影響でCPI公表が欠落する見込みで、FOMC高官発言(NY連銀総裁など)が手がかりとなる。

企業・資金調達・プロジェクト動向

JPモルガンはQ3にBlackRockの現物BTC ETF(IBIT)を$343M保有し前回比+64%となった一方、暗号財庫関連株の評価損も膨らみ、機関のポジションは選別が進む。
ARK InvestはBitMine株を48,454株(約$1.95M)追加したため、イーサ財庫ビジネスへの見直しが続く。USDTは31,765,779枚を保有するアドレスが凍結され、発行体のコンプラ対応が可視化。

関連:米政府閉鎖とFAA減便、FRB発言も

Coinbase Launchpad動向

Coinbaseは「It doesn’t have to be this way.」の動画でLaunchpad/Launchesを示唆し、11-10の始動を匂わせたため、米系の一次販売プラットフォーム競争が加速する可能性がある。
Binance Alphaは11-09にMetaArena(TIMI)の上場を計画し、ポイント経済圏と新規上場の連動が強まる見通し。

イベント

10-11のDeFi清算ショックを総括する論考が出そろい、Stream Financeの運用損失公表(11-03)からxUSD乖離($0.11)→他プロトコル波及→Compoundの緊急遮断という時系列が整理された。
本件は安定通貨設計とリスク管理の課題を浮き彫りにし、リザーブ型とアルゴ型の分水嶺が改めて意識された。

▽ FAQ

Q. 11月9日時点の主要価格は?
A. BTCは$102,010付近、ETHは$3,400近辺。いずれも短期清算後に反発し、日中レンジは$100,000〜$103,000/$3,350〜$3,420。

Q. センチメントは改善した?
A. 恐怖と強欲指数は「20」で悪化、前日24から低下。過去7カ月で最弱水準となり、押し目買いは限定的。

Q. DeFi流出$10億の要因は?
A. StreamのxUSD乖離が連鎖清算を誘発し、ElixirやMorpho等へ波及。Compoundは一部市場の緊急停止でシステミック崩壊を回避。

Q. 取引所の予定は?
A. Coinbaseは11-10にLaunchpad示唆、Binance Alphaは11-09にTIMI上場計画。短期的に一次販売・ポイント圏の資金移動が増える公算。

Q. 規制・政策で押さえる点は?
A. FRB理事が「ステーブルコイン拡大は中立金利を下押し」と発言。来週は政府機能停止の影響で米CPI欠落の可能性。

■ ニュース解説

BTCは$102,000台へ戻したが、恐怖と強欲20・ネット清算増・OGクジラの売り出しが続くため、反発は脆弱で流動性の薄い上昇になりやすい。
投資家の視点:短期は建玉と清算マップを優先、$100,000割れ・$105,000超えのどちらかに追随、現物はドルコストと証拠金率の余裕確保を徹底。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews