8月29日、米国の仮想通貨資産管理会社Grayscaleが、米証券取引委員会（SEC）に対して勝訴したことが明らかになりました。米連邦控訴裁判所は、Grayscaleの再審査の申し立てを認め、SECの拒否を無効としました。この動きは、米国で初のスポットビットコインETF設立の道筋を開くかもしれません。

Grayscaleは、ビットコインのスポット市場とCME先物価格との間に99.9%の相関関係があるという確固たる証拠を提供しました。しかし、SECは2つのビットコイン先物ETPの上場を承認し、Grayscaleの提案したビットコインETPを承認しなかった理由を適切に説明できませんでした。合理的な説明がない場合、同様の製品に対する不均衡な規制処置は違法です。そのため、Grayscaleの審査請求を認め、委員会の命令を取り消しました。

【背景】
これは、BlackRockやFidelityといった資産運用会社がアクションを起こしてきた、米国で初のスポットビットコインETFを持つレースが進行中である中、重要な裁判所の勝利であり、現実に近づいている可能性があります。

Grayscaleは、既存のGrayscaleビットコイントラスト(GBTC)をETFに転換することを目指すビッドを拒否したSECの判断を「取り消す」よう命じられました。GBTCの転換のための最初の申請は2021年10月に行われましたが、SECは、エージェンシーが持ち出した市場操作防止に関連する質問に遵守しなかったため、入札を拒否しました。市場操作の懸念は、スポットビットコインETFの承認への最大の障壁でした。

その後、Grayscaleは、拒否をコロンビア特別区連邦巡回控訴裁判所によって再審査されるよう求める上訴を提出しました。そして、その審査が認められたのです。このことは、GrayscaleがETFの設立において、競合他社に対して有利な立場を得る可能性があるということを意味しています。

【まとめ】
Grayscaleの勝訴は、米国で初のスポットビットコインETFの承認に向けた重要な一歩となりました。市場操作に関する長年の懸念にもかかわらず、連邦控訴裁判所は、SECに対して、GrayscaleのビットコイントラストをETFに転換する申請の拒否を取り消すよう命じました。この勝利により、Grayscaleは、ETFの設立競争において、他社に対する優位性を持つ可能性が高まりました。