年内にも仮想通貨業者へのライセンス化を要求:南アフリカが先陣を切る

“南アフリカの規制当局、仮想通貨取引所に対するライセンス化を計画”

2023年、南アフリカの金融規制当局である金融セクター行動権限(FSCA)は、国内の仮想通貨取引所に対して年末までにライセンスを取得するよう要求すると発表しました。

数週間前にライセンス申請の受け付けを開始して以来、約20の申請がFSCAに寄せられ、11月30日の期限までにさらに申請が来ることが予想されています。期限を過ぎてライセンスなしで運営を続ける企業に対しては、閉鎖や罰金などの「強制措置」を取る可能性があるとFSCAのコミッショナーであるUnathi Kamlana氏は明言しています。

“アフリカ初、仮想通貨取引所のライセンス制度導入”

アフリカ最先進国である南アフリカは、デジタル資産取引所にライセンスを取得することを要求するアフリカ大陸初の国となります。この地からは、Barrry SilbertのDigital Currency Groupが所有するLunoや、Panteraが支援するVALRなど、大陸最大級の取引所が生まれています。

“世界的規制強化の流れ、南アフリカもその一部”

世界各国の規制当局は、暗号通貨関連の会社が次々と破綻した結果、暗号通貨業界に対する規制を強化しています。欧州連合では、初の暗号通貨業界向け法案である「MiCA」が最終的に承認されました。香港でも先月、取引所のライセンス制度を導入する新規制が施行されました。

“消費者保護と教育への取り組み”

南アフリカは近年、AfricryptやMirror Trading International Proprietaryなど、世界最大級の仮想通貨詐欺の舞台となってきました。これに対しFSCAは、消費者の保護策として金融教育の促進や暗号通貨製品に関する一般の認識向上を図る施策を含んでいます。また、FSCAは「政府間フィンテック作業グループ」として、National TreasuryやSouth African Reserve Bankといった国内の大手金融規制当局や政策立案者と協力しています。

南アフリカの多くの銀行は、関連するリスクを理由に仮想通貨プラットフォームへの銀行サービスを提供していませんが、中央銀行はその見直しを要求しています。これにより、セクターで何が起こっているかについてより良い視野を持つことが可能となります。

「正規のセクターにいる方が透明性が高まります」とKamlana氏は述べています。また、「銀行のような厳しく規制されたエンティティによって管理されることは、安心感を提供します」とも語っています。

南アフリカの仮想通貨業界に対するこの一連の動きは、暗号通貨の規制と導入の両面での進展を示しており、業界全体に影響を及ぼす可能性があります。投資家や業界関係者は、この動きを注視しつつ、適切な対応策を講じることが求められます。これからの南アフリカの動向は、アフリカ全体、そして世界の仮想通貨業界における重要な指標となるでしょう。

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