NFT初心者🔎:これを読めばわかる【Web3.0】の可能性

Web 3.0】とは、暗号通貨の取引の記録管理システムのパブリックブロックチェーンを基盤とした【分散型のネットワーク】を指します。

【分散型ネットワーク】とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの特定の企業が仲介するサービスを通じてインターネットにアクセスするのではなく、個人がインターネットの一部を所有し、管理するという新しい仕組みです。

分散型システムの特徴として、Web 3.0は中枢による個々人のアクセス権などへの「許可」を必要としません。また「信頼」も必要としないため、2者以上の間で取引が行われる際に、仲介サービス会社は必要ありません。ブロックチェーンによって、取引のデータを逐次記録しているため、ユーザーのプライバシーを保護しながら、最短距離で取引は執行されます。

代表的な分散型システムである「分散型金融DeFi(Decentralized Finance)は、Web 3.0の構成要素として勢いを増しています。DeFiでは、特定の銀行や政府の力を借りずに、ブロックチェーン上で現実の金融取引を行うことができます。

所謂インターネットである【ワールドワイドウェブ】は、現在、何十億もの人々にとってネット上で情報を交換し、読み書きをし、コミュニケーションをとるために必要不可欠なツールです。ウェブは、長い年月をかけて、劇的に変化しました。

Web 3.0を理解するために、まずはウェブの進化を段階的に追っていきましょう。

Web 1.0とは?(1991年~2004年まで)

「一方通行のウェブサイト」

インターネットの初期バージョンは、Web 1.0として知られています。
Web 1.0は、【読み取り専用のWeb】、または【構文Web】であると考えてください。
個人はコンテンツの消費者であり、ウェブ開発側は主にテキストやグラフィック形式で提供される素材を使ったウェブサイトというコンテンツの制作者でした。
Web 1.0では、データやコンテンツは、静的なファイルシステムから提供され、ウェブページ上での消費者と制作者の立場の相互作用はほとんどありませんでした。

Web 2.0とは? (2005年~2022年現在まで)

「ユーザー主役の
ソーシャルネットワーク」

Web 2.0は、よく知られている現在のバージョンのWebを指します。ユーザーの個人は、クリエイターになることもできるし、コンテンツの消費者になることもできます。開発者でなくても、多くのアプリは、誰もがクリエイターになれるように設計されています。

サイトは、動的なハイパーテキストマークアップ言語(HTML)で構成されており、情報の貯蓄場所は、Web1.0の静的なファイルシステムから、動的なデータベースへと変わりました。また、Web2.0では、HTML5・CSS3・ReactJs・AngularJs・VueJs・Javascript等の技術開発によって、ユーザーを中心に構築し、より多くのユーザーを巻き込むための仕組みの設計が可能になりました。

Youtube、Facebook、Flickr、Instagram、Twitter、その他のソーシャルメディアは、Web 2.0の代表的なアプリです。世界中の人々が代表的なインターネットの仲介会社サービスやネットアプリを通して、自分たちの思考や創造物を発信するだけでなく、何百万人もの人がそれを閲覧し、交流したり、コメントをやりとりすることができています。

開発者や企業が人気のあるアプリをリリースすると、特にアプリの人気が高まるにつれて、ユーザー体験が驚くほど洗練されたものになることがよくあります。これは、Web 2.0の【ユーザー主役のソーシャルネットワーク】の特徴です。ユーザーからデータを蓄積し、データが増えれば増えるほど、多数のWeb 2.0企業にとってターゲット広告が増える仕組みになっています。その結果、クリック数が増え、さらに広告料が増えるという構造です。

このように、ユーザーからのデータの取得は、私たちが今使っているウェブの機能の基盤になっています。その結果、Web 2.0アプリでは、データ漏洩が日常茶飯事です。データ漏洩を追跡し、個人情報がハッキングされたことを知らせるための専門サイトさえあります。

Web 2.0では、自分のデータやその保存方法を管理することができません。実際、企業は頻繁にユーザーのデータを追跡し、本人の許可なく保存しています。そして、これらのプラットフォームを担当する企業が、集めたデータのすべてを所有し管理しているのです。さらに、政府は、誰かが自分たちのプロパガンダと矛盾する意見を表明していると考えるとき、サーバーを何度もシャットダウンしたり、銀行口座を押収することができます。政府は、集中管理されたサーバーを使用するアプリケーションに簡単に干渉し、コントロールし、シャットダウンすることができるというわけです。

同時に銀行のシステムも同様にデジタルであり、集中管理されているため、政府は頻繁に銀行に介入しています。ボラティリティが高い時期や、過度のインフレ、その他の政情不安の時期には、銀行口座を閉鎖したり、資金へのアクセスを制限したりすることができるというわけです。

さて、このようなWeb 2.0の欠点に対して、アプリの構築や操作方法を根本から見直すことができるWeb 3.0の【分散型ネットワーク】に期待が寄せられています。

Web 3.0とは?

【分散型のネットワーク】

Web 3.0は、【セマンティックWeb(Webコンテンツにデータベースなど、いろいろな場所にある情報に意味を洗わずデータをつけて、ソフトウェアが情報の内容の意味を自分で解釈できるようにする技術)】や【Read-Write-Execute(Web1.0がread-only web、Web2.0がparticipative social webだったのに対して)】とも呼ばれ、Webの未来を暗示する時代(2010年以降)に開発されました。人工知能(AI)と機械学習(ML)によって、コンピューターが人間と同じようにデータを分析できるようになり、ユーザーの特定のニーズに合わせて価値あるコンテンツを知的に生成・配信することができるようになりました。

Web 2.0とWeb 3.0の間にはいくつかの重要な違いがありますが、一番の核となるのはWeb 3.0が【分散型】であるという点です。つまり、Web 3.0 は、単一のサーバー上で動作するアプリや、単一のデータベースにデータを保存するアプリを作成することはほとんどありません。

その代わり、Web 3.0アプリはブロックチェーンや多数のPeer-to-peer(P2Pとも書かれる。サーバーのこと)からなる分散型ネットワーク、もしくはその2つのハイブリッドで構成されています。これを、『分散型アプリ(DApps)』と言います。

また、web 3.0ではユーザーデータは管理されないため、政府や企業の検閲の可能性が低くなります。そうなると、より多くの製品がインターネットに登場するようになり、より多様なデータが、検索エンジンのアルゴリズムによって抽出することができるようになります。その結果、ユーザーの個々の要求に対し、より迅速により正確な情報を提供できるようになるでしょう。

他にも、web3.0 は3Dグラフィックスの進化を促進させています。Web 3.0は、単純な2次元のウェブから、より複雑な3次元のサイバーワールドへと展開しています。例えば、eコマース、オンラインゲーム、不動産市場など、Web3.0のWebサイトやサービスでは、3次元の空間デザインがかなり活用されています。

Web3.0と仮想通貨とDAO

Web 3.0では、仮想通貨が頻繁に登場します。

冒頭にも明記した通り、Web 3.0の構成の多くが、暗号通貨に大きく依存しているためです。
Web 3.0に利用されたブロックチェーンの技術は単一のものではなく、代表的なパブリックブロックチェーンと呼ばれているもののため、仮想通貨もWeb 3.0に関連しているものと、そうでないものに分かれています。

まず、いずれかのネットワークのプロジェクト作成、統治、貢献、改善に協力したいという参加希望者に、金銭的なインセンティブである「token(トークン)」を提供します。

『Web 3.0トークン』とは、「分散型インターネットを構築する」というビジョンに関連するデジタル資産全般を指します。ビットコインなどの暗号通貨は「代替可能トークン(FT:Fungible Token )」です。普通の日本の通貨と同じように、ビットコインの価値は交換可能です。
一方で「NFT」は「非可溶性トークン(NFT:Non Fungible Token)」で、オリジナルの所有者が誰か、デジタル権利証といった形でブロックチェーンに記録されます。これにより本物かどうかが分かり、所有権を売買することもできます。

また、トークンを使って所有権意思決定権をより均等に分配する分散型自律組織(DAO)は、Web 3.0の技術を用いた企業バージョンです。DAOとは、簡潔に言うと中央管理者が存在しない組織を出し、希望者はだれでもプロジェクトに参加できる点が大きな特徴で、プロジェクト内の取引は全て、ブロックチェーンに記録されるため、不正行為のリスクも少なくなっています。

分散型自立組織(DAO)については、こちらの記事に詳しく書いてあります。

Web 3.0の可能性

以上で見てきたように、Web 3.0は今までのインターネット体験をデータ量の面も、2次元から3次元への質の面でも、凌駕する可能性を秘めたウェブになっています。今回の記事で見てきた、Web 3.0の効果や可能性をまとめると、以下のようなものでしょう。

  • 個人情報の流出が減る
  • 政府や特定の中央集権組織の介入が減る
  • ネット上で検閲や広告効果やアルゴリズムによって、今まで検索にかからなかったデータを拾うことができるようになる
  • 3Dグラフィック技術の向上により、より複雑で多重的なネット空間が生まれる
  • 分散型システムを利用して、DAOの台頭など、ビジネスモデルが変わる
  • 仲介サービスが排除される
  • 仮想通貨が多用される
  • NFTで所有権が明確になる

どれ1つをとっても、世界にかなり大きな影響を与える項目です。

Web 3.0は、勢いをもってネット空間、そして現実世界に広がり始めています。
1991年に表舞台でスタートを切ったウェブの歩みは止まることなく、現れる問題点を乗り越えようと、更なる向こうを目指して進化しています。

来たるWeb 3.0の時代の大きな変化に、マインドを備えましょう。

参考

“What is Web 3.0: A beginner’s guide to the decentralized internet of the future”
https://cointelegraph.com/blockchain-for-beginners/what-is-web-3-0-a-beginners-guide-to-the-decentralized-internet-of-the-future
『テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる』伊藤穰一(SBクリエイティブ)

関連記事

ページ上部へ戻る