トランプ氏「株価暴落は故意」発言が波紋──Phaver運営停止、SEC再検討など揺れる4月7日仮想通貨ニュース

【要約 】
・アメリカのトランプ前大統領が「株式市場暴落を故意に起こした」と示唆し、関税政策への批判が高まっている
・Web3ソーシャルのPhaverが運営停止、上場トークンはTGE後に99%下落
・SEC(米国証券取引委員会)代理トップが暗号資産関連の声明を再検討する方針
・仮想通貨ゲーム「Shrapnel」の開発元Neon Machineが財務危機に直面
・フォーブスの調査ではウォール街の経営層3分の1以上がトランプ氏の経済政策に反対
・SolanaチェーンではTVLがSOL建てで最高値を更新する一方、SOL価格は下落傾向
・来週はCPIやPPIなど主要な米国経済指標の発表を控え、米国の関税政策動向にも要注目
・複数の暗号資産で大規模なトークンロック解除が予定されており、価格への影響が懸念される

トランプ前大統領「株式市場暴落は故意」発言の波紋

米国のトランプ前大統領は、SNS上で支持者が投稿した「株式市場の暴落を彼自身が故意に引き起こしている」という動画を共有し、関税政策による世界的な市場混乱を事実上認める姿勢を示しました。トランプ氏は「過去には米国が“お人好し”のように扱われてきたが、今は違う。これは経済革命であり、最終的に歴史的な勝利を得る」と主張し、米国民に「耐えるべきだ」と呼びかけています。

しかし、実際には米国株式市場のみならず世界の株式市場も大幅な下落を経験しており、金融機関の分析によれば、わずか数日間で数兆ドル規模の時価総額が失われた可能性があります。福布斯の調査でも、ウォール街の経営層3分の1以上がトランプ氏の経済政策に否定的な見解を示しており、特に関税に対する不信感が強まっているのが現状です。

暗号資産規制:SEC代理トップが以前の声明を再検討へ

米国証券取引委員会(SEC)の代理トップであるMark T. Uyeda氏は、過去にSECが出した暗号資産投資やデジタル資産証券に関する複数の指針・声明を再検討するよう指示しました。対象となるのは、

  • 2019年の「デジタル資産が証券に該当するか否か」を判断する指針
  • ビットコイン先物型の投資信託に関する注意喚起
  • 暗号通貨取引所の破産時に関する留意点
  • ワイオミング州の州特許信託会社によるデジタル資産カストディに関する声明
    これらが変更または撤回される可能性もあり、今後の暗号資産(仮想通貨)関連の法規制やSECの方針に影響するものとみられます。

一方で、ロシアでは中央銀行総裁が国内決済における暗号資産の利用禁止を再度提案するなど、国際的に規制動向が引き締まる展開もあり、規制当局のスタンスが厳格化する局面が続きそうです。

Web3ソーシャルPhaver運営停止と「Shrapnel」開発元Neon Machineの財務危機

Web3領域では、ソーシャルメディア「Phaver」が運営を停止し、同プロジェクトのトークンはTGE(トークンジェネレーションイベント)後に価格が約99%下落しました。チームによれば、上場費用やTGEの技術トラブルが資金難を招き、結果として従業員への給与支払いもままならない状況に陥ったとのことです。

また、暗号通貨を活用する射撃ゲーム「Shrapnel」の開発会社Neon Machineは財務危機に陥っていると報じられました。約8,690万ドルの運営コストに対して収益は2,170万ドル程度にとどまり、キャッシュフローが枯渇しているようです。開発メンバーも大幅に削減され、来年以降に予定していた追加の資金調達も実現が難しいとされています。こうしたプロジェクトの財務問題は、投資家心理に少なからぬ悪影響を与えています。

SolanaチェーンはTVLが新高値、しかしSOL価格は下落

Solanaチェーン上では、DeFiのTVL(Total Value Locked)がSOL建てで過去最高水準となる5,380万SOLを記録しました。JitoやJupiter、KaminoといったDApp(分散型アプリ)が活況を牽引しているとみられます。一方、SOLトークンの価格は最近9%ほど下落しており、4月初旬にはアンロック(ロックアップ解除)分の売り圧も警戒されました。DEX取引量は引き続き好調な水準を保っているものの、SOL価格は依然として上値が重い局面です。

フォーブス調査:関税政策への懸念広がる

フォーブスは、大手資産運用会社や億万長者の投資家などウォール街の有力者50名に対し、トランプ前大統領の経済政策に関するアンケートを実施しました。回答者のうち72%が現在の政策に失望していると表明し、その多くが関税の引き上げや株式市場政策に強い不信感を持っているようです。特に「不公正な関税制度」が米国内外に混乱をもたらしているとして、継続的に政策修正を求める声が上がっています。

今後の主な経済指標とトークン解禁予定:市場への影響は?

米国では来週、CPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)といった主要指標が発表予定です。関税による輸入コスト増がインフレを押し上げる可能性が取り沙汰されるなか、これらのデータはFOMCの金融政策見通しにも影響し得ます。CME“美連邦準備観測”では、5月の利下げを33.3%の確率で見込む一方、据え置きが66.7%と予測されており、市場の読みは依然として混沌としています。

暗号資産(仮想通貨)市場では、下記のような大規模トークン・アンロックが相次ぐ見通しです。とくにCheelee(CHEEL)は約2,081万枚、総額1.61億ドル相当の解除が予定されており、投資家は売り圧への警戒感を高めています。

  • 4月7日:Neon(NEON)約5,391万枚
  • 4月8日:Tensor(TNSR)約1.2億枚
  • 4月9日:Saga(SAGA)約1.33億枚、Movement(MOVE)約5,000万枚
  • 4月12日:Aptos(APT)約1,131万枚、Axie Infinity(AXS)約909万枚
  • 4月13日:Cheelee(CHEEL)約2,081万枚

米国議会とSECによる暗号資産関連の立法・議論

米国連邦議会では、4月9日にデジタル資産規制を推進する公聴会を開催予定であり、STABLE法案(安定通貨に関する規制)などの議論が進む見込みです。また、同月11日にはSECが「暗号資産規制に関する第2回ラウンドテーブル」を開催し、ETFや現物取引の規制強化、あるいは安全性に関する新ガイドラインなどが焦点となりそうです。

ニュースの解説

今回の関税政策をめぐる混乱や、仮想通貨関連プロジェクトの財務問題、さらには各国当局による規制再点検の動きは、暗号資産(仮想通貨)市場の先行きを不透明にしています。特に米国では、物価上昇への懸念が再燃すれば金融緩和どころか金融引き締めが継続するリスクもあり、リスク資産全般のボラティリティは高まりやすい状況です。

一方で、Solanaなど一部のチェーン指標は成長傾向にあり、DeFiやWeb3分野での実需が続けば中長期的な支持要因になり得るとの声もあります。投資家としては、関税やインフレなどマクロ要因を注視しつつ、トークンロック解除スケジュールや各国の規制指針に目を配る必要があるでしょう。複数の国際イベント・会議が連続して行われるため、そこで示される方針転換の有無が今後のマーケットを左右する重要な要素となりそうです。

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