Solana(ソラナ)は、処理の速さと手数料の安さを特徴とするブロックチェーンです。イーサリアムでは1回の取引に数百円から数千円の手数料がかかることもあった2021〜2022年、安くNFTを発行・売買できる場として多くのプロジェクトと利用者を集めました。
旧版の記事はSolanaの仕組みとNFTの買い方を紹介していましたが、その後、ネットワークの停止やFTXの破綻、人気コレクションの移転、ウォレットの対応の変化など、多くの出来事がありました。この記事では、SolanaのNFTの基本を押さえたうえで、2026年時点の状況に合わせて買い方と注意点を整理し直します。
Solanaとはどんなブロックチェーンか
Solanaは、アナトリー・ヤコベンコ氏が2017年末に公表した構想をもとに開発されたブロックチェーンです。2020年3月に「Mainnet Beta」として本格的な運用を始めました。開発初期にはグレッグ・フィッツジェラルド氏、スティーブン・アクリッジ氏らもかかわっています。
最大の特徴は「Proof of History(プルーフ・オブ・ヒストリー)」と呼ばれる時刻の記録方法です。取引の順番をあらかじめ時刻つきで並べておくことで、ネットワーク全体の合意にかかる時間を短くし、約0.4秒ごとに新しいブロックを作れるように設計されています。
その結果、1回の取引手数料はごくわずかで済み、NFTを1枚発行したり売買したりする費用も、多くの場合1円に満たない水準です。旧版の記事は「毎秒5万件の処理」などの数字を挙げていましたが、これは設計上の理論値で、実際の処理件数は利用状況によって変わります。
SolanaのNFTの特徴
SolanaのNFTには、イーサリアムのNFTと比べて次のような特徴があります。
| 項目 | Solana | イーサリアム |
|---|---|---|
| 支払いに使う通貨 | SOL | ETH |
| 取引の手数料 | ごくわずか | 混雑時は高くなる |
| 主なウォレット | Phantom、Solflareなど | MetaMaskなど |
| 主なマーケットプレイス | Magic Eden、Tensorなど | OpenSea、Blurなど |
2023年4月には「圧縮NFT(compressed NFT)」という仕組みが導入され、100万枚のNFTを約100ドルで発行できるようになりました。ゲームのアイテムやイベントの参加証など、大量に配るNFTに向いた仕組みで、2023年9月には大手マーケットプレイスのMagic Edenも取り扱いを始めています。
手数料が安いため、1枚数百円程度の手ごろなNFTや、無料で配られるNFTが多いのもSolanaの特徴です。
その後どうなったか:障害、FTX破綻、コレクションの移転
2021年から2022年にかけて、Solanaは何度もネットワークが止まる障害を起こしました。2022年1月には自動化プログラムによる大量の取引でネットワークが大きく混乱し、9月30日には検証者のノードの不具合から8時間以上ブロックの生成が止まっています。NFTの人気作品の発行時に取引が殺到し、処理が追いつかなくなる例もありました。
2022年11月には、Solanaと関係の深かった暗号資産取引所FTXが破綻し、SOLの価格が急落しました。この影響で、Solanaを代表するNFTコレクションだったDeGodsとy00tsは2023年にイーサリアムへ移転しています。
一方で、その後Solanaは障害対策を進め、2023年以降は大きな停止が少なくなりました。取引の場もMagic EdenのほかTensorが台頭し、2023年には一時Tensorが取引の過半を占めるまでになりました。2025年には米国でSolanaの現物ETFも上場しています(ソラナETF上場の記事)。
SolanaのNFTの買い方(2026年時点)
- SOLを用意する:国内の登録業者の中にもSOLを扱うところがあります。取扱銘柄は各社の公式サイトで確認してください。
- ウォレットを作る:Solana向けのPhantomやSolflareが代表的です。2025年にはMetaMaskもSolanaに正式に対応しました。
- SOLをウォレットに送る:送金先のネットワークがSolanaであることを必ず確認します。最初は少額で試すと安心です。
- マーケットプレイスで購入する:Magic EdenやTensorにウォレットを接続し、欲しいNFTを選んで購入します。
旧版の記事は「MetaMaskではSOLを扱えないので使わないように」と注意していました。当時は正しい注意でしたが、2025年にMetaMaskがSolanaに対応したため、現在はMetaMaskでもSOLやSolanaのNFTを扱えます。ただし、イーサリアム用のアドレスとSolana用のアドレスは別物で、取り違えて送ると取り戻せない場合がある点は今も変わりません。
Solanaが向いている使い方、向いていない使い方
手数料の安さと処理の速さは、NFTの使い道によって大きな利点にも、あまり関係のない要素にもなります。
向いているのは、数が多く1枚あたりの価値が小さいNFTです。ゲームの中で頻繁にやり取りするアイテム、イベントの来場者全員に配る記念のNFT、店舗のポイントカード代わりのNFTなどは、1回ごとに数百円の手数料がかかるチェーンでは成り立ちません。圧縮NFTの登場で、こうした用途はさらに広がりました。
一方、1枚が高額な美術作品のようなNFTでは、手数料の差は小さな問題です。この分野では、長い歴史と多くの収集家を持つイーサリアムが今も中心で、DeGodsのように「より大きな市場を求めて」移転したコレクションもありました。
また、安く発行できることは、偽物や質の低い作品も大量に作りやすいことを意味します。安さは参加しやすさの裏返しでもあるので、何を買うのかをよく確かめる姿勢は、チェーンを問わず必要です。
購入前に確かめたい注意点
- 本物のコレクションか:人気作品には名前や画像をまねた偽物が出ます。マーケットプレイスの認証マークや、公式SNSに載っているリンクから確認します。
- 無料配布を装う詐欺:Solanaでは、身に覚えのないNFTがウォレットに届き、偽サイトへ誘導する手口が多く見られます。知らないNFTのリンクは開かないでください。
- 取引量:手数料が安い分、自己売買で取引量を大きく見せることも容易です。購入者の数や直近の成約価格を確認しましょう。
- 必要な分だけ送る:旧版の記事が勧めていたとおり、購入に必要な分と手数料だけをウォレットに移すのは、今でも有効な自衛策です。
ウォレットの守り方は仮想通貨ウォレットの安全対策、よくある詐欺の手口はNFT詐欺の見分け方にまとめています。
日本の読者向け:税金と取引の記録
日本の居住者が、円で買ったSOLでNFTを購入すると、その時点でSOLを手放したことになり、購入時より値上がりしていれば差額が雑所得として課税の対象になります。さらにNFTを売って利益が出た場合、そのNFTが暗号資産と交換できるものであれば、売却益にも所得税がかかります。
手数料が安いSolanaでは取引の回数が増えやすく、あとから計算するのが大変になりがちです。取引所の履歴だけでなく、ウォレットの取引履歴も定期的に保存しておくと、確定申告のときに困りません。無料で受け取ったNFTや、ゲームの報酬として得たトークンにも課税関係が生じる場合があるため、国税庁の「NFTに関する税務上の取扱い」もあわせて確認してください。
よくある質問
Q. SolanaのNFTの手数料はいくらですか?
A. 1回の取引手数料はごくわずかで、多くの場合1円に満たない水準です。ただしマーケットプレイスの販売手数料などは別にかかります。
Q. MetaMaskでSolanaのNFTを扱えますか?
A. 2025年にMetaMaskがSolanaに正式対応したため、現在は扱えます。ただしイーサリアム用とSolana用のアドレスは別なので、送金時にネットワークを取り違えないよう注意してください。
Q. SolanaのNFTはどこで買えますか?
A. Magic EdenやTensorなどのマーケットプレイスが代表的です。PhantomやSolflareなどのウォレットを接続して購入します。
Q. Solanaはネットワークが止まることがありますか?
A. 2021〜2022年には何度も停止しました。その後対策が進み、2023年以降は大きな停止が少なくなっていますが、ゼロになったわけではありません。
この記事の出典
- Solana:Year In Review 2020
- Helius:A Complete History of Solana Outages
- SiliconANGLE:DeGods and y00ts NFT collections will leave Solana
- Cointelegraph:Magic Eden integrates Solana's compressed NFTs into marketplace
- TechCrunch:Tensor is climbing to the top of the Solana NFT marketplace totem pole
- Consensys:Native Solana support in MetaMask
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




