【2月4日】トランプ関税で暗号市場が歴史的急落!「70万人清算・312超え」の衝撃とTRUMPコイン・Hyperliquidエアドロップの最新動向

【要約】
米国大統領ドナルド・トランプ氏によるカナダ、メキシコ、中国への長期的な関税強化が加密(暗号資産)市場に波及し、ビットコインをはじめとする主要仮想通貨が急落しました。過去24時間で700,000人以上がポジションを清算し、その規模は2020年3月12日に起きた“312”暴落を超えるとも報じられています。さらに、トランプ氏とメキシコ政府の間では一時的に関税を延期する合意がなされるなど、状況はなお流動的です。一方、David Sacks氏の「AI・暗号資産ツァーリ」就任や、「Hyperliquid」が実施した史上屈指の成功を収めたエアドロップ(エアドロップ)に関する話題、そしてトランプ陣営が発行した「TRUMPコイン」から得られたとされる多額の利益が注目を集めています。以下では、これらの動きを詳しく解説します。

米国・トランプ関税がもたらした仮想通貨市場の急落

米国メディアのCNBCなど複数の報道によると、トランプ氏はカナダ、メキシコ、中国からの輸入品に対してそれぞれ25%、10%などの高関税を課す大統領令に署名し、即日発効を宣言しました。これを受け、投資家はリスク回避に動き、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など主力暗号資産の相場が急落。

  • Coin Metricsのデータでは、BTC価格が7%下落し約93,768.66ドル(記事原文時点)まで落ち込んだとされています。
  • CoinDesk 20指数では主要な暗号資産20銘柄のうち下落率は最大19%に達し、ETHは25%もの下落を記録しました。

こうした激しい価格変動の背景には、関税政策による米国株式市場の下落も影響しています。トランプ政権発足以来、仮想通貨と株式市場は比較的連動性を見せる場面が増えており、株式先物が急落するタイミングで暗号資産も値崩れしやすいという指摘があります。

“清算”の急増:70万人超が巻き込まれ、312の規模を上回る

暗号資産の証拠金取引では、大きな値動きが生じるとロスカット(強制清算)が多発します。今回の急落では、Coinglassの統計によると24時間の全体清算総額が21.19億ドル(約2.12億ドルの表記ゆれもあり)を超え、多数の投資家が「清算」に遭いました。

  • 過去24時間で700,000人以上がポジション清算に巻き込まれ、最大単筆の清算額はBinance上のETH/BTC取引で2,563.50万ドル相当に上ったとされています。
  • この清算規模は、2020年3月12日に起きた“312”と呼ばれる大暴落時を超えるほどと伝えられ、市場に強い衝撃を与えました。

なお、“312”の際は24時間で10万人超が清算されたとの記録が残り、最大単一清算額はHuobi上の5832万ドル相当(BTC)のポジションでした。今回の清算はその人数・金額を上回っており、短時間に大規模清算が発生した点が際立ちます。

トランプ関税と市場への影響:特リフィンのジレンマの視点

Bitwiseのアルファ戦略責任者Jeff Park氏は、今回の関税強化が長期的にはビットコインにとって「驚くほど有利」に働く可能性があると述べています。その論拠として、以下の2点が挙げられます。

  1. 特リフィン(Triffin)のジレンマ
    • 世界の基軸通貨としての米ドルは、他国が準備通貨としてドルを保有するため、構造的にドル高になりやすい一方、米国自身は貿易赤字を継続し、低金利で借り続けられる特権を享受してきました。
    • しかし、トランプ政権はドル高と貿易赤字を同時に回避しようとしている可能性がある、とPark氏は指摘。関税はその交渉カードであり、最終的には「広場合意2.0」に近い多国間合意によってドルを弱める方向に動くと推測されています。
  2. トランプ個人の思惑
    • 不動産業で財を成したトランプ氏は長期金利の低下を強く望んでおり、短期金利を下げるだけでは不十分だと考えているようです。
    • そのため、10年物国債利率を下げる策として関税や為替政策を活用している可能性があるという見解です。

結果として、米ドル安・低金利への動きが加速すれば、リスクヘッジの手段としてビットコインへの資金流入が期待できる、というのがPark氏の主張です。

AI・暗号資産“ツァーリ”David Sacksの記者会見

トランプ政権下では、人工知能(AI)と暗号資産分野を統括する「AIと暗号資産の“ツァーリ”」としてDavid Sacks氏が任命されました。現地時間2月4日午後2時30分(米東部時間)から記者会見を行い、米国政府がデジタル資産分野で主導的地位を目指すための具体的計画を発表すると報じられています。

  • この会見により、米国政府が今後どのような規制・推進政策を打ち出すかが注目され、暗号資産市場の変動要因となる可能性もあります。

Hyperliquidが生んだ史上屈指のエアドロップ:ポイントシステムの秘密

去中心化されたデリバティブ取引プラットフォーム「Hyperliquid」は、資金調達を受けず独自に成長を遂げ、さらに“史上最も成功したエアドロップ”と評価されるポイントシステムを展開しました。

  • 10か月以上にわたる複数のシーズンでポイントを配布し、特定のアクティビティ(トレード量やユーザー貢献度など)に応じて徐々に報酬を付与する仕組みが功を奏しています。
  • その成功の背景には、安易な「ポイント稼ぎ」ができないよう不透明要素を敢えて残し、真にプラットフォームを利用するユーザーが多くの特典を得られるよう設計されている点が挙げられます。

このモデルが高く評価される理由は、ユーザーの忠誠度を高めながら実需に基づく流動性を確保したことです。エアドロップに参加したユーザーがプロダクトに深く関与することで、短期的な投機目的ではなく、長期的なプロジェクト成長につながる効果を示しています。

TRUMPコインでトランプ陣営が8億ドル超の収益か

CoinbaseのディレクターであるConor Grogan氏によれば、1月18日に始動した「TRUMPコイン」を通じて、トランプ陣営がすでに8億ドル以上を得た可能性があるとされています。

  • TRUMP関連の資金移動や流動性イベント、手数料収入などを合算した推定値として、8.02億ドルの利益が生じたという主張です。
  • ただし、実際に取引所へ送金されたトークンが売却済みかどうかは不明とされています。

高額な収益が事実であれば、政治的にも大きな波紋を呼ぶ可能性があり、今後の動向に注目が集まっています。

メキシコ関税の一時停止合意

トランプ大統領は、メキシコのシンバウム大統領との間で関税を一時的に1か月間停止することで合意したと発表しました。一方で、メキシコ側は「恒久的な停止」を提案しているものの、現時点ではあくまでも「1か月の延期」のみ。今後は米国務長官のルビオ氏、財務長官のベセンテ氏、商務長官のルトニック氏などがメキシコ政府と協議を進めるとされ、引き続き注意が必要です。

  • また、欧州連合(EU)が制裁措置として対抗関税を準備しているとの報道もあり、国際貿易全体の不透明感が増大しています。

アジア・米国ETFなど関連動向

  • ビットコイン現物ETFの承認
    BitwiseのCEOは「2025年には米国でビットコイン現物ETFが最大5本承認される可能性がある」との見方を示しており、今後の市場環境次第では暗号資産の価格に影響を与えうる重要テーマです。
  • 市場データ
    ある大口投資家(クジラ)が下落前に約2.3億ドル相当のETHを取引所に移動したこと、さらに下落後には別のクジラが1.1億ドル以上のETHを買い増したなど、市場の大口の動きも活発化している様子が散見されます。
  • コインベースやバイナンスの内部事情
    バイナンスでは過去2年で内部調査を120回以上実施し、約3000万ドルの不正所得を回収したという指摘もあり、大手取引所のコンプライアンス強化が一段と進む兆候も見られます。

今後の見通しと注意点

現在の加密市場は、米国発の貿易政策や政治リスクに左右されやすい局面です。トランプ関税が本格化するのか、それとも一時停止や多国間合意を通じて軟着陸を図るのかで、暗号資産のボラティリティは大きく変動する可能性があります。また、AIおよび暗号資産戦略を統括するDavid Sacks氏の記者会見は、業界における規制や政府主導のイノベーション推進を左右する重要な機会とみられています。

企業や個人投資家は、リスク管理を徹底しながら、中長期的にはドル安・金利低下を背景としたビットコインなどの優位性も考慮する必要があるでしょう。特に、Hyperliquidのように実需に基づくプラットフォームが着実にユーザーを増やしている事例は、技術とコミュニティが成長する本来の暗号資産市場の姿を示しているとも言えます。各国の政策や大口投資家の動向を注視しながら、市場の変化に備えることが求められるでしょう。

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