2024年12月29日暗号資産ニュース|AI投資構想とDeFi規則

2024年末の暗号資産市場では、ビットコインの価格上昇に加え、AIを投資や情報発信へ結び付ける試みが注目された。一方、米国の報告規則や国境をまたぐ司法手続きも動いていた。12月29日時点の主な話題を、実施済みの出来事、開発や制度の予定、将来の予測に分けて振り返る。

ai16zの構想は、AIとコミュニティで投資判断を支えること

PANewsが12月26日の北京で行ったインタビューで、ai16z創業者のShawは、一般の参加者にも投資の機会を広げたいという考えを説明した。AIがコミュニティの意見を整理し、その代表として判断する構想や、流動性プールを管理するエージェントの開発にも言及している。単にチャットで銘柄名を尋ねる仕組みより、意思決定と実際の資金運用を結び付ける試みだった。

同じ取材では、協力先の一覧を公表することや、翌年1月1日前後に新しいトークン経済設計の提案を示す予定も語られた。これは将来の提案についての説明であり、当時すでに新しい配分ルールや収益還元が確定し、実施されていたという意味ではない。構想への賛同と、実際に使える機能の確認は別に必要になる。

AIが資金を動かすサービスでは、モデルの賢さだけでなく、誰が送金や取引を許可し、損失時にどう停止するかが重要だ。コミュニティの意見を取り入れる場合も、発言力が資産保有量に偏らないか、誤った情報が判断へ混入しないかという問題が残る。開発用のフレームワーク、運用するエージェント、購入するトークンは役割が違うため、それぞれの権限と価値の関係を分けて見たい。

BTCの10万ドル突破と、チェーンの技術的な進展

ビットコインは12月に初めて1BTC当たり10万ドルを超えた。米東部時間では12月4日夜、UTCや日本時間では5日に当たる出来事だ。2024年には米国で現物BTC商品が広がり、大統領選後には政策への期待も高まった。ただし、価格が大きく上がった一年だったことと、どの局面でもインフレから購買力を守れることは同じではない。

イーサリアムでは3月13日にDencunが稼働した。データを一時的に保存するblobを導入し、ロールアップが必要なデータを届ける費用を抑えやすくする更新だ。これは利用コストや処理基盤に関する変化であり、ETHの価格を一定割合だけ上げる仕組みではない。技術の改善、実際の利用、資産価格はそれぞれ別の資料で確かめる必要がある。

Solanaを比較する際も、SOL一枚の価格と、発行・流通する数量を掛け合わせた時価総額を混同してはいけない。また、DeFiに預けられた資産のドル換算額であるTVLは、資金の流入がなくても基になるトークン価格で動く。チェーン同士の成長を判断するには、同じ期間の利用者数、手数料、預入数量などを組み合わせて見ることが役立つ。

ミーム市場の活況とYapsへの関心をどう読むか

2024年末の話題には、Pump.funのようなトークン発行サービスや、SNS上の情報発信を評価するKaito Yapsもあった。Kaitoは後の公式説明で、Yapsを2024年12月に開始したと記している。情報への注目や発信者の貢献を扱う試みだったが、ポイントの存在だけで将来の配布数量や換金価値まで確定するわけではない。

こうした参加型の仕組みでは、活動量と情報の質をどう区別するかが課題になる。投稿回数が多いこと、影響力のあるアカウントから反応があること、読者にとって正確で役立つことは、それぞれ異なる評価軸だ。参加者は数字を増やす行動だけに集中すると、配布条件の変更や期待した報酬が得られない可能性を見落としやすい。

ミームコインについても、発行しやすいことと、購入者が利益を得やすいことは別である。取引が活発なら運営サービスの手数料収入は増え得るが、それが参加者全体の利益を示すわけではない。公開市場で売買できても、流動性が薄ければ少額の注文で価格が動き、画面上の評価額どおりに売れない場合がある。

発行時の条件が公平だと説明される仕組みでも、情報を得る速度、注文を出す手段、保有の集中度まで均等とは限らない。参加するかどうかを考える際は、報酬の期待だけでなく、実際に負担する手数料や売却可能な数量、運営側が変更できる条件を確認したい。

米国のDeFi報告規則は当時の発表と後の撤回を区別

米財務省とIRSは12月27日、顧客と直接やり取りする取引フロントエンドの提供者、いわゆるDeFiブローカーに関する最終規則を発表した。内容はデジタル資産の売却総額などの情報報告であり、暗号資産に新しい税を課す発表ではなかった。売却代金の総額は取得費用を引いた利益とは異なる。

当時の規則は、対象となるサービスについて2027年1月1日以後の売却への適用を定めていた。一方、財務省の説明は、デジタルプロトコルの運営者やプロトコルのソフトウェア開発者を、その立場だけでブローカーとして扱うものではないとも示している。DeFiに関わる人すべてへ同じ義務を課すと読むのは広すぎる。

【後日追記】この規則は、2025年4月10日に成立した米国のPublic Law 119-5によって無効化された。したがって、2024年末に公表された適用予定を、現在もそのまま実施される義務として扱うことはできない。この決議が対象にしたのは特定の情報報告規則であり、暗号資産取引に関する課税全体の廃止とは別である。

規制ニュースでは、発表日、官報への掲載、適用開始、後の改廃を追う必要がある。ここでの12月27日は発表日で、官報掲載は12月30日だった。制度の名称が似ていても、保管型の取引所に関する規則と、今回のフロントエンドに関する規則を一つにまとめないことが重要になる。

Do Kwonの米国引き渡しは12月27日に承認

モンテネグロ司法省は12月27日、Do KwonことKwon Do Hyeongについて、米国への引き渡しを認める決定を公表した。同省によると、最高裁は米国と韓国の双方の要請について法定条件が満たされると判断しており、司法省は犯罪の重大性、実行場所、要請の順序などを検討したうえで米国を選び、韓国への引き渡しを認めなかった。

この発表は、引き渡し先を決めた手続きのニュースである。12月29日の時点の記事で、発表日をそのまま移送完了日や米国での判決日として記すことはできない。また、引き渡しの承認自体が、起訴内容に対する有罪判断を意味するわけでもない。

Terraを巡る出来事を追う際には、身柄の引き渡し、刑事事件、民事上の責任、被害回復の手続きを区別すると理解しやすい。一つの手続きが進んだからといって、保有していたトークンの価値が戻ることや、すべての損失が補償されることまで決まるわけではない。

Galaxyの価格予測とOpenAIの組織変更案

Galaxy Researchの2025年予測は、2024年12月27日に顧客や取引先へ送付された資料として、後に公式サイトへ掲載された。BTCが2025年前半に15万ドルを超え、第4四半期には18万5,000ドルを試すか上回ること、ETHが5,500ドルを超えることなどを予想していた。これらは同社の見通しであり、確定した到達価格ではない。

同資料ではステーブルコインや伝統的な金融との接点の拡大も予測されている。ただし、国債などへの権利を表すRWA、一定の価格への連動を目指すステーブルコイン、決済と金融を組み合わせるPayFiは同義ではない。保有者にどの権利があり、誰へ償還を請求できるか、収益の源泉が何かを個別に確かめる必要がある。

OpenAIも12月27日、営利部門をデラウェア州の公益目的会社であるPBCへ移行する計画を説明した。当時の公式発表は、必要な資金調達と使命の継続を支える組織構造を検討する内容であり、同日に移行を終えたという報告ではなかった。

AI企業の資金調達が進むことと、AI関連トークンの価値が上がることの間には、自動的なつながりはない。特定企業の株式を持つこと、AI開発ツールを使うこと、AIをテーマにしたトークンを買うことは、それぞれ得られる権利が異なる。年末の期待を読む際も、発表主体、実施段階、保有者に帰属する価値を分けて判断したい。

よくある質問

Q. ai16zのAIは利益を保証する仕組みですか?

A. 利益保証ではありません。AIとコミュニティで投資判断を支える構想と、実際の運用結果やトークン保有者の権利は分けて確認する必要があります。

Q. 2024年末のDeFi報告規則は現在も有効ですか?

A. この記事で扱う最終規則は、2025年4月10日の法律で無効化されました。暗号資産に関する課税全体が廃止されたという意味ではありません。

Q. GalaxyのBTC15万ドル予測は確定情報ですか?

A. 当時の調査チームによる2025年の見通しです。予測の数値と、実際に市場で成立した価格は区別して読む必要があります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。