2025年1月2日暗号資産ニュース|米国移送とNFT年末統計

2025年の暗号資産市場は、前年末の法的手続きや制度変更、新しいトークンの発表を引き継いで始まった。NFTの販売回復やAI連携への期待が語られる一方、確定した事実と今後の計画には差がある。1月2日までの主要材料と、その後に公表された補足情報を分けて確認する。

Do Kwon氏は米国への引き渡しが実行された

2024年12月31日、モンテネグロ当局はTerraform Labs共同創業者のDo Kwon氏を米国側へ引き渡した。APが同日の警察声明を基に報じたもので、ポドゴリツァ空港でFBIの担当者に引き渡されたという。12月27日の司法省による許可決定から、実際の身柄移送へ進んだことになる。

【後日発表による補足】米司法省が米国時間1月2日に公表した資料でも、同氏が12月31日に米国へ到着したことを確認できる。したがって、年明けの状況を「米国への移送が今後予定されている」と説明するのは正確ではない。引き渡しの許可、身柄の移送、裁判所への出廷は、それぞれ異なる手続きだ。

米国側はTerraform関連の暗号資産を巡る投資家への説明や取引について刑事責任を追及していた。ただし、当時の起訴内容は検察の主張であり、この段階の発表を有罪判決と同じ意味で扱うことはできない。刑事事件と、SECによる別の民事手続きも区別して読む必要がある。

また、身柄の引き渡しが進んだこと自体は、旧USTやLUNAの保有者への返金日が決まったことを意味しない。責任の認定、資産の回収、債権者への分配は別の問題である。関連銘柄の価格が反応しても、それだけで保有者の請求権や回収見込みが改善したと判断することはできない。

IRSの一時措置は取得分の特定方法に関する救済

IRSのNotice 2025-7は、ブローカーが保管する暗号資産について、2025年1月1日から12月31日までの売却・処分・移転に一時的な救済を設けた。背景には、利用者からの取得分の指定を受け付ける技術が、一部のブローカーで間に合わない可能性があった。暗号資産取引の利益を一律に免税にする措置ではない。

同じ銘柄を異なる時期や価格で買っている場合、どの取得分を売ったと扱うかによって原価と保有期間が変わる。この通知は、条件を満たす利用者が、自分の帳簿や記録で該当する取得分を識別する方法などを認めた。通常なら特定できない場合に適用される先入先出しの扱いに、移行期の対応策を用意したものだ。

重要なのは記録する時期である。個別の取得分は売却などの日時までに特定する必要があり、継続的な指定方法を使う場合も、対象取引より前の記録が必要とされた。取引が終わってから都合のよい取得分を自由に選び直せる、という内容ではない。対象もブローカー保管分で、自己管理ウォレットにある資産へそのまま広げることはできない。

この話題は、DeFiのフロントエンド事業者を対象とする別の報告規則とは異なる。報告者の範囲を決める制度と、納税者が取得原価を計算するための識別手続きは、目的が違う。2025年限定の通知を現在の取引へ適用する際には、後続の制度も確認する必要がある。

スイスのBitcoin構想は市民発議の段階

スイスでは、中央銀行の準備資産にBitcoinを含めることを求める市民発議の文面が、2024年12月31日付で公表された。連邦官房の署名用紙には、憲法第99条第3項を変更し、準備資産の一部を金とBitcoinで保有するという趣旨が記されている。

これはスイス国立銀行がBitcoinの購入を発表したものではない。市民が憲法改正を求める提案と、中央銀行による資産運用の決定は別である。署名用紙の公開から、国民投票の実施や提案の可決、具体的な購入額までを一続きの確定事項として扱うべきではない。

準備資産に関する報道では、提案した主体、手続きの段階、購入義務の有無を分けると理解しやすい。政治家の発言、市民の発議、法律の成立、実際の買い入れは、市場への意味が異なる。国名とBitcoinが同じ見出しにあっても、国家による買い需要が発生した証拠とは限らない。

NFTの2024年販売額は、年末時点の集計で約88億ドル

Cointelegraphは12月31日、CryptoSlamの集計を基に、2024年のNFT販売額が約88億3,000万ドルだったと報じた。同記事は前年比で小幅な増加としているが、年末時点のデータに基づく報道であり、後日の修正を含む確定統計と同一視しない方がよい。

同報道で12月の販売額は8億7,700万ドルとされた。秋以降の回復を示す材料ではあるものの、年間を通じて一方向に市場が急拡大したという意味ではない。また、米ドル換算の販売額には、決済に使われる暗号資産の価格変動も影響する。

集計された販売額は、NFTの保有者全員が得た利益ではない。同じ作品が繰り返し売買されれば取引額が積み上がる一方、出品しても売れない作品は販売額に表れない。利用者の広がりを確認するなら、購入者数、取引件数、売買の集中度なども必要になる。

チェーンや作品を比較するときも、年次、月次、過去累計の数字を混ぜないようにしたい。特定コレクションの値上がりや高額落札から、市場全体の換金しやすさまでは判断できない。最低出品価格と実際の約定価格、手数料を差し引いた受取額を区別して見ることが大切だ。

Sonic SVMは1月7日のTGEを予定、初期流通は15%

Sonic SVMは12月31日の公式記事で、SONICのトークン生成イベントを2025年1月7日に予定していると説明した。ここで扱うのはSolanaの技術を利用するSonic SVMであり、Fantomから移行した別のSonicと混同しないようにしたい。

発表では総供給24億枚のうち、TGE時に15%が流通するとされた。単純計算では3億6,000万枚にあたる。また、コミュニティ向けとする57%は、開発支援などの枠、初回配布、HyperGridの報酬を合わせた割合である。すべてが初日に利用者へ配布される、という意味ではない。

公式の当時の内訳では、Ecosystem & Communityが30%、Initial Claimsが7%、Sonic HyperGrid Rewardsが20%だった。総供給に対する配分と、初期流通量に占める割合を混ぜると、市場に出る数量を読み違える。投資家やチームなどに対するロックと解除予定も、別途確認する項目になる。

TGEの実施とネットワークの完成も同じではない。公式ロードマップでは、Mainnet Alphaやその後の機能拡張が別の段階として示されていた。トークンの取引開始だけをもって、決済、ゲーム、橋渡し機能などがすべて本番で利用できると考えるべきではない。

FLock.ioはBaseでメインネットとFLOCKの開始を発表

FLock.ioは12月31日の企業発表で、Base上のメインネット開始と、FLOCKのTGEを告知した。分散型のAI学習に参加するデータ提供者、学習ノード、計算資源提供者などの協力を、トークン報酬で支える構想を説明している。

当時の発表には、報酬付きテストネットの参加者へのエアドロップも含まれていた。ただし、過去の参加に基づく配布と、現在新たに参加すれば得られる報酬は別である。古い開始告知を、そのまま今も有効な申請案内として利用することはできない。

AIとブロックチェーンを組み合わせる場合でも、学習モデルの性能が自動的に保証されるわけではない。報酬の配分や履歴管理の仕組みと、データの質、評価方法、モデルの実用性を別々に確かめる必要がある。大量のモデルが作成されたという数字だけで、すべてが実務に役立つともいえない。

サービスの持続性を見るなら、報酬を受け取る参加者だけでなく、費用を払って学習や推論を利用する需要にも注目したい。トークンの新規発行を原資にする報酬と、顧客からの売上で賄う報酬では、成り立ちが違う。事業の成長とトークン価格の上昇を同じものとして扱わないことが重要になる。

FalconXによるArbelos買収は後日の正式発表を補足

【後日追記】FalconXは米国東部時間2025年1月2日16時、日本時間では1月3日6時に、暗号資産デリバティブを手掛けるArbelos Marketsの買収を発表した。この記事の当初公開時刻より後の情報であり、年始に伝えられていた交渉段階の話とは区別して確認できる。

同社は買収をデリバティブ事業の拡大に結び付けて説明している。現物の売買と、先物・オプションなどによる価格変動リスクの管理は異なる機能である。事業者の統合が進んだからといって、一般利用者向けの暗号資産が一律に安全になったり、価格が上がったりするわけではない。

2025年の見通しを読む際には、このように制度の開始、企業の発表、将来の計画、市場参加者の予測を分けたい。L1・L2の成長予測やETHの強気目標も、前提条件を伴う見方である。確定した日程と、将来の値動きへの期待を同じ確度で受け取らないことが、年始のニュースを整理する助けになる。

よくある質問

Q. IRSの一時措置で2025年の暗号資産取引が免税になりましたか?

A. 免税措置ではありません。一定のブローカー保管資産について、売却する取得分を特定する方法に関する一時的な救済でした。

Q. スイスは年末にBitcoin購入を決めましたか?

A. ここで取り上げたのは憲法改正を求める市民発議です。中央銀行による購入決定とは異なります。

Q. SONICのコミュニティ配分57%は初日に配られる数量ですか?

A. 違います。複数の配分枠を合わせた割合で、TGE時の初期流通は総供給の15%と案内されていました。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。