2024年11月11日暗号資産ニュース|上場予定とBTC保有を検証

2024年11月11日の旧記事は、ビットコインの値上がり、NFT市場、取引所の新商品、翌週までのイベントをまとめていた。ただし、保有資産の基準日や取引所名、商品区分に混同がある。今回は企業開示と運営者の告知を中心に読み直し、当時発表されていた予定と、後から判明した情報を分けて整理する。

MicroStrategyの25万2,220BTCは9月末の数字

MicroStrategyが10月30日に発表した第3四半期決算では、9月30日時点の保有量は約25万2,220BTCだった。取得原価は99億400万ドル、同日の市場価値は160億700万ドルとされる。旧記事に登場する枚数は、この基準日の開示と一致するが、11月11日の最新残高として日付なしに示すべきではない。

同社が米国日付11月11日に公表した更新では、10月31日から11月10日の間に約2万7,200BTCを約20億3,000万ドルで購入し、11月10日時点の合計は約27万9,420BTCとなった。ここでは当日の米国発表を追加情報として示し、日本時間11月11日午前に公開された旧記事が、その内容まで把握していたとは扱わない。

旧稿の「100億ドル以上の含み益」という説明にも、価格を観測した時刻と計算対象の保有量が必要である。仮に古い保有量に新しい市場価格を掛ければ、その時点の概算評価額は作れるが、実際の最新保有資産の評価とは限らない。取得原価との差額は、売却して得た現金収入や会社全体の純利益とも異なる。

また、企業が保有するBTCの価値と、企業の株式時価総額は別の数字だ。負債や他の資産、株式発行などを省いて「BTCの値上がり分がそのまま株主の利益になる」と解釈しない。今回の訂正では、時点の異なる保有枚数を一つの数字として扱わないことを優先した。

CoinbaseのSLRは白銀、XLMとは異なる原資産

Coinbaseは10月31日の公式記事で、Coinbase Derivativesが11月11日にSilverとStellarの先物を導入すると発表していた。Silverの契約サイズは白銀50トロイオンス、Stellarは5,000XLMである。SLRはここでは白銀先物の表記であり、同じ略号を使う暗号資産の上場ではない。

旧記事では二つの商品が仮想通貨ニュースの中に並んでいたため、どちらもトークンの売買開始のように読めた。対象となる資産が金属なのか暗号資産なのかに加え、現物取引なのか先物契約なのかを区別する必要がある。先物への対応を、通常の現物取引画面で対象資産を購入できるという意味に読み替えない。

公式記事は、提携プラットフォームで取引できる時期の詳細を後から共有するとしている。取引所が商品を導入する日と、個々の利用者が契約するサービスで利用可能になる日は一致するとは限らない。11月11日という日付だけで、全地域・全口座に同時開放されたと説明することも避けたい。

契約サイズは取引単位であり、利用者が支払う手数料や必要証拠金の額を表してはいない。商品名、原資産、単位、提供先を別々に読むと、見出しだけでは見落としやすい条件を整理できる。

ZULUの確認できた11月11日告知はMEXC

MEXCが11月9日に出した公式告知では、Zulu Network(ZULU)をInnovation Zoneに追加し、ZULU/USDTの取引を11月11日10時UTCに開始する予定としていた。日本時間では同日19時に当たる。出金は翌11月12日10時UTC、つまり日本時間19時開始と案内され、売買と出金の日程が分かれている。

旧記事はこれをBinanceの上場として記載していたが、その内容を裏付ける同日の公式告知は今回確認できなかった。したがって、確認できたMEXCの予定に訂正する。MEXCの発表があることを根拠に、別の取引所でも同時に上場したと推論することはできない。

この告知にはZULUの公式サイトとコントラクトへのリンクが用意されている。名前やティッカーだけで対象を判断せず、発行元とチェーン上の識別情報を一致させることが重要になる。また、当時の開始予定を紹介するものであり、現在も同じ市場で取引できるか、どの地域から利用できるかを保証する情報ではない。

CryptoPunksとBAYCの順位は調査範囲を付けて読む

CoinGeckoの調査では、2022年1月1日から2024年10月27日までを対象に、月平均時価総額の上位NFTコレクションを比較している。この期間を通して月次トップ10入りを継続したのがCryptoPunksとBored Ape Yacht Clubだった。旧稿の「2022年以降ずっと」という表現には、この集計終了日を付ける必要がある。

時価総額は、日々のドル建てフロア価格にNFTの総供給数を掛けて算出している。これは取引成立額を合計した売上高ではない。各NFTには属性や希少性の違いがあり、全作品をフロア価格で同時に売却できることも意味しない。ランキングが高いことと、希望する価格で売れることは分けて考えたい。

また、同研究の市場シェアには対象コレクションの選定条件があり、CoinGeckoの現在のグローバル統計ページと算定方法が異なる旨も明記されている。過去の調査表と今日のチャートを直接つなげて、シェアが急増・急減したと結論づける前に、分母が同じか確認する必要がある。

旧記事の週間売買額や購入者の90%超減少については、集計の開始・終了日時と対象チェーンを再現できなかったため、今回は確定値として残していない。仮に購入者アドレス数が減ったとしても、それだけで市場が成熟したとは判断できない。一人が複数アドレスを使う場合もあり、アドレス数をそのまま実人数とみなすことにも限界がある。

Devconの日程とトークン解除予定を同列に扱わない

Devconの公式案内では、Devcon SEAは2024年11月12日から15日にバンコクで開催される日程だった。これは開発者やコミュニティが集まる会議の予定であり、特定トークンの価格上昇を約束するイベントではない。旧稿の週間予定のうち、主催者情報で日程を確かめられるものとして残した。

一方、APTやCHEELについて旧稿が並べたドル換算の解除額には、対象枚数、受取区分、参照価格、集計時刻の説明が欠けていた。ロック解除予定枚数が同じでも、ドル換算額は価格によって変わる。数字の大きさだけでは、既存の流通量に対してどの程度の規模なのかも比較できない。

解除は、制限されていたトークンが移転可能になる仕組み上の出来事であり、解除と同時に同量が市場で売却されたことを示すものではない。会議開催、供給スケジュール、売買の実行はそれぞれ異なる情報である。今回、根拠を再確認できなかった解除額と、NFTCONの「初の世界会議」という形容は再掲載を見送った。

香港の仮想資産指数は10月発表、11月15日開始予定

香港取引所(HKEX)は10月28日、BTCとETHの価格の指標となる仮想資産指数シリーズを発表していた。稼働予定日は11月15日である。旧記事は11月15日に「発表する」としていたが、公表日と利用開始予定日を取り違えていた。

HKEXは、世界の取引所で異なる価格が付く仮想資産について、アジア時間帯の参照価格を提供する狙いを説明している。指数は価格を比較する基準であり、その指数の公表自体がBTCやETHの新たな現物上場になるわけではない。価格の算定方法と、実際に注文できる市場も区別する必要がある。

指数整備を「価格が安定する保証」と解釈することもできない。基準が明確になれば比較はしやすくなるが、資産そのものの値動きや取引先のリスクがなくなるわけではない。金融インフラの発表は、その機能と対象を具体的に確認することで、期待を過大に広げずに理解できる。

価格予測・訴訟・政策協力にはそれぞれ別の根拠が必要

旧稿には2025年1月のBTC価格予測も登場したが、1月は大統領選の再選投票が行われる時期ではなく、新任期の就任時期である。米国立公文書館の日程では、2024年の投票日は11月5日、就任日は翌年1月20日となっている。予測対象の出来事を取り違えたまま目標価格だけを紹介しない。

また、FTX側の資金回収訴訟は、仮に提起が確認できても回収の完了とは異なる。政治家への政策協力を表明したという話題も、政府による正式な任命や法案成立を意味しない。旧稿に混在していた事件、人物の発言、技術プロジェクトの初期公開については、それぞれの一次資料を示せる範囲を超えて成果を断定しない形に改めた。

よくある質問

Q. ZULUは11月11日にBinanceへ上場したのですか?

A. 今回確認できた公式告知はMEXCのZULU/USDT取引開始予定です。旧記事のBinanceという記述は裏付けが確認できず訂正しました。

Q. CoinbaseのSLRは暗号資産ですか?

A. この発表のSLRは白銀先物を指し、契約サイズは50トロイオンスです。StellarのXLM先物とは原資産が異なります。

Q. NFTの時価総額は実際の売買額ですか?

A. 今回のCoinGecko調査ではフロア価格と供給数から算出した評価指標です。一定期間に成立した取引の合計額とは異なります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。