2024年12月17日前後は、NFT関連のトークン展開と、暗号資産を金融の仕組みに組み込む動きが重なった時期でした。Rippleは米ドル連動型のRLUSDの提供開始を案内し、各国ではビットコイン準備をめぐる議員の提案や質問が注目されました。Hyperliquid周辺では、取引基盤に加えて新しいトークンを展開する仕組みにも関心が集まっています。
これらを一括して「採用が決まった」「市場が回復した」と捉えると、実施済みの事実と期待が混ざります。本記事では12月中旬の情報を振り返り、開始日があるサービス、政策上の提案、分析者の相場予測を区別します。後年に追加された機能を、当時から使えたものとして扱わないことも重要です。
MEとPENGUの展開、OpenSeaをめぐる期待
ME Foundationは12月10日、MEトークンの開始を発表しました。発表には、Magic Edenのモバイルアプリを通じた展開や、ステークした利用者が参加するQuestsも含まれています。NFT取引サービスに関係するトークンですが、個々のNFT作品そのものとは別の資産です。トークンの配布と、NFTの売買需要が継続的に増えることは同じではありません。
Pudgy Penguinsに関係するPENGUについては、BitMartの上場案内で12月17日14時UTCの取引開始が示されていました。日本時間では同日23時です。したがって、日本時間の17日昼に読むニュースでは、その取引所の開始予定を既に終了した出来事として書くことはできません。発表日だけでなく時差も確認する必要があります。
OpenSeaでは、財団のケイマン諸島での登録を受け、トークンやエアドロップへの期待が広がったと当時のメディアが報じました。ただし、法人・財団の登録から、配布日、対象ウォレット、割当額が決まったとはいえません。MEの開始、PENGUの上場予定、OpenSeaへの期待は、確定度の異なるニュースです。
BTC準備の議論は国ごとの手続き段階を見る
米国では、2024年7月31日にBITCOIN Actとして知られるS.4912が上院に提出されました。ブラジルでも、国家によるビットコイン準備を扱う法案PL 4501/2024が提出されています。こうした議会への法案提出は、政策として議論するための段階であり、政府が既に購入を実行したことを示すものではありません。
日本で注目されたのは、浜田聡参議院議員が12月11日に提出した、米国などのビットコイン準備金導入の動きに関する質問主意書です。参議院の記録では内閣への転送が16日、答弁書の受領が20日となっています。17日時点の出来事として紹介できるのは質問が提出されたことであり、日本政府が準備資産としての採用を決めたという話ではありません。
国名だけを並べて「国家による購入が進む」とまとめると、議員の提案と政府の方針、さらに実際の保有が混同されます。確認する順序は、発言者や提出者、文書の種類、審議・決定の段階、購入や管理の具体的な権限です。準備資産を検討する議論が存在することと、その資産へ公的資金が流れたことは別々に確かめる必要があります。
Bitfinexの2025年見通しは複数の予測を区別
Bitfinex Alphaは12月16日の年末レポートで、2025年の第3〜第4四半期に相場のピークが来る可能性を示しました。過去のサイクルや半減期後の値動き、ETFを通じた需要などを踏まえた見通しです。これは同社による当時の分析であり、将来の高値やその時期が決定していたという意味ではありません。
数値にも違いがあります。同レポートは、特定のモデルから見たサイクル高値として14万5,000〜18万9,000ドルを紹介する一方、好条件下で20万ドルへ届く可能性にも言及しています。異なるモデルや条件を単純に一つの確実な価格帯へまとめると、予測の意味が変わってしまいます。
過去の半減期から高値までの期間は、次の相場にも同じ日程が適用される保証ではありません。また、機関投資家の参加が増えても、売却や資金流出が起きなくなるわけではありません。強気の見通しを読む際は、到達時期、条件、途中の変動に関する想定までを一緒に見ると、目標価格だけが独り歩きするのを防げます。ここで紹介するのは2024年末の予測です。
Hyperliquidの取引基盤とEVMへの期待
Hyperliquidは、独自のブロックチェーン上で現物や無期限先物の取引を扱う仕組みとして注目されていました。技術資料のHIP-1は、数量の上限を持つトークンとオンチェーンの現物注文板を定義しています。現物取引の仕組みがあることと、一般的なスマートコントラクトを動かす環境が稼働していることは分けて考える必要があります。
時系列の補足として、HyperEVMの最初のメインネット公開は2025年2月18日と報じられています。2024年12月の成長期待を振り返る際、後に動き始めたEVM環境を、その時点で既に拡大済みの実績に含めるのは適切ではありません。開発への期待と、稼働後の利用状況を区別すると、当時の評価が何に依存していたかが分かります。
HYPEの価格や時価総額だけでも、取引基盤の価値をすべて説明することはできません。取引量は一定期間の売買活動、手数料はその活動に伴う収入、時価総額は価格と供給量に基づく評価です。それぞれ単位も測定期間も異なります。継続的に使われるサービスかどうかを見るには、短期の価格上昇と実際の利用を別の指標として追う必要があります。
Hypurr Funはトークン展開の仕組みとして理解する
12月16日付のBlockBeats配信記事は、Hypurr Funと、そこから生まれたFarmトークンを取り上げていました。関心を集めたのは、新しいトークンをHyperliquidの現物市場へ展開するため、参加者の資金や需要を集める仕組みです。「クラウドファンディング」という呼び方だけでは、参加者が何を受け取り、どの段階で売買できるのかまでは分かりません。
構造を理解する補足として、HyperliquidのHIP-1資料ではトークン展開の費用がダッチオークションで決まる仕組みが説明されています。一般にこの方式は、提示される価格が時間とともに下がる形式です。ただし、技術資料は更新されるため、現在の料金や通貨単位を2024年12月の条件へそのまま当てはめるべきではありません。
資金を集める段階、トークンを展開する段階、現物の注文板で売買する段階には、それぞれ異なる条件があります。市場に登場した後も、希望する価格で十分な数量を売れるかは注文の厚みに左右されます。あるトークンの評価額が急上昇した事例だけを根拠に、次の銘柄にも同じ結果が見込めるとはいえません。開始の仕組みと投資の収益性は切り分けて読む必要があります。
RLUSDは12月16日に告知、17日から提供開始
Rippleは12月16日、RLUSDを翌17日から取引プラットフォームなどで提供すると発表しました。当初の対応先にはUphold、Bitso、MoonPay、Archax、CoinMENAが挙げられ、その他の取扱先は順次追加する計画でした。17日が構想の初発表日ということではなく、提供開始の日程として案内された点を押さえておきましょう。
同社はRLUSDの裏付けを米ドル預金、米国債、現金同等物と説明し、独立した会計事務所による準備資産の第三者証明を毎月公表する方針を示しました。対応チェーンとして挙げられたのはXRP LedgerとEthereumです。これらは発行・提供の仕組みに関する説明であり、RLUSDとXRPが同じトークンになったという意味ではありません。
準備資産についての証明は、どの時点の何を対象に確認したものかを読む必要があります。将来のあらゆる取引や換金を保証するものとは区別されます。また、米ドルへの連動を目指す資産でも、日本円で評価する場合には為替の影響を受けます。利用する地域やサービスが対応しているか、送付先がどのネットワークを受け付けるかも、提供開始のニュースとは別に確認すべき条件です。
よくある質問
Q. 日本は2024年12月17日までにBTC準備の導入を決めましたか?
A. ここで紹介する参議院の記録は、議員による質問主意書の提出です。政府の採用決定や購入実績を示す資料ではありません。
Q. OpenSeaの財団登録でエアドロップは確定したのですか?
A. 当時の登録報道だけでは、トークン配布の有無や日程、受取条件までは確定しません。期待や推測を正式な配布案内と混同しないことが重要です。
Q. RLUSDとXRPは同じ資産ですか?
A. 異なる資産です。RLUSDは米ドルへの連動を目指すステーブルコインで、開始時の発表ではXRP LedgerとEthereumで提供すると説明されました。
この記事の出典
- ME Foundation:ME開始の公式発表
- BitMart:PENGUの上場時刻
- BeInCrypto:OpenSea財団登録とトークンへの期待(2024年12月14日)
- 米政府刊行物:S.4912の提出記録
- ブラジル下院:PL 4501/2024本文
- 参議院:ビットコイン準備金に関する質問主意書の記録
- Bitfinex Alpha:2024年12月16日の2025年見通し
- Hyperliquid:HIP-1技術資料(更新を含む)
- The Block:HyperEVMの2025年2月のメインネット公開
- BlockBeats配信:Hypurr Funをめぐる2024年12月16日の記事
- Ripple:RLUSDの12月17日提供開始を告知
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




