2023年3月23日、本サイトはRage.Fan(RAGE)、Elpis Battle(EBA)、Genesis Shards(GS)を「時価総額10万ドル未満」のNFT関連銘柄として紹介しました。ただし、価格が付いていた三つのトークンは、個別のキャラクターや会員証などのNFTそのものではありません。NFTを使うサービスの中で、支払いや参加、運営方針の投票などに用いる交換可能なトークンです。
当時の数値だけで将来性を判断することはできません。ここでは2023年3月の記事の対象を保ち、プロジェクトが公表していた仕組みと、2026年9月27日に確認した情報を分けて説明します。
2023年3月の紹介は、NFT関連トークン三種の記録
旧記事はRAGEを約7.8万ドル、EBAを約7.8万ドル、GSを約9.8万ドルの時価総額として掲載していました。しかし、数値を取得した正確な時刻、流通量の根拠、採用した取引市場までは示していません。今回の調査では同じ条件の過去データを再現できなかったため、これらを検証済みの市場順位や現在の評価額として扱いません。
三者は事業内容も異なります。Rage.Fanはスポーツの結果などを使うファンタジーゲーム、Elpis BattleはNFTの英雄を使うターン制RPG、Genesis Shardsは取引開始前のトークンに関係する権利をNFTで扱う構想でした。「NFT関連」という分類だけでまとめると、遊ぶための道具と、売買や参加に使うトークンの違いが見えにくくなります。
たとえばEBAを保有することと、特定の英雄NFTを保有することは同じではありません。同様にGSの残高だけから、個別案件のトークンを受け取る権利があるとは判断できません。どの資産を取得し、何に使えるかを個別に読む必要があります。
RAGE:ゲーム内利用と投票を想定したトークン
Rage.Fanの2021年2月26日の公式説明は、RAGEをゲーム内で使う通貨と、コミュニティの意思決定に使うトークンとして位置付けています。参加料金や順位別の報酬などを投票の対象とする設計を説明していました。これは当時公表した用途であり、保有者全員が利益を得るという約束ではありません。Ethereum上の公開コントラクトも、RAGEをERC-20トークンとして扱っています。
NFTとの関係は、同年4月28日の運営発表に具体例があります。テニスを題材に、RAGEのステーキングでNFTにアクセスし、NFTを使って大会に参加する企画を告知していました。そこではRAGEという共通の単位と、選手を題材にした個別NFTが別々に登場します。告知した企画の仕組みと、その後の全参加者の収支は分けて考える必要があります。
旧記事にあった「2億人超のユーザー」「インド最大」「参加者の利益を保証」という記述を裏付ける一次資料は確認できませんでした。また、Etherという暗号資産がゲーム運営の公平性を保証するわけでもありません。ブロックチェーンに記録を残せることと、対戦条件や報酬設計が妥当であることは別の問題です。
EBA:英雄NFT、ゲーム内報酬、運営参加を分ける
Elpis Battleの公式資料では、英雄などのNFTに加え、EBAとMEGという異なるトークンが登場します。2021年11月のNFTステーキング告知は、英雄NFTを預ける仕組みと、そこから配るEBAを区別していました。NFTを保有している状態、預けている状態、報酬トークンを受け取った状態では、それぞれ権利と操作が異なります。
2022年2月26日の「Chapter 1」の説明によると、ダンジョンの戦闘で得る報酬にはCoin、eStone、MEGが含まれます。英雄を増やすRecruitment機能は、最初の30日間にMEGとEBAを使い、その後はMEGだけにするという条件でした。このように利用時期によってトークンの用途を変える設計であり、ゲームで得る報酬をすべてEBAと呼ぶのは不正確です。
同年のロードマップではEBAによるガバナンス機能の導入も予告しています。ただし、ロードマップの掲載だけでは、予定した時期に全機能が実装されたとまでは確認できません。旧記事の「杭打ち」はstakingの不自然な訳で、資産を一定の仕組みに預ける意味です。預ける操作そのものが、元本や報酬の市場価値を保つ仕組みではありません。
GS:トークンとNFTで表す権利は別のもの
Genesis Shardsが2021年4月14日に公表したトークン設計は、GSをERC-20・BEP-20互換のトークンと説明しています。一方、Genesis Access NFTはネットワークへの参加権を扱う別の資産で、GSと交換する仕組みが示されていました。さらに、GSには手数料の軽減や運営方針への投票という用途が挙げられています。
事業の中心構想は、移転に時間的な制限があるトークンをNFTで包み、取引開始前の権利を扱う市場をつくることでした。IDOは分散型取引所などを利用した初期のトークン販売を指し、pre-IDOはその前段階です。旧記事の「プレNFTモビリティ」という表現では、この権利と取引時期の関係が伝わりません。
この仕組みが目指すのは、従来売りにくかった権利を移転しやすくすることです。ただし、NFTにしただけで買い手が現れるわけではなく、対象のトークンが予定どおり発行・引き渡しされるとも限りません。また「Polkadotを活用する」という構想説明と、GS自体のトークン規格は区別が必要です。特定チェーン上で全機能が稼働していたと読み替えることはできません。
時価総額が小さくても、売買できる量は分からない
CoinMarketCapは、暗号資産の時価総額を参照価格と流通供給量の積として説明しています。たとえば仮に単価が0.01ドル、流通量が800万枚なら、計算上の時価総額は8万ドルです。これは説明用の数値で、RAGE・EBA・GSの実測値ではありません。そして8万ドルは、売却に応じる買い手が用意した資金の額でもありません。
実際の売買のしやすさを示すのが流動性です。注文板の買い注文が薄ければ、少量を売るだけでも約定価格が大きく下がります。取引履歴に最後の価格が残っていても、自分が持つ数量を同じ価格で売れるとは限りません。一定期間に成立した売買の合計である取引高も、今この瞬間に残っている注文量とは異なります。
小さな単価、低い時価総額、少ない取引高は、いずれもそれだけで割安さを示すものではありません。特に旧記事のような小規模トークンの比較では、流通量の確認時点、価格の取得元、売買が成立した日時を併せて見る必要があります。NFTコレクションの最低出品価格と発行点数から推計する評価額も、今回のトークン時価総額とは計算対象が異なります。
2026年に確認できた資料と、確認できなかった稼働状況
2026年9月27日の調査では、各プロジェクトの過去の公式発表や説明記事は確認できました。一方、Rage.Fanの旧公式サイトは取得できず、最新のゲーム運営状況を裏付ける案内は確認できていません。閲覧できないという結果だけから、プロジェクト全体の終了を断定することも避けています。
Elpis Battleの旧公式ドメインelpis.gameは、今回の閲覧でドメインオークションの案内を表示しました。そのため過去の発表に載るゲーム参加先としては案内しません。Genesis Shardsも過去のトークン設計は読めますが、現在のNFT交換、権利の引き渡し、サポートの稼働までは確認できませんでした。
旧記事に載っていたGate.io、Bitbns、PancakeSwapなどの名称も、現在の取引ペアや入出金、日本居住者向け提供を保証する情報ではありません。本稿では購入先として推奨せず、古い取引リンクを削除しました。公開資料やチェーン上の記録が残ることと、利用可能なサービスが継続することは区別して読む必要があります。
よくある質問
Q. RAGE、EBA、GSはNFTですか?
A. 三つとも交換可能なトークンで、各事業が扱った個別NFTとは異なります。英雄NFTや参加権NFTの保有と、トークン残高を同一視できません。
Q. 時価総額10万ドル未満なら将来値上がりしますか?
A. 時価総額の小ささから値上がりは判断できません。価格と流通量による計算値であり、買い手の数や売却可能な金額を表してはいません。
Q. 2023年の記事にあるゲームや取引先を今も使えますか?
A. 本調査では三案件の現在の提供条件や取引可否を確認できていません。Elpisの旧ドメインは別の案内を表示しており、過去の記事を現在の参加手順には使わないでください。
この記事の出典
- Rage.Fan:RAGEのガバナンス用途(2021年2月26日)
- RAGEFAN:テニスNFT企画の発表(2021年4月28日)
- Etherscan:RageTokenの公開コントラクト
- Elpis Battle:NFT Hero向けEBA配布の告知
- Elpis Battle:Chapter 1の機能説明(2022年2月26日)
- Elpis Battle:2022年ロードマップ
- Genesis Shards:Tokenomics and Utility(2021年4月14日)
- CoinMarketCap:Market Dataの計算方法
- CoinMarketCap:流動性とスリッページの説明
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




