リアルト合同会社は2023年3月28日、声優・ナレーターの小松史法氏の公式サイトをWebflowで改修したと発表しました。音声サンプルと出演実績の見せ方を整えるとともに、本人側がニュースを更新しやすくすることや、問い合わせをまとめて管理することを狙った制作事例です。
当時の説明には工数削減への期待が含まれますが、実測結果とは分けて読む必要があります。また、2026年9月27日に確認した公式サイトの公開HTMLにはWordPress関連の構成が見られます。Webflowで制作した経緯と、現在の運用環境が同一とは限らない点も含めて整理します。
2023年3月の改修で解消しようとした運用上の課題
公式プレスリリースの本文は、改修日を2023年3月25日と記しています。一方、副題は3月26日リリース、PR TIMESでの発表日は3月28日です。日付表記にずれがあるため、本記事では3月の改修事例として扱い、本文に記された改修日と告知日を区別しています。
背景として紹介されたのは、既存のWordPress管理画面が使いづらい、ニュースの更新が滞る、プラグインや保守を含めて管理が難しい、といったこのサイトでの課題でした。そこでWebflowによる制作とホスティング、CMSを組み合わせ、情報を編集する作業を簡単にしようとしました。CMSは、ページの見た目を毎回作り直さず、ニュースや実績などを登録・更新する仕組みです。
ここからWordPress全般が更新しにくい、あるいは大規模サイトに適さないと結論付けることはできません。今回の説明は特定サイトの管理方法と利用者の経験に基づきます。管理画面の設計、担当者の権限、更新対象の整理なども使いやすさに関わるため、製品名だけを変更すれば同じ問題が必ず解決する事例ではありません。
声を聴く、実績を探す、依頼するという情報設計
デザイン全体は、小松氏の印象に合わせて飾りすぎない構成を目指したと説明されています。その一方、メニューの選択時には立体的に展開するような動きを取り入れました。サイト全体の簡潔さと、操作時の演出を分けて考えた設計です。
仕事を依頼する側にとって重要なボイスサンプルには、再生を制御するサウンドプレイヤーと、セリフを読める表示が用意されました。声の印象を音だけで確かめるだけでなく、どの文章を話しているかも追える構成です。現在公開されているページにも、ナレーションやセリフのサンプル名、音声ファイルへの参照、本文の表示を確認できます。ただし、今回すべての音声を再生して機器別の動作を検証したわけではありません。
バイオグラフィーは、出演作品と役名に俳優の写真を組み合わせ、吹き替え先を思い出しやすくする意図でした。単に出演歴を長く並べるのではなく、声のサンプルから過去の仕事、依頼先へ進めるように情報を配置した点が、この改修を理解する手掛かりになります。
問い合わせの集約は、フォーム表示だけでは確認できない
発表では、問い合わせメールが他の連絡に埋もれる問題に対し、WebflowとZapierを連携させ、Googleスプレッドシートへ情報を集約したと説明しています。Zapierはサービス間の処理をつなぐ役割で、この事例では問い合わせ内容を後から一覧で追えるようにする設計でした。
ここで区別したいのは、フォームが画面に存在すること、送信が受け付けられること、内容が連携先へ保存されることです。最後の保存処理まで確認するには管理側の記録が必要で、公開ページを読むだけでは分かりません。本記事の調査では問い合わせを送信せず、個人情報の入力もしていません。2023年に説明された連携が現在も同じ形で動くかは未確認です。
類似の仕組みを導入するときも、表への転記だけで問い合わせ対応が完了するわけではありません。誰が新着を確認するか、返信済みかどうかをどこで管理するか、連携が止まった際に気付けるかを決める必要があります。これらは今回のサイトで実装済みと確認した機能ではなく、発表された集約方式を運用に結び付ける際の確認事項です。
30%の工数削減は期待値、80%は別の作業の説明
元の発表は、デザイン、動きの試作、HTML実装、サーバー設定とCMSへの組み込みを分けて行う工程と、Webflowで制作して公開する工程を比較しています。制作の早い段階で動きを共有できること、ホスティングまで同じ環境で進められることを理由に、担当デザイナーは全体工数の30%に相当するコスト削減を期待できると述べました。
これは当該サイトの請求額や制作時間が実際に30%減ったという測定結果ではありません。作業時間の記録、比較対象、運用期間などの検証条件は示されていないため、他のサイトの見積もりにもそのまま当てはめられません。既存データの移し替えや独自機能が多ければ、別の作業が必要になります。
一方、制作会社の事例紹介は、AIツールを使った写真リソースの取得で手作業より80%の時間を削減したと説明しています。こちらも制作会社による説明で、サイト全体の工数削減率ではありません。30%という期待値と足し合わせたり、Webflow単独の効果として扱ったりしないことが重要です。
検索順位が上がったという結果も確認していません。SEOに必要な設定ができることと、特定の検索で上位になることは別です。この事例を評価するなら、本人が更新できた件数や更新に要する時間、問い合わせ管理の負担など、当初の課題に対応する記録を見る必要があります。
Webflowからの書き出しは、WordPressへの自動移行ではない
元記事には、ソースをエクスポートすればWordPress運用も可能という説明がありました。ただし、Webflowのデータを書き出しただけで、WordPressの投稿管理や問い合わせ機能まで自動的に完成するわけではありません。見た目を構成するコードと、サーバー側で動く機能を分けて考える必要があります。
Webflowの現行公式ヘルプでは、コードのエクスポートにCMSなどのデータベースや機能は含まれず、サイト内検索やフォームも書き出したサイトではそのまま動かないと説明しています。問い合わせを受けるには外部フォームなどを別途用意する必要があります。コード出力を完全なバックアップや運用環境の複製と捉えるのは不適切です。
このサイトのようにニュース、出演歴、音声を扱う場合、移行先でどの情報を投稿として更新するか、音声ファイルをどこに置くか、フォームの保存先をどうつなぐかが移行時の論点になります。画面が似ていても更新の仕組みは異なり得るため、公開ページの再現と管理作業の再現をそれぞれ確認する必要があります。
現在はWordPress関連の構成を確認、移行の詳細は不明
制作会社の事例紹介では、Webflowを実験的に採用し、今後WordPressへ切り替えて技術面と運用面の差を検証したいと述べています。その後の2026年9月27日に小松氏の公式サイトを確認すると、公開HTMLにWordPressのテーマやプラグインのファイル参照がありました。
このため、2023年にWebflowで制作・公開したことは確認できても、現在もWebflowだけでホスティングと更新を行っているとは説明できません。一方、公開コードからは移行日、契約内容、管理画面の使い方までは確定できません。制作会社が予告した比較検証の結果も、今回参照した資料では確認できませんでした。
過去の発表にあった5月末までの特別価格は、2023年当時の受注案内です。現在の料金や募集条件としては扱いません。この改修は、制作者向けツールの優劣を決める事例というより、声と出演歴を伝える画面、本人が編集する場所、依頼を管理する仕組みを一緒に見直した事例として読むと、今も参考になります。
よくある質問
Q. リニューアル日は2023年3月25日ですか、26日ですか?
A. 公式発表の本文は3月25日の改修、副題は3月26日リリースと記しています。発表自体は3月28日です。表記が一致しないため、本記事ではそれぞれの記載を分けています。
Q. Webflowを使うと制作費を30%削減できますか?
A. 30%は担当デザイナーが示した期待値です。このサイトの制作費や工数の実測値として確認された数字ではなく、他案件にも適用できる保証ではありません。
Q. 現在もWebflowだけで運用されていますか?
A. 現行の公開HTMLにはWordPress関連のテーマやプラグインの参照があり、Webflow単独の運用継続とは断定できません。移行日や内部の管理体制は未確認です。
この記事の出典
※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。




