米国市況:CPI前の様子見と金利4.1%

▽ 要約

市況 主要3指数はまちまち、調整残るが下値は堅い
金利 米10年は4.1%前後で小動き、今週は材料待ち
経済 11/11は債券休場、11/13に10月CPIを公表
暗号資産 ビットコインは$106,000接近、$100k台維持

米国市況はCPI前で様子見となり、10年金利4.1%前後の安定を受け株式はまちまち、一方でビットコインは$106,000に一時接近した。

市況総括

主要3指数はまちまちとなり、AI主導の調整が残る一方でディフェンシブが下支えしたため、週明けはCPI待ちの様子見が続いた。
前週はナスダックが「4月以来の週間安」となり投資家心理が冷えたが、ダウとS&P500は週末に持ち直し、今週は物価指標を見極める展開に移行。米10年債利回りは4.1%前後で安定し、バリュエーションへの圧力は限定的との見方が優勢。ビットコインは心理的節目の$100,000上を回復し、朝方に$106,000へ一時接近した。

レンジ・需給の見方

10年金利が4.0–4.2%に収まる限りバリュエーション圧迫は限定的なため、CPIが概ねインラインなら指数はレンジ維持が基本となる。
短期では決算発表の個別材料に指数が振らされやすいが、金利の安定はグロース株の下振れ圧力を和らげる。逆にCPIのサプライズ上振れで4.2%超へ跳ねると、年初来高値圏の銘柄に利益確定の連鎖が波及しやすい。

規制・政策アップデート

米政府の歳出交渉が進展との観測が出たため、足元のシャットダウン懸念は後退した。
財政不確実性の後退はリスク資産のボラティリティ低下に寄与しやすく、今週の物価・金利イベントに焦点が移っている。

企業・資金調達・プロジェクト動向

3Q決算は続き、11/10はBeyond MeatやPlugなどが発表予定のため、個別物色の影響が相場全体の方向感を左右しにくい。
ガイダンスの保守化や在庫調整の長期化が示されるとサプライチェーン関連に波及しやすく、指数寄与度の大きいメガテックの需給に注意したい。

イベント

11/11はベテランズデーで米債券市場が休場のため、流動性が薄い中で11/13の10月CPI公表を待つ地合いとなる。
週前半は主要マクロの予定が乏しく、短期筋は金利と為替の振れに連動した先物主導の値動きに警戒。短期国債入札の需給も金利に影響しやすい。

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▽ FAQ

Q. 10月分CPIの発表はいつ?
A. 2025-11-13 08:30 ET(22:30 JST)。米労働省BLSが公表予定。

Q. 11/11の休場はどの市場?
A. 株式は通常取引、米債券は休場。流動性低下で価格が振れやすい。

Q. 米10年債利回りの目安は?
A. 前週末は4.09%付近、足元は4.0–4.2%レンジが意識される。

Q. ビットコインの節目は?
A. $100,000の心理的支持を維持。朝方に$106,000へ一時接近した。

■ ニュース解説

金利が4.1%前後で落ち着いたため株式は方向感に乏しく、財政協議の進展観測もあって週明けはCPI待ちのムードが強まった。
投資家の視点:CPIのコア/住居寄与に注目し、10年金利が4.2%を超えるかを分岐と捉えるのが無難。イベント前はポジションの偏りと先物のスラストに注意。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:U.S. Bureau of Labor Statistics