1月25日 トークン化金とETFフロー、RWA焦点

▽ 要約

市況:BTC ETFは2026-01-23に-$104Mと5日連続流出
ETH:ETH ETFも同日に-$41.74M、ETHAが押し下げ
RWA:XAUTは$2.60B、金トークン全体は$5.19B
規制:米国の付利制限が「合成ドル」需要を論点化

米国ETFフローが弱含む一方、金トークンやRWAの伸長も観測され、次週FOMCと規制議論が暗号資産の選好を左右しやすい局面だ。

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米国ETFの資金フロー悪化で短期心理が揺れる一方、トークン化金の最高値更新など「非暗号ネイティブ」領域の動きも無視できない。結論として、フロー・規制・マクロの3点を同じ地図で読むほど見落としが減る。本稿は2026-01-23(米東)データと次週イベントを軸に論点を解説します

市況総括

ETFフローのマイナスと短期清算が交錯し、方向感はマクロイベント待ちになっている。

BTCの現物ETFは連続純流出となり、短期のリスク許容度を測る材料になった。SoSoValueによれば2026-01-23(米東)の総純流出は$104Mで、最大の流出はBlackRockのIBIT(-$102M)だった。AUMは$115.883B、累計純流入は$56.495Bとされ、構造的な資金の積み上がり自体は維持している。

ETHの現物ETFも流出基調が続き、指数的な買い需要の鈍化が意識された。SoSoValueによれば2026-01-23(米東)の総純流出は$41.7358Mで、BlackRockのETHAが単日で-$44.4925Mと押し下げ要因になった。一方でGrayscaleのETH(ミニ信託)が+$9.1571M、FidelityのFETHが+$4.3963Mと、商品間でフローの濃淡も出ている。

デリバティブ市場では、短時間の値動きがポジション整理を誘発しやすい。CoinAnkの集計では過去24時間の全網清算は$240Mで、内訳はショート$183M、ロング$56.2528Mとショート偏重だった。銘柄別ではBTCが$87.7024M、ETHが$61.1106Mで、主要2銘柄が清算の中心になった。

トークン化金は、コモディティ高を背景に「リスクオフの受け皿」として存在感を増している。Coingeckoデータとして、Tether Gold(XAUT)の時価総額は$2.60B($2,600,883,164)に達し、金トークンのセクター合計も$5.19B($5,189,004,214)で過去最高とされた(24時間+1.3%)。現物の金・銀が上昇する局面では、暗号資産内でのヘッジ需要がどこに向かうかも観察点になる。

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規制・政策アップデート

ステーブルコインの付利を巡る議論は、規制内外で資金が分断されるリスクを示す。

米国の暗号資産関連法案では「利回りをどう扱うか」が争点になっている。報道ベースでは、CLARITY Actが想定する安定币の收益制限が、規制準拠のドル建て安定币から資金を押し出し、オフショア商品や「合成ドル」への需要を強める可能性が指摘された。GENIUS Actの枠組みではUSDCなどの決済型ステーブルコインを「デジタル現金」と位置づけ、現金や短期米国債での全額裏付けと、直接の付利を認めない設計が前提になっている。

マクロ面では、金融政策と政治要因が同時に材料化しやすい。市場関係者のX投稿として、BlackRockの債券投資責任者Rick Riederが次期FRB議長に就く確率が59.9%まで上昇したとの見方が示され、RWAのオンチェーン化やETHに追い風になる可能性が語られた。ただし、これは当局の公式発表ではなく、現時点では観測情報として取り扱う必要がある。

次週はFOMCを中心に、金利観測を揺らしうるイベントが集中する。PANewsが示した予定では、2026-01-29 04:00 JSTにFOMCの政策判断(声明)、04:30 JSTにパウエル議長会見が控えるほか、2026-01-28 00:00 JSTの米消費者信頼感指数なども注目指標に挙げられた。政策の不確実性が高いほど、暗号資産では「利回り」と「規制準拠」のトレードオフが強く意識されやすい。

企業・プロジェクト動向

投機熱の受け皿を作るチェーン設計が、短期のトラフィックを中長期の収益に転換できるかが問われる。

ミーム市場を巡っては、個別トークンの当たり外れ以上に「構造の非対称性」が問題になる。BNB Chainを扱った分析では、高収益ミームの82.8%が人為的に操作されている可能性があるとし、散ること前提の“円錐”構造でリテールが不利になりやすいと論じた。そのうえで、BNB ChainがFour.Memeなどの発射面やウォレット導線、流動性供給を通じて投機エネルギーをエコシステムに回収する設計を進めている点を「将計就計」と表現している。

一方、ETHを巡る投資家コミュニケーションは、マクロとユースケースを絡めた物語が目立つ。Liquid Capital創業者の易理华(JackYi)はXで、利下げ局面では暗号資産の強気相場を見込み、ETHがBTCを上回る可能性があると述べた。具体的には、ETHを$3,000前後で買い進めていること、借入を伴う運用でも$1,000以上なら安全域と試算していること、過去に$4,500で一度ポジションを落としたのは「段階的リスク」を見たためだと説明している。個別の見解ではあるが、安定币のグローバル化や金融のオンチェーン化がETH需要につながる、という主張は規制議論とも接続しやすい。

資本市場の構造論としては「成長果実が誰に配分されるか」が再度問われている。Citrini Researchの論考は、優良企業の上場遅延でVCが初期成長のリターンを取り込み、IPO後に個人投資家が相対的に不利になりやすいと主張した。例として、米国の適格投資家要件として純資産$1,000,000(自宅除く)や年収$200,000の基準に触れ、成長企業の株式が一般投資家に届きにくい現実を指摘している。RWAや資産のトークン化はアクセス拡大の可能性を持つ一方で、規制設計次第では同様の「入口の格差」を再生産しかねない。

今後の注目点

次週はFOMCと金利指標に加え、ETFフローと規制議論の相互作用を確認したい。

短期の観測項目は、(1) BTC/ETH ETFの連続流出が止まるか、(2) 清算偏重が反転しボラが再拡大するか、(3) 金トークンやRWAが「リスク回避の代替」として買われるか、の3点だ。特にETFは累計流入が大きいだけに、日次の流出がセンチメントに与える影響が相対的に大きくなる局面がある。

マクロのイベントリスクは、時間帯まで含めて把握しておきたい。PANewsのカレンダーでは、2026-01-29 04:00 JST(FOMC声明)と04:30 JST(会見)が最大イベントで、2026-01-30 22:30 JSTの米PPIなどが続く。政治要因として次期FRB議長人事への思惑も報じられており、金利観測のブレが暗号資産のリスク・プレミアムに波及し得る点には注意が必要だ。

▽ FAQ

Q. BTC現物ETFのフローは?
A. 2026-01-23(米東)は総計-$104Mで、IBITが単日-$102M。

Q. ETH現物ETFのフローは?
A. 2026-01-23(米東)は-$41.74Mで、ETHAが単日-$44.49M。

Q. XAUTの規模は?
A. XAUTは$2.60B($2,600,883,164)で、24時間+1.3%とされた。

Q. ステーブルコイン規制の争点は?
A. CLARITY Actの付利制限が合成ドル需要を促す可能性が論点。

Q. 次週の最大イベントは?
A. 2026-01-29 04:00 JSTのFOMC声明と04:30 JSTの会見が焦点。

■ ニュース解説

米国ETFのフロー悪化が短期心理を冷やす一方、金トークンの拡大やRWA期待が別軸の資金需要を示しているため、マクロと規制の2変数が重要になる。
投資家の視点:日次フローや清算に過度反応せず、FOMC後の金利観測、付利規制の方向性、エコシステムの収益源の質を並行して点検したい。

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

(参考:CoinGecko