▽ 要約
市況:金銀急伸、BTCは9万ドル手前で様子見。
企業:Tetherが金140トンとUSATで米市場へ。
論点:金トークンの流動性とカストディ信頼が焦点。
リスク:商品perp拡大でCFTC規制が意識される。
金価格の急騰を受け、Tetherの金戦略と金連動トークン、そして金・銀perpの拡大が同時に注目されている。

「金の急騰は暗号資産市場にどう波及するのか」という問いに対し、2026-01-29時点の結論は、トークン化黄金が“決済・担保・取引”の文脈で存在感を増す一方、規制とカストディのリスクが上振れしやすいという点にある。価格だけでなく、どのプロダクトが流動性を吸収するかを押さえると、短期のノイズと中期の構造変化を切り分けやすい。
市況総括
金・銀が先行し、BTCはFOMC前の9万ドル近辺で方向感を欠く。
金はスポットで$5,270/oz近辺まで上伸し、月間で+22%といった急ピッチが話題になった。銀も$116/oz近辺まで上がり、月間+60%とされるなど、貴金属主導のリスクオフが目立つ。
短期では「72時間で+$500/oz、$5,500/oz超」という観測も出ており、価格指標の差はあれど上昇速度そのものがテーマ化している。ボラティリティが上がる局面では、暗号資産側のレバレッジ調整も連鎖しやすい。
BTCは「9万ドル到達」を意識しつつも、ETFフローが重荷になりやすい。米国の現物BTC ETFは直近3営業日で純流出$2.4B、14営業日累計で$5.49Bの流出とされ、短期筋の手仕舞いが価格の上値を抑えた。
デリバティブ市場ではショート側の清算が目立った。24時間の全体清算は約$279Mで、内訳はショート約$218M、ロング約$61Mという推計が出ており、反発局面での踏み上げが中心だった。
イベント面では、FOMC結果が2026-01-29 03:00 UTC+8(04:00 JST)に公表予定とされ、直前はポジション調整が優勢になりやすい。金利見通しが「金高・ドル安」方向に傾くかが、BTC/金の相対強弱にも影響する。
規制・政策アップデート
商品・FXへ広がる分散型デリバティブは、米当局の監督論点を早めに呼び込みやすい。
Hyperliquidのように暗号資産perpから金・銀、さらには為替や指数へ拡張する構想は「分散型CME」に近づく一方、規制リスクも加速度的に高まる。高レバレッジの商品無期限先物はCFTCの中核領域で、純クリプトperpより規制感度が高いとの指摘が出た。
実務面でも、商品系perpは現物の受渡しがないとしても、参照価格・清算・レバレッジ設計が当局の関心を集めやすい。規制が強まる局面では、取引所側が上場基準や地域制限を強め、流動性が急に細るシナリオも想定される。
政策・監督の横展開では、香港の証券先物委員会(SFC)がUAEの証券商品庁(SCA)やドバイの暗号資産規制当局(VARA)と協力を進める動きが伝わった。地域ハブ間の連携が進むほど、域外事業者の説明責任は上がりやすい。
取引所の対米スタンスも再び話題になった。Binance側は、Cathie Woodが同社ユーザーではなく、米国人・米国主体へはサービスしていない旨を明言したとされ、コンプライアンス線引きを強調した。
企業・資金調達・プロジェクト動向
金高の局面では、Tetherの資産運用と「金を取引できる形」に変えるプロダクトが同時に伸びやすい。
Tetherは実物金の累計保有を約140トン、時価で約$23Bとする推計が示され、Paolo Ardoino CEOは「最大級の黄金央行」を目指すと発言した。調達は週1〜2トンのペースを維持するとされ、保管はスイスの冷戦期施設(核シェルター)との報道もある。
Tetherの金戦略は保有にとどまらず、取引デスク構想や上流投資にも広がる。JPMorganやHSBCのような貴金属大手と競合する姿勢を示し、元HSBCの金属トレーダーらを起用したほか、Elemental Royaltyなど複数のカナダ系ロイヤルティ企業への出資も報じられた。
金融商品ではTether Gold(XAU₮)が焦点だ。XAU₮は2025年末時点で16.2トン相当の金で裏付けられ、2026-01-28時点の時価総額は約$2.7B、金トークン市場で約49.5%のシェアとされた。単位を1/1,000トロイオンスに分割する「Scudo」も追加され、少額決済への適用が意識されている。
一方で、金連動トークンの価値は「流動性の獲得」と「信頼の移転」を同時に達成できるかにかかる。現物は流動性が低く、ETF等は口座ベースのため取引環境が限定されるのに対し、オンチェーン表現は24/7移転・分割・担保化の利点を持つが、保管者・監査・償還条項への依存が残る。
取引所・DeFi側は、この需要をデリバティブで取り込もうとしている。Binanceは金・銀のUSDT建てperpを提供し、Hyperliquidでも銀perpの24時間出来高が約$1.25B、金perpが約$131Mとされ、暗号資産以外のフローが流入している。
Tetherは米国向けにも布石を打った。2026-01-27に連邦監督下のステーブルコインUSATを立ち上げ、Anchorage Digital Bankが発行、Cantor Fitzgeraldが準備資産の役割を担い、Bo HinesがCEOに就任したとされる。USDT供給は2026-01-28時点で約$187Bで、運用では米国債約$135BやBTC約96,000枚(平均取得約$51,000)といった保有も報じられた。
規模の裏側には収益力がある。報道では2025年の純利益が約$15B、従業員数が約200人とされ、安価な負債(ステーブルコイン)で調達した資金を低リスク資産へ振り向けるモデルが、金・BTCの積み増し余地を作っている。
個別トピックでは、Binance AlphaがMoonbirds(BIRB)の上場を告知し、ポイント保有者にエアドロップ請求枠を設けるとした。Binance WalletではPrime第11期TGEを2026-01-29 16:00-18:00 UTC+8(17:00-19:00 JST)に予定する情報も出ている。
資金調達・新規プロジェクトでは、ロボティクス領域のPrismaXがシード$11Mを調達し、a16zが主導したとされる。タスク完了でポイントを貯める形式が案内され、将来のインセンティブ設計が注目点になる。
▽ FAQ
Q. 金連動トークンは何が「金」と同じなの?
A. Tether Gold(XAU₮)は1トロイオンス連動で、2026-01-28時点の時価総額は$2.7B、市場首位とされた。
Q. Tetherの金保有はどの程度?
A. 報道推計では実物金が約140トン(時価約$23B)で、週1〜2トン購入ペースが示され、保管はスイス施設などと報じられた。
Q. Hyperliquidが商品perpを広げると何が問題?
A. 金・銀など商品無期限先物はCFTCの領域で、2026-01-29時点でも高レバ設計ほど規制リスクが一段と上がると指摘された。
Q. USATとは何で、いつ始まった?
A. USATは2026-01-27に開始とされ、Anchorage Digital Bank発行・Cantor Fitzgerald関与が報じられた。
■ ニュース解説
金価格が急伸したため、暗号資産の周辺で「金をオンチェーンで扱う」需要が可視化された一方で、商品デリバティブ拡大は規制の視界にも入りやすい。Tetherのように資産運用で金へ踏み込む動きと、取引所・DeFiが金・銀perpでフローを取り込む動きが同時進行している。
投資家の視点:金関連は価格よりも(1)カストディと償還条件、(2)流動性の厚み、(3)規制変更時の上場・提供範囲の変化を観察し、BTCやステーブルコインのフローと切り分けて整理したい。
※本稿は一般的な情報提供を目的としており、特定銘柄・金融商品の売買を推奨するものではなく、投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
(参考:panewslab)





