SBINFT Mitsとは?正式開始からSBI Mitsへの移行まで

SBINFT Mitsは、企業やNFTプロジェクトが保有者と交流し、キャンペーンを運営するためのマーケティング基盤として登場しました。2023年の発表後に正式提供へ進み、2026年には運営会社と名称が変わっています。NFT市場への期待だけで評価するのではなく、提供時期、具体的な機能、企業が確認すべき条件から整理します。

発表は2023年、正式サービスは2024年4月から

SBINFTは2023年7月24日、NFTプロジェクトの運営を支援する「SBINFT Mits」を発表しました。その時点では、同年9月上旬のオープンベータ提供を予告しています。NFTの発行後に必要になる保有者認証やイベント運営などをまとめ、複数のツールを使い分ける負担を減らすことが狙いでした。

正式な有償サービスについては、2024年4月8日の発表で、4月17日から2種類のプランを提供すると案内しました。この発表は、前年9月に始めたベータ版を43のローンチパートナーが導入したとも説明しています。さらに2026年の公式資料も、2024年4月から正式提供していることを確認しています。

したがって、元記事が掲載された2024年2月は、ベータ版の運営と機能拡充が進む段階でした。発表、試験提供、正式版の開始はそれぞれ時点が異なります。2024年2月の報道だけを読んで、その時点ですべての有償機能が揃っていたと解釈するのは適切ではありません。

NFTの発行後に、企業とファンをつなぐ仕組み

Mitsの主な役割は、NFTを介して顧客との接点を運営することです。初期発表では、特定のNFTを持つウォレットの認証、投票、抽選、Discord連携、ミッション、スタンプラリー、分析、アンケートなどが説明されました。NFTの売買の場を用意することとは、目的が異なります。

例えば保有者認証は、あるNFTを持つ人だけが閲覧できるページに使えます。ミッションは参加条件の達成状況をウォレットごとに把握し、スタンプラリーはQRコードからNFTを付与して現地イベントと結び付ける使い方が示されていました。投票も、参加者の希望を聞いて次の企画に反映するための道具になります。

これらは参加者を識別し、企画への反応を集める機能です。NFTを受け取っただけで企業の株主になったり、すべてのイベントに永久参加できたりするわけではありません。閲覧できる情報や応募できる特典、保有条件の判定時点は、NFT発行者や個別企画が定める内容を確認する必要があります。

キャンペーン分析と「顧客の熱量」は同じではない

2024年の正式版では、利用者が作成した投稿などのUGCを活用するキャンペーン機能が追加されました。参加者のXアカウントとの連携を通じて投稿への反響を分析する機能で、アンケートやNFT配布と組み合わせる構成です。企業向けには、企画、設計、分析を支援するコンサルティングも案内されました。

一方で、投稿数や反応数が増えたことと、その企業の商品が継続して売れることは別です。景品目当ての参加と、商品や作品そのものへの関心を数字だけで区別することはできません。元記事にあった、ゲーム的な仕組みによって必ず熱心なファンやリピーターが増えるという評価は、導入効果の実測値ではありません。

活用する企業は、配布数だけでなく、受領後のイベント参加、再訪、アンケート回答などを追うと、施策のどこで接点が途切れるか検討できます。ただし、複数ウォレットの利用や連携していないSNS活動もあり得ます。ツールに表示される範囲と顧客行動全体を同一視せず、何を測れているのかを先に定義することが大切です。

実物商品の発送機能にも、発表時点の違いがある

NFT施策をオンラインで完結させず、保有者へ実物商品を届ける方向も検討されました。2024年1月29日の公式資料では、ヤマト運輸の配送連携APIを導入する機能を紹介しています。ただし、見出しは「提供開始」でも、本文は2024年5月を目処に開始する予定と記載していました。

説明された仕組みは、受取人が入力した情報から伝票を作成し、発送者による集荷の手配や、Mitsの利用代金と合わせた配送料の支払いを可能にするものです。発送者が宛先住所を別途収集しなくてよいという説明であって、住所を誰も扱わず配送できるという意味ではありません。

このような機能を使う場合、NFT保有の確認に加え、配送対象、住所入力の期限、送料負担、不達時の対応が運営上の条件になります。今回確認した資料では、このAPI連携機能の正確な本番開始日や現行の個別契約条件までは確定できませんでした。過去に紹介された仕様を、現在のすべての契約に含まれる機能として扱うことは避けます。

2026年にはブランド体験のNFT配付にも採用

その後の採用例として、2026年3月26日に明治の「きのこの山」を使った企画が発表されました。パッケージに描かれた家をcluster上のバーチャル空間に再現する「きのたけ不動産」で、Mitsは購入者へ渡す権利証書NFTの発行・配付基盤に選ばれています。企画・運営はカゴメディアが担うと説明されました。

公式発表では、NFTはPolygon上で発行し、受領方法は購入者へ郵送する案内書面で知らせる構成です。ここでの「不動産」や「権利証書」はブランドの仮想空間企画に関する表現で、現実の土地や建物を取得するとの説明ではありません。NFTに記録する対象を、具体的な体験や企画条件と一緒に読む必要があります。

同発表はMitsの導入実績を計53としていますが、これは2026年3月時点の事業者発表です。53件すべてが現在も継続していることや、全案件で売上が増えたことを示す数字ではありません。また、採用発表から個々の購入者への配付完了までは確認できないため、本記事では基盤の採用事例として紹介します。

現在はSBI Mitsへ名称変更、Marketは終了

2026年7月1日、SBI VCトレードはSBINFTとの合併完了を公表しました。契約関係をSBI VCトレードが引き継ぎ、SBINFT Mitsは「SBI Mits」として同社が運営を継続しています。これは合併の予告にとどまらず、効力発生日後の完了通知で確認できる変更です。

通知では、新たな移行手続きは不要としつつ、7月1日以降の利用にはSBI VCトレードのプライバシーポリシーとSBI Mits利用規約への同意が必要と案内しています。旧会社名が書かれた記事や資料を読む際は、現在の契約相手と適用規約が変わった点を押さえておきたいところです。

一方、NFT売買の「SBINFT Market」は2026年6月30日で提供を終了しました。Mitsの継続とMarketの終了は両立しており、会社の合併だけから全サービスが終わったと判断することはできません。Marketの公式終了案内は、自分のウォレットで保有するNFTについて、対応する外部市場での閲覧・取引を説明していますが、買い手や売却価格を保証する内容ではありません。

2026年9月27日に確認したSBI Mitsの公式ページにも、NFT配布、抽選、投票、所有認証、分析、ウォレット作成などの機能が掲載されています。導入ではヒアリングから活用案の提案、申込み、初期設定へ進む案内になっています。現在の費用、対象チェーン、個別施策の対応範囲は契約前の確認事項であり、2024年のプランや市場連携がそのまま続くとは限りません。

よくある質問

Q. SBINFT Mitsはいつ正式に始まりましたか?

A. 2023年9月のオープンベータを経て、2024年4月17日から有償の正式サービスを提供すると発表されました。2026年の公式資料でも2024年4月の正式開始が確認できます。

Q. SBINFT Marketが終わるとMitsも使えなくなりますか?

A. 別サービスです。Marketは2026年6月30日に終了しましたが、Mitsは同年7月1日の合併後、SBI VCトレードがSBI Mitsとして運営を継続しています。

Q. NFTを配れば売上やリピーターは必ず増えますか?

A. 効果は保証されません。配付や投票、投稿分析は施策を運営・評価する道具です。企画内容や参加条件を整え、受領後の行動も含めて検証する必要があります。

この記事の出典

※本記事は公開情報をもとにした一般的な情報提供であり、投資の勧誘や助言ではありません。暗号資産・NFTの価格は大きく変動します。最新の情報は各公式発表をご確認ください。