ホワイトリストを「解けた人」だけに配るNFT——NTRPYの試練が日本時間8月21日3時に閉じる

NFTの優先購入権、いわゆるホワイトリスト(WL)は、これまで先着かフォロー&リポストか、運営の裁量で配られてきた。NTRPYはそのどれも採らない。基準は暗号解読の成績だ。3,333体のフリーミントは日本時間8月21日午前3時に始まる。間に合う枠は、もう残りわずかしかない。

配布の条件が「解読できたこと」になっている

NTRPY(@0xNTRPY)は、名前のとおりエントロピーを主題にしたNFTコレクションだ。プロフィールには、混沌が形を求め、無秩序から秩序が現れる、という一文だけが置かれている。発行数は3,333体。パートナー枠のためにも運営の都合のためにも動かさない、と運営自身が明言している。

特異なのはWLの配り方だ。枠は、Xの長文記事機能で公開される「FIELD NOTES」という連作の謎解きを、自力で解いた人に渡る。ARG(代替現実ゲーム、現実のメディアを舞台に進む謎解き)そのものの形式である。

8月17日に公開されたTrial 1は、当日中に枠が尽きた。告知は短い。枠はすべて埋まった、Trial 2を読み込み中——それだけを投稿して、次の試練へ移っている。

いま動いているのはTrial 2。枠は50。8月19日の公開から返信は631件を数え、閲覧は6万を超えた。

7つの試練には、神話の生き物の名前がついている

Trial 2の副題は「The Seven」。7つの問題が一列に並ぶ。それぞれに名前があり、順にPSYCHE(プシュケ)、OUROBOROS(ウロボロス)、PROTEUS(プロテウス)、ARACHNE(アラクネ)、GLAUX(グラウクス)、KETOS(ケートス)、SKORPIOS(スコルピオス)と続く。

名前はいずれも「変化」の様式に対応している。溶けて作り直されるもの、脱皮して続くもの、形を持たないもの、自分の体から構造を出すもの、闇で見るもの、光のない水を越えて呼ぶもの、そして変われないもの。あるものが変化する道筋は7つある——という前提が、そのまま出題の骨格になっている。

問題は独立していない。ひとつ解くと単語がひとつ出て、その単語が次の問題を開ける。4問目で詰まっているなら3問目の答えが間違っている、という設計だ。最後に7つの単語をつなげたものが答えになり、指定のアカウントへダイレクトメッセージで送る。

ヒントの出し方にも思想が出ている。担当は@JustJay4kだが、頼まれても出さない。同じ場所で詰まっている人が一定数を超えたことを観測できたときだけ出す、と明記されている。求めても出ない。詰まっている姿が見えていれば出る。

もうひとつのWLルートは、他コレクションの保有スナップショット

謎解きが唯一の入口ではない。8月15日には、Mancerというコレクションの保有者をWL対象として記録した、という投稿があった。その後CLUTCHの保有者についても同様の動きがある。

特定時点の保有状況を記録する、いわゆるスナップショットによる付与だ。解読はいらない。ただし対象も時点も事前には告知されず、事後に「記録した」と伝えられるだけである。つまり告知を見てから買っても間に合わない。謎解き枠と同じ思想の延長といえる。

「1人1回」を、運営は言葉どおりに運用している

Trial 2の規約は、この種の企画としては異例に厳しい。複数の応募をした人物は「witnessed(見られた)」うえで「blacklisted(除外)」される、と書かれている。この2語は厳密な意味で使う、という断りまで添えられている。監視は脅しではない。あなたが来る前からずっと続いていた状態を述べただけだ、という言い方をしている。

参加者に求められるのは、ウォレットを1つ持って、1回だけ来ること。二度入れる儀式はそもそも儀式ではなかった、というのが公式の説明である。

なお、7つの単語とは別に、隠された要素を見つけた人がETHを得る、最後の謎が秘密鍵を開ける、という趣旨の記述もある。こちらは現時点で決着がついていない。

ミントは日本時間8月21日午前3時

条件は固定投稿で公開されている。日付は現地8月20日、時刻は午後2時(米国東部時間)。日本時間に直すと8月21日の午前3時になる。会場はOpenSeaのntrpygenesisコレクション。

発行はフェーズごとに1ウォレット1回。確定枠(GTD)と先着枠(FCFS)の区分は、OpenSea上で先に確認できる。ただし最終リストはミント直前まで更新されると告知されている。いま見えている表示が確定ではない。

価格はフリーミント。ガス代以外の負担はない。

この設計は、何を選別しているのか

ここからは筆者の見方になる。

WLを抽選で配れば、集まるのは運のいい人になる。フォロー&リポスト形式なら、拡散する人が集まる。ではNTRPYは誰を集めているか。数日かけて画像を解析し、暗号を試し、他人と情報を突き合わせられる人だ。8月15日の投稿には、高い知能を持つ個人を探している、と直球で書かれていた。同じ投稿に添えられていたのは、ここではWebブラウザは役に立たない、という一文である。

この方式のコストは高い。ハードルが上がるぶん、母数は確実に減る。それでも7つの問題を作り込み、ヒントの出し方まで設計しているのは、初期保有者の質がコレクションのその後を決めるという判断があるからだろう。3,333体を動かさないと繰り返し宣言しているのも、同じ判断から来ていると読める。

参加を検討しているなら、締め切りまでの時間は短い。ただし、答えを人から受け取って出す行為は、この企画では最も割に合わない。運営が見ているのはまさにそこだからだ。

※本記事は情報提供を目的としたもので、特定のNFTの購入を推奨するものではありません。NFTの取得には価格変動その他のリスクがあります。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。記載の日時・条件は執筆時点(2026年8月20日)の公開情報にもとづきます。