▽要約
マクロ供給衝撃:失われたBTCで希少性加速
ETH投資流入:ETF買い越しとUSDe利回りの綱渡り
ステーブル規制:香港KYC vs 米GENIUS法
洗浄ネット摘発:Huione事件が示す送金経路
8月6日暗号資産最新動向 を追う読者の疑問は「規制強化と資金フローは価格にどう直結するか」。本稿では、①ビットコイン供給ショック、②イーサリアムへの資金流入とUSDe高利回りの裏側、③安定通貨規制の東西比較、④マネロン摘発事例の余波という順に結論を提示し、投資判断に直結する数値とリスクを整理する。
ビットコイン供給ショック──「失われた400万枚」のインパクト
総発行2100万枚のうち最大379万枚が永久に失われ、実質流通量は1700万枚前後に縮小。これは三度目の半減期に匹敵する希少化圧力だ。
- 失効要因は2009年〜13年のハード紛失や秘密鍵喪失が7割
- MVRV‑ZScoreは2.6と歴史的中立圏、上値余地が示唆される
- 日本企業のBTC買い:MetaPlanetと美甲チェーンConvanoが合計2万枚超を目標に買い増し
イーサリアムETF純流入とUSDe高利回りの綱渡り
現物ETH ETFへの7月純流入は54億ドルで史上最高。一方でEthena LabsのUSDeはAaveとの「Liquid Leverage」で年利50%を演出しているが、プロモ報酬12%が消えれば利回りは急降下する。
ETFマネーフロー
- CME建玉でETH/OI比率がBTCの40%に上昇
- ETHがBTC比で上昇に転じたのは4月以来
USDeのリスクチェック
- 収益源:資金調達金利+LSTイールド
- funding negative化 & 借入金利>複利リワード の局面で逆ザヤ
- インセンティブ終了予定日未定=短期狙い向け
香港KYCとGENIUS法──ステーブルコイン規制の二極化
香港は8/1施行の《安定幣条例》でKYCを義務化、DeFi接続を事実上排除。一方、米国はGENIUS法で州ライセンス制を導入し、イノベーション余地を残す。
- 香港:1営業日以内の面値償還、AMLデータ5年保存
- 米国:資本金2000万ドル・リザーブ監査のみ強制
- 企業戦略:Circleは米優位、京東チェーンは香港の「JCOIN」で実証
マネロン摘発──Huioneネットワークの「アジアAmazon」
米財務省は柬埔寨のHuioneグループを40億ドル洗浄と認定。USDT封鎖後に独自USDHを発行し規制回避、土豆担保へブランドスライドして存続。
- Telegram上に数千の闇マーケット、偽造IDや口座を仲介
- 銀行・取引所・園区が多層化=L2の匿名POE技術で追跡困難
- Tetherは約3000万USDT凍結、しかしUSDH等代替トークンで継続
▽ FAQ
Q. 失われたBTCは正確にどれくらい?
A. 最新調査では287万〜379万枚が永久に移動不能となり、流通量の約2割が減った計算です。
Q. 香港の新しい安定通貨ライセンスの特徴は?
A. KYC義務を徹底し、100%現金等価資産の裏付けを必須とする一方、DeFi経由の匿名送金は原則禁止です。
Q. USDeの年利50%は安全か?
A. 追加インセンティブが終了すれば利回りは急低下する恐れがあり、借入コストと資金調達環境にも注意が必要です。
Q. 日本企業のBTC保有はなぜ急増?
A. 円安と法人税優遇見直しを背景に、ビットコインをインフレヘッジとみなす上場企業が増えているためです。
■ ニュース解説
BTCは半減による低インフレに加え、永久に移動不能となった「失効コイン」が隠れ供給減として効いており、市場全体の構造的な希少性を強めています。
一方でETHは、ETFマネーの継続的な流入とUSDeレバレッジ需要が相まって需給が引き締まりやすい状況にありますが、超高利回り案件が終了すると資金が急速に逆流するリスクも見過ごせません。
規制面では、香港が強制KYCで匿名送金を封じる一方、米国は州ライセンス制で比較的柔軟なフレームを残すなど、東西で方針が二極化しています。そのため、プロジェクト側にはユースケースごとに最適なトークン設計と準拠地域の選定が求められます。
投資家としては、短期では政策ヘッドラインに価格が大きく振られやすい一方、長期では流通供給の絞り込みと法人による買い増しが価値形成の鍵となるため、最終的な判断は自己責任で行う必要があります。
(出典:Foresight News,吴说区块链 & Odaily,区块深解)