【要約】
CZは「BTCが本周期で50万~100万ドルに達する可能性」を示唆
米国新法案「2025年デジタル資産市場構造法案」討議開始
3422枚・12年間動かなかったBTCが一挙移動:時価総額約3.24億ドル
Binance周辺:MYX FinanceのTGEやSpace and Time (SXT)のローンチなど一挙に進展
トランプ大統領関連の暗号資産利益問題に米議会が本格追及
OP_RETURNデータ上限撤廃案がBitcoiner間で議論沸騰
CZの楽観的BTC予測と今後の注目領域
暗号資産取引所・Binanceの創業者であるCZ(趙長鵬)氏は、最近のインタビューで「今回のビットコイン(BTC)サイクルでは価格が50万ドルから100万ドルに達する可能性がある」との見解を示しました。過去のセンチメントではMemecoinのブームがやや加熱してきた部分はあるものの、「短期的な投機ではなく、AIや科学研究など長期的価値を提供できる分野でのブロックチェーン活用」により注目すべきだとも強調しています。
さらにCZ氏は、「今後はDEX(分散型取引所)がCEX(中央集権型取引所)を上回る時代が来るだろう」との見解を示し、自身は現在、新たなプロジェクト設立よりも若手起業家のメンター・アドバイザーを中心に活動していると述べました。
米国新法案や世界規制の動き
● 米国「2025年デジタル資産市場構造法案」討議開始
米国下院金融サービス委員会にて、「2025年デジタル資産市場構造法案」が討議稿として公表されました。この法案はデジタル商品やステーブルコイン、自主管理権(セルフカストディ)やDeFi(分散型金融)の定義、CFTCとSECの監督権限分担などを明確化し、取引所やカストディ事業者の登録制度を設けることで米国の市場競争力を高める狙いがあります。現時点では意見徴収段階ですが、今後の立法プロセスで最終的な仕組みがどうなるか注目が集まっています。
● トランプ大統領関連の資金流入疑惑
一方、米国国内ではトランプ大統領の100日間の在任期間中に仮想通貨関連で多額の利益が得られている可能性に対して、議会が本格的に調査を開始。とくにトランプ関連のMemecoinやNFTプロジェクトを通じた数億ドル規模の利益が、海外投資家との間でどのようにやり取りされているかが焦点とされています。
この問題は「外国勢力が政治的影響を得るために仮想通貨を活用しているのではないか」という安全保障面も取り沙汰されており、国家レベルでの利害調整が急務となっています。
注目のトピック:古参BTCの移動・OP_RETURN議論
● 12年間眠っていたBTCが大量移動
2025年5月5日から6日にかけて、2012年以降一度も動いていなかった3422BTC(約3.24億ドル相当)が複数の新ウォレットに移動されたと報じられました。これらは閉鎖済みのBTC-eから引き出されたものとみられ、当時の価格は1BTCあたり13.5ドル程度で、約7000倍近い評価益を生み出している計算になります。
こうした巨額の旧BTC移動は市場に心理的なインパクトを与えますが、今回の売却意図や資金用途は不明です。多くのアナリストは「即時の価格下落要因というより、保有者がウォレットの整理やセキュリティ強化を意図した可能性もある」と慎重に見ています。
● OP_RETURNデータ上限撤廃案への論争
Bitcoin Coreの開発コミュニティでは、OP_RETURNで埋め込めるデータサイズ上限(現行80バイト)を撤廃する提案が議論を呼んでいます。本来OP_RETURNはトランザクションに付随する任意データ領域ですが、過度に大容量データが書き込まれるとチェーン負荷や手数料高騰、さらにはスパムリスクが懸念されます。
賛成派は「そもそも高い手数料を払って大容量を使う意思があるなら自由競争に委ねるべき」と主張。反対派は「無制限に許可すればBitcoinネットワークがデータストレージ化し、送金本来の目的が損なわれる」と懸念しています。今後のコミュニティ内投票や議論により、実際にコード変更が行われるかは要注目です。
Binance周辺のホットニュース
● Binance WalletのTGE第15期:MYX Finance
Binance Wallet公式アナウンスによると、Alphaポイント142以上のユーザーが限定参加できるTGE(Token Generation Event)の第15期プロジェクト「MYX Finance」が開始される見込みです。さらに、ポイントが99~141のユーザーでもUID末尾が「8」の場合は抽選枠が付与されるとのこと。
MYXトークンはBNB Chain上で展開され、コミュニティ空投も予定されています。空投対象者は専用サイトで確認可能となり、未請求分は一定期間後に失効する仕組みが導入されるという発表です。
● Space and Time (SXT)の上場
Binanceは**ZK技術を活用したデータ検証型ブロックチェーン「Space and Time (SXT)」**をローンチプールに追加し、BNB・FDUSD・USDCをステーキングするとSXTを獲得できる仕組みを提供開始しました。取引ペアもSXT/USDTやSXT/BNBなど複数用意され、5月8日から正式上場が予定されています。
● Maple Finance (SYRUP)・Kamino Finance (KMNO)の取り扱い開始
さらに5月6日付で、**Maple Finance (SYRUP)とKamino Finance (KMNO)**が現物取引で上場。両者ともに「シードタグ(高リスク相当)扱い」でのリストとなり、投資家はリスク評価を行ったうえで利用するよう呼びかけられています。
その他の動き:企業買収や新プロジェクト
- Berachain:流動性預入キャンペーン(Boyco)が終了し、報酬のBERAトークンをユーザーが引き出し可能に。早期参加者向け一部インセンティブは個別プロトコルで請求する仕組み。
- 米国大型マイナーRiot:4月にBTCを475枚売却し、約3880万ドルを確保。ビットコインマイニング難易度が年初来35%上昇する中、資金確保策を強化。
- Tether:Tronネットワークで10億USDTを追加発行。ただし「権限付与のみで実際の流通に直結しない在庫補充分」と公式が説明。
ニュースの解説
今回の「5月7日仮想通貨ニュース」は、複数の注目材料が重なった点が特徴的です。まず、CZ氏による強気のBTC価格予測は市場心理を支える一方で、米国規制当局による「デジタル資産市場構造法案」やトランプ大統領関連の調査など、政治・規制リスクも一段と高まっています。
その一方でBinanceに代表される大手取引所は、新たな上場やTGEイベントを相次いでローンチし、機関投資家だけでなく個人投資家の資金が再び活性化しつつある模様です。特にMYX FinanceやSpace and Time (SXT)の登場は、データ検証型のブロックチェーンやコミュニティ主導の空投という新潮流を象徴していると言えます。
ただ、BitcoinコミュニティではOP_RETURNの利用上限を巡る是非論も白熱し、基本的には「手数料を払うなら自由に書き込む権利がある」という自由市場論と、「過度なデータ書き込みは本来のブロックチェーン機能を圧迫する」という慎重派が衝突しています。これは今後のBTCネットワークの方向性を占う重要な論点となりそうです。
さらにトランプ氏の資金疑惑は、海外からの資金流入を含む大規模な「政治と仮想通貨ビジネス」の関係が焦点化しており、米議会による追及も強まっています。こうしたリスク要因を抱えながらも、市場は依然としてBTCを中心に堅調さを維持しているのが現状といえます。
今後は米国の法整備や投資環境がどの程度明確化するか、そしてBTC価格が大台を突破できるかで、今年後半の市場展望が大きく左右されるでしょう。いずれも引き続き注視が必要です。