10月19日暗号資産ニュース:市況・規制・企業動向

▽ 要約

市況 BTCは$107,000、ETHは$3,900近辺、ETFは資金流出継続
規制 ブータンがNDIを2026年Q1までにEthereumへ移行方針
企業 OpenSeaが2026年Q1にSEA計画、収益50%で買い戻し
イベント Binance AlphaでMerlin配布・SVSA上場が進行

本稿は10月19日の暗号資産ニュースを横断整理し、現物ETFの資金フロー、OpenSeaのSEA計画、ブータンのEthereum移行など市場の判断材料を簡潔に解説する。

市況総括(価格・フロー・センチメント)

BTCは$107,000、ETHは$3,900前後へ持ち直した一方、10-17(ET)の現物ETFはBTC-$367M/ETH-$232Mの純流出が続いた。
— 直近、OKX板ではBTCが$107,015に到達する場面があり、日足での戻りを確認。ETFフローではブラックロックIBITが-$269M、フィデリティFBTCが-$67.4Mと流出が目立つ。ETH側もブラックロックETHAが-$146M、FETHが-$30.6Mの流出で、9本いずれも純流入は見られなかった。センチメント面ではCoinbase調査でビットコイン強気(機関67%、非機関62%)が優勢だが、マクロ不安を最大リスクに挙げる回答が多い。

レンジ・需給の見方

ETFの資金流出が重石となる一方、OTC経由のETH買い観測やパニック売りの解消が短期需給の均衡を下支えしうる。
— オンチェーンでは「Bitmine」関連とされる新規3ウォレットに72,898 ETH(約$279M)が流入し、週累計は203,433 ETHに到達との観測が出た。逆に、ハッカー関連6ウォレットは安値での狼狽売りにより累計$13.4M超の損失を計上している。

規制・政策アップデート

ブータン政府は国家デジタルID(NDI)をPolygonからEthereumへ移行し、2026年Q1完了を見込むと発表した。
— 公共ブロックチェーンでのSSI(Self‑Sovereign Identity)実装を国家レベルで進め、データ主権と相互運用性を重視する方針が示された。Vitalik ButerinとAya Miyaguchiの同席も報じられ、国レベルの採用として注目度が高い。

企業・資金調達・プロジェクト動向

OpenSeaは2026年Q1にSEAトークン導入と収益の50%買い戻しを掲げ、Maelstromは$250M規模のPEファンド組成を計画した。
— OpenSeaはトークン取引を軸にしたOS2への転換を進め、直近30日で$3.03Bのトークン取引、収益の約57%をトークン部門が占めるとされる。Arthur HayesのファミリーオフィスMaelstromは中堅クリプト企業に$40–75M/件で最大6社の買収を狙う計画が報じられた。

OpenSea(OS2/SEA)

トークン取引が年初来$3.55B、直近30日$3.03Bに達し、空投施策と多チェーン統合が流動性を押し上げている。
— 2026年Q1予定のTGEでは供給50%をコミュニティに配分、初期収益の50%でSEA買い戻しを行う方針。Base/Arbitrum/Solana統合や「Treasure Chest」施策などが回転を牽引。

取引・市場インフラ

Binance Alphaでは大口による疑義のあるウォッシュトレード指摘と、Merlin配布の閾値変更が短期フローを左右しうる。
— データ分析者はAlpha銘柄群で多数のアドレスが高頻度往復売買を行う実態を提示。Merlin配布は240ポイント以上で125 MERL請求可、閾値は毎時15ポイントずつ低下する設計。

イベント

Binance AlphaでSavannaSurvival(SVSA)が2025-10-20に上場予定で、関連タスク参加が継続している。
— ENA関連では創業者関連マルチシグが過去3日で48M ENA(約$20.4M)をCEXから移管した動きも観測され、個別フローに注意が必要。

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▽ FAQ

Q. ビットコイン現物ETFの資金フローは?
A. 2025-10-17(ET)に総額$367Mの純流出。IBITは-$269Mで3日連続流出。

Q. イーサリアム現物ETFの直近動向は?
A. 同日に-$232M。ETHAが-$146M、FETHが-$30.6Mと主要2本で流出が目立つ。

Q. OpenSeaのSEAトークン計画は?
A. 2026年Q1予定。供給50%をコミュニティ配分、初期収益の50%で買い戻し実施。

Q. ブータンの国家デジタルIDはどう変わる?
A. PolygonからEthereumへ移行、完了目標は2026年Q1。SSIで個人主権を強化。

Q. Binance AlphaのMerlin配布の条件は?
A. 240ポイント以上で125 MERL請求可。閾値は毎時-15pt、24時間以内の確定が必要。

■ ニュース解説

ETFからの資金流出が短期の逆風となる一方で、OpenSeaのプロダクト転換やブータンの公的採用など中期のファンダ材料も積み上がったため、価格は急落後の戻りを試す展開となった。
投資家の視点:ETFフローと流動性イベント(空投・上場)を週次で点検し、ポジションは分散・段階的で管理、ボラ拡大時は板薄時間帯の成行を避けるなど執行リスクを抑える

※本稿は一般的な情報提供を目的としており、投資助言ではありません。

(参考:PANews