▽ 要約
トークン化株式:Kraken×xStocksが60銘柄上場
米「One Big Beautiful Bill」法案:減税+300USD以下暗号取引免税へ
競争激化:Robinhood独自L2で24h株取引構想
バックグラウンド:DAOstackの人材流入が信頼補強
投資視点:RWA市場拡大でUSDT需要も上向き
株式トークン化――聞き慣れない言葉だが、2025年下半期の暗号資産市場を占う最重要キーフレーズだ。本稿では株式トークン化をめぐる最新動向と「One Big Beautiful Bill法案」の影響を整理し、投資家にどんなチャンスとリスクが訪れるのかを示す。
トークン化株式とは何か
ブロックチェーン上で株式を24時間売買できる金融商品。既存株と1:1で裏付けられ、配当も自動連携される。
xStocksとKrakenの提携
Krakenは60銘柄の米国株トークンをローンチし、KYC済みの非米ユーザーに提供。
アップル、テスラ、エヌビディアなど主要テック株が対象。流動性はスイスのBacked Financeがプライムブローカを担い、資産保全を強化。
Robinhoodの独自L2計画
RobinhoodはArbitrum上のトークンを将来自社L2へ移行し、”24/5”取引を“24/7”に拡張する構想を公表。
EUユーザーに株式トークンを無手数料で配布/Open AI株の先取りキャンペーンで注目度が急騰。
「One Big Beautiful Bill」法案が与える規制インパクト
減税パッケージと同時に300USD以下の暗号取引を非課税とする修正案が浮上。
加密税制の簡素化
– 小額決済で税負担が消える→ステーブルコイン決済拡大
– 5000USD年間上限案により日常支払いが現実的に
Lummis議員のトークン化株式条項
– 株式トークンの譲渡税優遇を検討。DAOstack人脈がバックアップ
人材フロー:DAOstackからxStocksへ
xStocks運営会社Backed Financeの3名はDAOstack出身でスマートガバナンスの専門家。
アダム・レヴィ博士(共同創業者)、ゴールドマンCOO経験者らがコンプライアンス設計を主導。2018年ICOで3,000万USDを調達した経験がノウハウに。
RWAブームとステーブルコイン需要
株式トークン化はRWA市場を年1000億USD規模に押し上げ、USDT循環量をさらに押し上げる可能性。
– トークン購入資金としてUSDT/USDCの需要増
– 美債利回り低下局面ではUSDT利息ゼロの機動性が評価
– 代替ドル建て資産としての地位強化
投資戦略とリスク
期待値
– トークン化株式プラットフォームのネイティブトークン
– RWA担保型レンディングプロトコル
– 合法的なステーブルコイン発行体
注意点
– 米国内投資家は依然として証券法制約下
– リークイディティイベント時の価格乖離リスク
– AML/KYC強化による匿名口座閉鎖リスク
▽ FAQ
Q. トークン化株式は現物株と同じ配当を受け取れますか?
A. はい。Custody口座に実株を保有することで、配当が自動的にトークン保有者へ分配されます。
Q. 300USD免税ルールはいつ施行される予定ですか?
A. 「One Big Beautiful Bill」法案採決後90日以内と想定されますが、修正条項の最終文言次第で前後します。
Q. 日本在住者もKrakenの株式トークンを購入できますか?
A. 日本は現時点で“非米ユーザー”に含まれず、金融庁の資金決済法適用も不透明です。
Q. 株式トークンは24時間取引できますか?
A. はい。流通市場はブロックチェーン上に存在するため、ネットワーク停止を除き常時取引可能です。
Q. DAOstack人材の参画で何が変わる?
A. オンチェーン投票やガバナンス自動化のノウハウが活かされ、ステークホルダーの透明な意思決定が期待できます。
■ ニュース解説
トークン化株式は、RWA波に乗る“第二フェーズRWA”と位置づけられる。先行した国債トークン化が低リスク資産だったのに対し、株式は価格変動リスクと配当利回りを兼ね備えるため、よりダイナミックな金融派生商品が想定される。米国上院は暗号資産を経済成長エンジンの一部とみなしつつ、脱税防止を両立させる方針だ。日本ではST(セキュリティトークン)市場が先行するが、海外勢の浸透は国内証券ビジネスの脅威にもなる。
(出典:Kraken発表,xStocksホワイトペーパー,Backed Finance資料,Foresight News, Fortune)